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【️12/12 番外編更新】俺を嫌ってるはずの幼馴染が『先輩に告白された』と相談してきたので背中を押してみる  作者: みつぎ


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最終話:好きと嫌いと恋と罪と愛と嘘と夏海と大地

「夏海ちゃん。結局、箕輪先輩とはどうなったの?」

「断ったよ。だって私、大地と付き合ってるから」

「えっ、どういうこと!? 前は付き合ってないって……ていうか、嫌いだったんじゃないの?」

「き、嫌いじゃないよ! むしろ大好き! めっちゃ好きだもん! 生理的に好き!」

「こ、こっちまで照れるからやめて……」


 ***


「なあ、大地。夏海と付き合うことになったんだって?」

「ああ、そうだな」

「幸せそうな顔しちゃってまあ……。しかしよかったな、嫌われてなくて」

「うん。まあ、知ってたけどな」

「えっ?」

「だってそれにしては普通に声かけてくれるし、話してても全然嫌われてる感じしないし。流石に分かるよ、それくらい」

「へー。じゃあ嫌いって言ってたのは照れ隠しか? なかなか面倒な性格してんなー、あいつも」

「いいんだよ、それで」

「ほう?」

「だって俺は、そんな夏海のことが――」


 ***

 

 

 ――実際のところ、俺が一番望んでいたのは、『夏海の本心を確かめること』だった。


 嫌われているなら悲しいし、好かれているなら最高だ。どちらでもないなら、それが一番辛かったかも。

 

 結果はどうであれ、とにかく彼女の本音を聞き出したかった――だけどそれがどれだけ難しいことか、俺は昔からよく知っている。

 

 特に厄介だったのが、噂の又聞きで、俺の気持ちを既に彼女に知られてしまっていることだ。

 俺からの好意がバレている状況で、仮にストレートに告白をしたとしても、あいつが素直に返事をくれるとは思えない。


 だってあいつはとんでもない、天邪鬼(あまのじゃく)だから――

 

『大地、私のことそんな風に思ってたの~? 私はあんたのこと、ただの幼馴染としか思ってなかったんだけどナ~。一生私のおもちゃになるなら考えてあげてもいいよ?』

 

 ――などと言いかねない。

 

 そうやって二の足を踏んでいると、ある日突然『相談がある』と呼び出され、『箕輪先輩に告白された』などとあいつは言ってきた。

 俺の気持ちを知った上で。しかも、なかなかのドヤ顔で。

 

 夏海。お前本当、性格終わってるぞ。俺じゃなかったら縁切られてるからな。

 

 ……だけどそれがきっかけで、俺は決心をつけることができた。 

 どうせなにをしようが、あいつの前じゃ俺の思い通りになんてならない。


 

 だったら、()()()()()()()()()()()()()()()()()


 

 あいつが天邪鬼なら、俺も天邪鬼になればいい。

 

 面倒なあいつに対して俺は、より面倒な策を講じることにしたのだ。

 

 だから俺は、あいつに――

 


 ――『イケメンな先輩と付き合えばいい』とアドバイスをした。イケメンな先輩と付き合ってほしくないから。

 

 ――『美人な先輩に告白された』と嘘をついた。美人な先輩より夏海と付き合いたいと思ってるから。

 

 ――『俺を振って初恋に終止符を打ってくれ』と願った。この初恋を終わらせたくなかったから。


 ――そして、らしくもない熱い告白をした。普段ならそんなこと絶対にしない、俺だからこそ。

 しかし勢いで壁ドンならぬ窓ドンまでしてしまって……今思い出しても恥ずかしい。

 

 だけどきっとそうやって、ひたすら逆を突き進むことで、どこかで俺たちは繋がれる。

 素直じゃないあいつが、俺に対して本音をぶつけてくれる――そんな奇跡が起きるはず。


 ……なんて、冷静に振り返るとほぼギャンブルみたいな作戦だったけど。

 自暴自棄の末に辿り着いた愚策。保証も根拠も勝算もない、一か八かの賭け。

 

 だけど結果――確かに奇跡は起きた。まったくここまで辿り着くのに、どれほど苦労したか。


 本当に……本当に、面倒な幼馴染だ。


 でも、仕方ないよな。

 そんな性格も含めて、俺はあいつのことを好きになってしまったのだから。


 

 ――――いつからだろう。俺が夏海のことを好きになったのは。

 

 ――――なんで俺、こんなやつのこと好きになったんだっけ……?

 

 

 

 ……ああそうだ、思い出した。

 あれはまだ、俺たちが小学生の頃――


 

 

『あっははは、大地ー、ひっかかった?』

『あっ、夏海!? なんでお前がここに……ってまさか、あのラブレター机の中に入れたの、お前かよ!』

『残念、私でしたー。期待しちゃったぁ? あんたを好きな子なんて実在しませ~ん』

『くっそ……。いつもいつも、いい加減にしろよなお前!』

『ごめんってー。あー私、あんたをからかってる時が生きてて一番楽しいかもっ』

 

『ほんと、いい性格してんなお前……』 

『ふふっ。これからもずっと、私を楽しませてね。大地っ!』


 

  

 ――そんな夏海の輝くような無邪気な笑顔を、『可愛い』と思ってしまったから。

 

 あの時俺は彼女のことを、どうしようもなく、好きになってしまったのだ。

 


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普段は学園ラブコメを中心に投稿しています。よろしければ他の作品も読んでみてください!

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