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放課後カミカクシ・レトロ  作者: 雨音静香
第一章 過去? 異世界?
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着替え

 お昼を食べ終えた私たちは、牛乳パックの空き容器をゴミ袋に捨てて、昼休みに突入した。

 昼休みの過ごし方は、グラウンドた体育館でサッカーやバスケをする人、部活動に参加する人、図書室を利用する人、教室でおしゃべりをする人と様々で、決まりは無い。

 林田凛花という生徒は、1-Fに入学式から、ちゃんと在籍していたと認識して貰っているものの、私自身の認識としては、急に今日やってきたばかりの転校生の気分だ。

 正直、京一として中学生だった頃よりも前の時代の中学生活は、ジェネレーションギャップを感じることが多い。

 ジャージで過ごしている子はいないどころか、皆きっちりと制服を着用していた。

 元の時代というか、世界だと、ジャージで授業を受けることや登下校も許可されていたので、制服を着ている子はそれほど多くなかったので、全員制服姿というのは結構衝撃的だったりする。

 そんなことを感じていると、教室の前方に掛けられた時計を確認していたyみりんが声を掛けてきた。

「リンリン、そろそろ行こう」

「あ、うん」

 既に時間割で、次の授業が体育だと確認していた私は、更衣室に行くのだとわかっている。

 さっきお弁当箱を出すときに入っていたピンクの袋の中に、体操服が入っているのもチラリと確認していたので、サブバッグから早速撮りだした。

 そんな私を見て、ユミリンは「見学じゃ無くて、大丈夫?」と聞いてくる。

 今日は保健室スタートだった私だけど、世界が切り替わった余波でそうなっていただけで、体調を崩しているわけでは無かった。

 なので「大丈夫そうだから、心配してくれてありがとう」と伝えると、ユミリンは心配そうな顔から笑顔にスパッと表情を切り替える。

「じゃあ、行こう」

 ユミリンの言葉に頷いて、体操服袋と、一緒に入っていたタオルを手に、一緒に教室を出た。


 てっきり更衣室に向かうのだと思っていたら、辿り着いたのは、お隣の教室『1-E』だった。

 教室に入ると、南側のグラウンドに面した窓のカーテンは全て閉じられていて、既に着替え始めている子がいる。

 クラスの数からして、空き教室は無いので、更衣室は無いんだなと理解した。

 というか、それよりも衝撃的なものが目に入る。

 ほぼ着替え終わっている子を見れば、衿と袖に紺のラインの入った半袖のシャツに、クラスと名字の書かれたゼッケンが貼り付けられていた。

 ゼッケン自体にも軽い驚きはあったけど、下半身を覆っているブルマの衝撃は凄まじい。

 一瞬、指向がトまっ\てしまったものの、この世界が『昭和64年』あるいは『平成元年』なら、女子の体操服としては、()()()()格好だった。

 体育の授業を受けるのに、当たり前の格好なので気にしているような人はいない。

 けど、京一の時から体育は男女ともにハーフパンツ……同じ格好で授業を受けるのが普通だった上に、もの凄く当時の女生徒から嫌われていたと聞いていたブルマが普通に履かれている光景に、私はもの凄い衝撃を受けてしまっていた。

 そして、自分が手にしているものを思い出す。

 確認したときは紺の縁の付いた上着しか確認していなかったけど、私も女子生徒なワケだから、当然、皆と同じブルマが入っているのだ。

 見ているだけでも、衝撃的なのに、自分が身に付けると思うと、急に怖じ気づいてしまう。

 けど、そんな私の心情などわかるはずも無いユミリンが「あ、あの辺空いてるから、あそこで着替えよう」と教室の真ん中を指し示した。


 ユミリンと移動しながら、着替えてる子達の様子を見ていたお陰で、気持ちは十分落ち着いてきた。

 よくよく思い返してみれば、花子さんという遠慮の無い視線を向けてくる人がいてくれたお陰で、意外に視線には強くなっていたし、そもそも私だけが特別な格好をするわけじゃないと考えれば、大したことが無いと思えてくる。

 ユミリンと、着替えのために借りる席へと辿り着いた私は、周りの子達と、今日の体育の内容は何だろうとか、私の調子は大丈夫かとか、部活動の話とか、他愛ない会話をしながら着替え始めた。

 まずは既に着替え終えていた子達の動きを真似て、セーラー服から脱いでいく。

 スカーフを解いて、胸当てのボタンを外してから、脇下のファスナーを降ろした。

 袖口のカフス裏のボタンを外してから頭を通して、セーラー服を脱ぐ。

 そこで、今の私はスリップというワンピース状のインナーを着ていて、スカートを脱がないと、上着を着替えられない事を思い出した。

 無理矢理スリップをスカートの上に引っ張り出す方法もあるけど、とりあえず、着替えている他の子達と同じようにスカートを履いたままで、ブルマを履いてしまう。

 片足ずつ足を入れて、スカートの中で引っ張り上げるのは、ショートパンツやスパッツと変わらないので、初めての動きというわけでは無かった。

 当然、気をつけることも一緒なので、スカートの裾を巻き込まないに気をつけながら引っ張り上げる。

 ブルマ自体は初めて履くけど、このまま地面に座ったりするからか、かなり集めで密着度が高かった。

 妙な安心感があるので、個人的にはそれほど嫌な衣装とは思わない。

 でも、まあ、足を晒すのは思春期の女子だと抵抗があるのは理解できるなと思いつつ、私はスカートのファスナーを降ろした。

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