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08 おっさんは酔っ払っい冒険者をぶっ飛ばす。

オアシス都市に到着すると、三人はその都市の鮮やかな緑と活気に圧倒された。


砂漠の中に突如として現れるこの都市は、緑の植物と清らかな水の音、多くの人々が行き交うにぎわいが特徴的だった。


「この都市、本当に素敵ですね。至るところに露天があります!」


リナは感激しながら周りの景色を見回した。


アイラは笑いながら言った。


「この都市、商人たちが集まる場所でもあるから、ドロップアイテムや魔石を売るのには最適みたいだね。」


ランデルはうなずき、


「では、まずは市場へ向かいましょうか。」


と提案した。


三人は市場の方向へ歩き始めた。


市場は大変賑わっており、各地からの商人や冒険者たちが、商品を販売したり、交渉を行っていた。


アイラは以前からの知り合いの商人を見つけ、彼に近づいた。


「アイラ!久しぶりだな。」


と商人は大声で彼女を迎え入れた。


「久しぶりだね。」


アイラは笑顔で挨拶し、


「今日はこれを売りたいんだ。」


と、三人で手に入れたドロップアイテムと魔石を示した。


ハルはアイテムをよく見て、頷いた。


「良い品を持ってきたな。いつものように、良い値をつけてやろう。」


取引が無事に終わり、ランデルとリナも他の商人と取引を行い、三人はそれぞれ換金に成功した。


「これでまた一段と旅資金が増えましたね。」


ランデルは満足そうに袋を振りながら言った。


リナも喜びの表情で言った。


「新しい装備やアイテムを買い足すのも良いかもしれませんね。」


アイラはにっこりと笑って、二人に提案した。


「それなら、この都市には冒険者の露天が集まる広場もあるから、行ってみるかい?」


三人は、新しい冒険の準備として、オアシス都市でのショッピングを楽しむことにした。


オアシス都市の中心には、冒険者たちが集まる広場が広がっていた。


そこには大小様々な露天が並び、冒険者たちが獲得した武器や防具、さらには珍しいアイテムを売買していた。


この広場は、高品質の装備を比較的安く手に入れることができる場所として、多くの冒険者たちに知られていた。


ランデルは興味津々で各露店を見て回った。


「この広場、情報だけでは知り得ない実際の装備の質や価値が確認できるので、非常に助かりますね。」


アイラは頷きながら言った。


「実際に装備を手に取って確かめることができるのは、大きなメリットだよ。」


リナも目を輝かせて、一つの露天の前で立ち止まった。


「この鎧、見てください!こんなに細かい彫刻が施されていて、しかもこの軽さ!」


露天の主人はニコニコと笑いながら言った。


「それは、東の名工が手がけた一品さ。特別に安くしておくから、どうだい?」


リナは真剣に考えているようだった。


アイラも自身の弓をさらに強化するための特別な弦を見つけ、


「これはいい!」


と喜んで購入した。


ランデルは、自身の魔法の効果を高めるためのアクセサリーを何個も見つけ、効果の高いものを買っていった。


三人は互いの購入品を見せ合いながら、広場の中を楽しんだ。


高品質の装備を手頃な価格で手に入れることができ、三人とも大満足の様子だった。


「この広場、本当に最高ですね。」


リナが感激しながら言った。


アイラは笑顔で返答した。


「次に来るときも、またここで買い物をしたいね。」


ランデルはうなずき、


「今日買った装備のおかげで、私たちの冒険がさらに進展するでしょう。」


と笑顔で言った。


三人は、新しい装備を身につけ、次の冒険に向けての準備を整えた。



夜になると、オアシス都市の活気はさらに増した。


酒場や食堂の明るい灯りと賑やかな音楽が、都市の中心部を満たしていた。


三人は、都市で評判の良い酒場を訪れることにした。


「こちらの酒場、『砂漠の楽園』という名前らしい。」


アイラが店の看板を指差しながら言った。


店内に入ると、多くの冒険者や商人、旅人たちで賑わっていた。


音楽が流れ、お酒を楽しむ人々の姿も見受けられた。


リナは目を輝かせて言った。


「ここ、本当に楽しい雰囲気ですね!」


ランデルも同意して言った。


「砂漠を渡る過酷な冒険者たちが、ここで息抜きをするのも納得です。」


ウェイターが三人のテーブルへと案内してくれ、メニューを手渡してくれた。


メニューには、都市の名物料理や特産の飲み物が並んでいた。


「オアシス都市の名物、『砂漠の実』のグリルと『極上キャメルステーキ』をお願いします。」


リナがウェイターに注文した。


アイラは


「私は、『砂塵トルティーヤ』と『オアシスのフルーツパンチ』を。」


と注文を決めた。


ランデルは


「私は『砂漠の魚、シルバーフィン』の煮込みと、特製『サボテンエール』を頼みます。」


と言った。


注文が来ると、三人はその味に驚きの表情を浮かべた。


料理は見た目も鮮やかで、一口食べれば砂漠の恵みを感じることができた。


「このキャメルステーキ、柔らかくてジューシー!さすがは名物ですね!」


リナが感嘆しながら言った。


アイラも


「砂塵トルティーヤ、中に入っている具材の組み合わせが絶妙。」


と絶賛した。


ランデルは


「この魚、砂漠の中でこんなに美味しい魚が取れるなんて驚きです。」


と笑顔で言った。


三人は、美味しい料理や飲み物を堪能しながら、その日の冒険の話や明日の予定について語り合った。




「おい、お前ら。そんなに可愛い顔して、ここで何をしてるんだ?」


食事の途中、リナとアイラの方に酔っ払ったガラの悪い冒険者数名が近づいてきた。


彼らは酒臭い息を吹きかけながら、二人に絡んできた。


「こっちのテーブルに来いよ。」


一人の冒険者がニヤニヤしながらリナに言った。


別の冒険者はアイラに迫り、


「今夜は俺たちと一緒に楽しもうぜ!」


と楽しそうに言い放った。


しかしリナは冷静に


「すみません、私たちは友人と食事中です。邪魔をしないでください。」


と言い返した。


アイラも


「何だお前たちは、こっちに来るな。」


と不機嫌な顔で言った。


冒険者A:「おいおい、そう言うなよ。俺たちはあんたらみたいな美人さんたちと仲良くしたいのさ。どうだ?」


彼はリナに近づこうとするが、アイラの伸ばした足に引っかかり、近くのテーブルに顔面をぶつける。


それを見た酒場の客が笑い出す。


冒険者B:「てめぇ、何やってんだよ!」


男はアイラに手をかけようとするが、アイラのキレのある動きで避けられ、後ろのテーブルに突っ込んでしまう。


冒険者C:「お前ら、何してくれてんだ!」


と逆上するが、ランデルがその場に立ち上がり、静かに注意する。


「失礼だと思いませんか?」


その言葉に冒険者Cは怒りを爆発させ、ランデルに襲いかかろうとする。


しかし、ランデルは淡々と手を掲げ、その手から放たれる支援魔法の力で自分を強化した。


ランデルは、冒険者を一撃で外まで吹き飛ばした。


冒険者は空を飛んでいる間に、


「グワァ!?」


と叫んだ。


リナとアイラも瞬時に反応。


アイラは一人の冒険者の頭を蹴りぬいた。


リナは別の冒険者の足元を蹴り上げ、彼を天井にぶつけた。


酔っ払い質が


「うわあっ!」「助けてくれぇ!」


と悲鳴をあげる中、三人は素早く冒険者たちを撃退した。


「すごい!」


酒場の客たちは驚きの声をあげながらも、三人の力強さに感心した。


周りの客たちも次々と手を叩いて盛り上がった。


「彼ら、本物の冒険者だ!」


という声が飛び交い、酒場は一瞬で三人を称賛する雰囲気に包まれた。


客A「すごいな、あの三人。こんなに迅速に動ける冒険者、初めて見たよ。」


客B「あの酔っ払ったバカたち、全然相手になってないね!」


客C「あの女性二人、強いし綺麗だし、最高じゃん!」


あとからやってきた酒場のオーナーも


「この酒場でこんなに盛り上がったのは久しぶりだ。ありがとう、君たち!」


と、上機嫌であった。


ランデルはオーナーのところへ行き、


「すみません、こんなトラブルを起こしてしまって。」


と頭を下げた。


しかしオーナーは


「私も奴等には迷惑していたんだ。今のは、正直スッキリしたよ。」


と言い、大きな声で店内に向けて宣言した。


「皆さん、今夜はこのお祭りのような騒ぎを盛り上げてくれた三人の冒険者に感謝して、1杯奢ろう!乾杯だ!」


酒場の客たちは歓声をあげ、グラスを持ち上げて「「「乾杯!」」」と大きな声で叫んだ。


オアシス都市の酒場は、一瞬の緊張から、再び和やかな雰囲気に包まれた。


三人はその夜、多くの冒険者たちと新しい友情を築くことができた。


オアシス都市の酒場での一件は、都市中の冒険者たちの間で大きな話題となった。



宿に戻ると、ランデルは一人部屋の鍵を受け取り、リナとアイラは二人部屋の鍵を手にした。




「アイラさん、今夜は女子会ですね!」


リナが楽しそうに提案した。


アイラはニコリと笑って、


「素敵だね!リナさん、話すの待ちきれないよ!」


と応じた。


ランデルは微笑んで二人に言った。


「楽しんできてくださいね。」


廊下を歩きながら、ランデルはちょっとだけ羨ましいと思ったが、同時に二人の仲の良さに温かい気持ちも抱いた。


彼は部屋に戻り、明日の冒険に向けて計画を練り始めた。

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