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07 おっさんは砂漠で弓使いの美女を助ける。

「ここが砂漠…。広すぎて、どこに進んだら良いのか分かりませんね…。」


リナは目を細めて砂漠を見つめた。


二人が砂漠の入り口に立った時、目の前には終わりなき砂の海が広がっていた。


熱波が地面から立ち上るのが見え、遠くには砂嵐が舞い上がっているのが見えた。


ランデルは地図とコンパスを取り出し、方向を確認する。


「オアシス都市へは、この地図の示す方向に進むようです。夜になると気温が急激に下がるので、昼間に進む距離をできるだけ確保するとしましょう。」


砂漠を進む上でも、二人はランデルの支援魔法のおかげで、極端な温度変化や砂漠特有の困難にも耐えることができた。


砂漠の中は意外と生命に溢れていて、大きなヤモリや巨大なクモなどのモンスターがちょくちょく姿を現した。


「こんな所にこんなにたくさんの生き物がいるなんて…」


リナが驚きの声をあげる。


ランデルも感心しながら言った。


「生命力の強さには驚かされますね。」



「ランデルさん!あれ、人じゃないですか!?」


オアシス都市へと近づく中、二人の前方に、砂の中に半分埋まって倒れている人の姿が現れた。


二人は急いで近づいた。


倒れていたのは、弓と矢の袋を背負った金髪ショートカットの美女だった。


砂漠用のフードの隙間からは、輝くビキニアーマーが見えていた。


彼女の肌は、砂漠の厳しい環境にもかかわらず、一切日焼けしておらず、その美しさは圧巻だった。


「脱水症状ですね。早く水を飲ませてあげましょう。」


ランデルは女性の様子を確認し、水筒を取り出してリナに渡した。


リナは女性の唇に水筒を持っていき、ゆっくりと水を飲ませた。


ランデルはその間、周りを見張り、急ごしらえのテントを作成した。


数分後、女性は目を開けて二人を見つめた。


「…ここは…?」


女性が弱々しく声を上げた。

「大丈夫ですか?あなたは砂漠で倒れていたのですよ。」


「ああ、そうだった…。助けてくれてありがとう。」


女性は力強く言った。


「私の名前はアイラ。見ての通りアーチャーさ。急に砂嵐が来て、その中で意識を失ってしまっていたようだ。」


ランデルは笑って返答した。


「僕はランデル。こちらはリナ。僕たちはオアシス都市に向かっています。アイラさん、よければ一緒に行きませんか?」


アイラは一瞬考えた後、はっきりと頷いた。


「…ありがたい。道中の危険は、一緒に乗り越えてさせてほしい。弓の腕前には自信があるからさ。」


ランデルとリナはアイラの力強さに感心し、三人でオアシス都市への旅を再開した。



「アイラさん、どうして砂漠の中でお倒れになっていたのですか?」


リナが優しく尋ねました。


アイラは鋭く目を細めて答えた。


「実は、最近この無限に矢が尽きない魔法の矢筒を手に入れたんだ。だけど、全部の金を使ってしまったんだよ。」


ランデルが深く考えながら言った。


「しかし、それだけがお倒れになる理由ではありませんよね?」


アイラは苦笑いを浮かべながら言った。


「問題は、この矢筒の矢がただの普通のものなんだ。砂漠のモンスターはタフで、これじゃあろくなダメージも与えられなくなってきた。だから狩りの効率がガクンと下がってね。砂漠の途中で、食料や水がなくなってしまったんだ。」


リナは慎重に言葉を選びながら言った。


「その矢筒、良いものを持っているのに、効果的な矢がないなんて…少し残念ですね。」


アイラは肩をすくめて言った。


「うん、まさにその通り。でも、もう金もないし、困ったものさ。」


その時、突如として大きな影が三つ、砂の上を這って近づいてきた。


巨大なサソリのようなモンスターだった。


リナは即座に剣を構えた。


「モンスターです!ランデルさん、支援魔法を!」


ランデルは深く息を吸い込み、「もしかしたら…」とつぶやきながら、リナだけではなくアイラにも支援魔法をかけた。


「これは…すごい、力が湧いてくる!」


虹色の光がリナとアイラを包み、彼女たちの武器にも伝わった。


「アイラさん、矢を撃ってみてください!」


ランデルが叫んだ。


アイラの目が輝き、弓を引き絞ると、七色の光に包まれた矢がサソリの一匹に向けて放たれた。


矢は風のように早く飛び、サソリの背中を貫通した。その際、サソリの体は矢を中心に吹き飛んだ。


サソリはその場に崩れ落ち、動かなくなった。


「んなっ!?」


アイラが驚きの声を上げた。


彼女は落ち着くと、ランデルの方を向いた。


「すごい、これがランデルの支援魔法か…。こんな力を持ってるなんて、驚きだよ。」


ランデルはにっこりと微笑みながら言った。


「僕の支援魔法とアイラさんの腕前、合わせれば、もっと強力になると思ってました。」


アイラが再び弓を構え、もう一匹のサソリモンスターに向けて矢を放った。


それもまた一撃で仕留めるほどの威力を発揮した。


「私も負けてられません!」


最後の一匹は、リナが一撃で切り裂いていた。


三匹のモンスターを倒した後、三人は砂漠を進むペースを上げ、オアシス都市への道のりを急ぎ始めた。



太陽が沈み、夜がやってきた。


ランデルとリナ、そしてアイラは砂漠の上にテントを張り、火を灯して身を温めた。


夜の砂漠は冷え込みが激しかったが、星空はとても美しかった。


星々がきらめく空を見上げながら、三人は火を囲んで会話を楽しんだ。


アイラは矢筒をいじりながら言った。


「この矢筒、買って本当に良かったよ。今日のような場面で役立ったからね。」


ランデルは微笑みながら答えた。


「私たちもアイラさんの力を借りられて、本当にありがたいと思っております。」


リナも同感で、頷きながら言った。


「本当にそうですね。アイラさんの弓の腕前は素晴らしいです。」


アイラは少し照れながらも、自信満々に言った。


「早撃ちとコントロールには自信があるからね!」


夜が深まり、三人はテントの中でゆっくりと休息を取った。



次の日、朝の光とともに、遠くの地平線に緑が広がるオアシスが見えてきた。


リナは目を輝かせて言った。


「あれが、オアシス都市の近くのオアシスでしょうか!」


ランデルは遠くを眺めながら答えた。


「多分そうですね。もう少しで到着です。新しい冒険に期待が高まりますね。」


アイラは強い決意と興奮の混じった目で前を向きながら言った。


「新しい場所、新しい冒険。楽しみだね。」


三人は砂の上を歩きながら、新しい冒険に胸を膨らませた。

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