05 おっさんは移動中も無双して、美少女剣士と港町で豪華な夜を過ごす。
「レベル上げをしながら、走っていきましょう。」
ランデルはリナに向かってニッコリと微笑み、提案した。
リナも元気に返事をした。
「それは最高ですね、ランデルさん!」
南東の港町への道は遠い。
山や森、湿地帯と多くの障害物が待ち構えている。
しかしランデルの支援魔法で、2人の移動速度は通常の数十倍に増加。
風を切って駆け抜けるように進んでいく。
途中、緑深い森の中で猛獣のようなモンスターたちが現れたが、リナの剣技とランデルの杖の力で、一瞬のうちに蹴散らされた。
モンスターたちの中には、珍しい素材やアイテムをドロップするものもいる。
ランデルとリナがモンスターたちから手に入れたドロップアイテムを確認すると、中には高品質の武具も含まれていた。
「さっそく装備しちゃいましょう。」
リナは新たな鎧とブーツを見つけ、装備を交換した。
ランデルは特に役立ちそうな杖やアクセサリを発見し、身につけることでさらなる力を引き出した。
リナは目を輝かせながらランデルを見つめ、
「ランデルさん、前の研究所の時よりも、もっと強くなった気がします。この道のり、すごく楽しいですね。」
ランデルは微笑みを浮かべ、答える。
「本当ですね、リナさん。君も以前よりも技術が上達していますよ。その新しい装備、とても似合っていますね。」
リナは少し顔を赤らめながら、
「ありがとうございます。でも、ランデルさんの支援魔法があるからこそ、私も安心して戦えるんです。」
ランデルはリナの頭を軽く撫でる。
「君も私も、お互いに成長しているんだと思います。でも、これからの道のりも、何が起きるか分かりません。お互いに助け合って、目的地まで進みましょう。」
リナは元気な声で、
「はい!ランデルさんとなら、どんな困難も乗り越えられる気がします!」
と返答する。
ランデルは微笑む。
「君のその前向きな姿勢、本当にステキですね。」
◇
リナが高速で動き回る中、突然彼女の足取りが少し鈍る。
ランデルはすぐに気付き、彼の杖から七色に輝く光がリナに向かって流れる。
リナの身体が再び軽やかになり、彼女は驚くほどのスピードで動き出す。
「ランデルさん、支援魔法のタイミング、本当に完璧ですね!」
ランデルは笑顔で答える。
「リナさんがストレスなく戦えるように、常にサポートしますよ。」
リナは走りながら顔を紅潮させて言った。
「ランデルさんの支援魔法、クセになっちゃいます。」
街道を進んでいく中で、邪魔になりそうな大型のモンスターも現れたが、2人の力で難なく退治する。
道中のモンスター退治のおかげで、通行の安全が保たれ、多くの商人や護衛たちが無事に旅を続けることができた。
ある時、荷物を運ぶ商人たちが彼らの元に近寄ってきた。
頭を下げながら、
「お二人のおかげで、この危険な道を安全に進むことができました。本当に感謝しています」
と声をかけられると、リナは優しく微笑み、ランデルは言葉を返した。
「私たちも旅の途中。安全に進むためには、こうしたモンスターたちを退治するのも大切だと思っています。」
商人は感謝の気持ちを込めて、その場を去っていった。
また、道中でオーガの群れが現れた際も、2人は怯むことなく突っ込んでいった。
リナは敵の中心に突進し、一瞬で数体を斬り倒す。
ランデルは杖を振るい、接近してきたモンスターを一撃で撃退。
二人は、オーガの群れを短時間で全滅させる。
「リナさん、剣技がますます鋭くなってきましたね。」
とランデルが感心しながら言うと、リナは顔を赤くして照れ笑い。
「それもランデルさんの支援魔法のおかげです。ありがとうございます。」
そんな会話を交わしながら、2人は目的地に向かい、さらに強くなることを期待して冒険を続けた。
リナがモンスターを次々と倒しながら、嬉しそうに言った。
「レベルがどんどん上がって、ステータスも今までと全然違います!」
ランデルが微笑みながら返した。
「それは良かった。でも、君にも元々才能があったんだと思いますよ。」
リナは顔を少し赤らめて言った。
「ありがとうございます。でも、ランデルさんの支援魔法があったから、こんなに早く成長できたんです。」
ランデルは目を細めてリナを見つめた。
「それでも、君の努力は大きいですよ。今や、支援魔法無しでも十分やっていけるレベルですよ。」
リナは笑顔で
「それも、ランデルさんと一緒に戦えたからです!」
と元気よく返答した。
リナが剣を振るいながら道中のモンスターを倒すたび、ランデルも杖で次々とモンスターを吹き飛ばしていく。
その光景は圧巻で、道を行く旅人たちは二人の動きを目の当たりにし、驚きのあまり言葉を失う。
「何だあの冒険者は!?こんなスピードで移動できるなんて!」
「それに、あの攻撃力…。普通の冒険者じゃ考えられない!」
リナはその声を聞きながら、ちらっとランデルの方を見てにっこり笑う。
「ランデルさん、私たち、ちょっと有名になっちゃったかも。」
ランデルはリナの言葉に笑みを浮かべ、
「うん、でも有名になるのは二人ともの実力の証です。頑張ってきたことが、皆に認められているんですよ。」
旅人たちの間で二人の話題はどんどん広がり、彼らの名前は街道沿いの村々にも知れ渡っていくのだった。
◇
「ここが港町ですか!本当に一日でつきましたね。すごすぎます。」
リナは驚きの表情でランデルを見つめた。
「早く到着できて良かった。これで、しっかりと準備する時間もできますね。」
とランデルが返した。
ランデルとリナは、港町の賑やかな市場に足を運んだ。
多くの商人や冒険者が賑わっている中、二人はドロップアイテムや魔石を高く売ることができた。
二人が得たお金は、普通の冒険者が何日、何十日とかかって手にする額であった。
お金に余裕の出たランデルは、港町の一等地の通路で
「拠点となる宿は高級なところにしましょう。ここはどうですか?」
と提案した。
リナの目は輝き、
「いいんですか!?こんな素敵なところ、初めて泊まります!」
と興奮気味に言った。
受付に立ち寄ったとき、ランデルは
「二部屋借ります。」
と伝えた。
リナは少し照れくさい様子で、
「…別に一部屋でも…。」
と小さな声でつぶやいた。
ランデルがリナの方を振り返り、
「ん?リナさん、何か言いいました?」
と聞いた。
リナは顔を真っ赤にして、
「い、いえ!なんでもないです!」
と、あわてて否定した。
ランデルは不思議そうにしながら、
「では、二部屋で。」
と受付に再度伝え、リナはまだ照れた表情のまま、宿の案内を待った。
二人は快適な部屋に案内された。
部屋には大きな窓から海の景色が広がり、リナは窓辺に座ってしばし海を眺めていた。
「港町の風景は、本当に素晴らしいですね。」
リナが感動しながら言った。
「そうですね。ここでの情報収集も大切ですが、ちょっとリラックスするのもいいかもしれません。」
と、ランデルは返答した。
◇
夜が来ると、二人は宿の隣にある高級レストランに入った。
そこには、港町で獲れる新鮮な海の幸をふんだんに使用したメニューが並んでいた。
ガラスケースの中には、輝くような鮮魚や甲殻類が並べられ、その豪華さにリナの目はキラキラと輝いていた。
ランデルは気を使って、様々な料理を多めに頼んだので、テーブルは次第に色とりどりの料理で埋まっていった。
特に、金箔がちりばめられた魚のグリルや、エビと貝のリゾットが目を引いた。
リナは料理の一つ一つを口に運び、その味の豊かさに驚きの表情を見せた。
「美味しい!こんなの初めてです!」
と、目を輝かせてランデルに伝えた。
ランデルはリナの喜ぶ姿を見て、この宿を選んで正解だったと心から思った。