4章13 社長 タイジ害虫駆除サービス(7)
フンッ、フンッ、フンッフンッ、フンッ、フンッ、フンッフンッ……。
食品倉庫の中。鼻で、スパイ大作戦のテーマを歌いながら、壁の穴をふさぐ作業をした。まずは、侵入経路を遮断してから、店内のゴキを退治する予定だ。
銀行強盗犯が来たり、警察に尋問されたりで、一時はどうなるかと思ったけど、きっと、もう大丈夫。早いところ、仕事を終わらせて、プロってところを示さないとね。
パンッ、パンッ……。
ん? なんか、風船でも割れる音が、聞こえたような気がしたけど……。
耳を澄ませてみる。
気のせいかな……。
手を耳に当ててみる。
パンッ、パンッ……、パンッ……。
お、まただ。何だろう? 風船? クラッカー?
ひょっとして、警察も引き上げて、落ち着いたから、パーティーでも始まったのかな?
気になる。
気になるし、俺も参加したいが、今は仕事中だ。
早く終わったら、俺も入れてもらおっと。
でもって、今日も5時までに、あがって、居酒屋に行こうかなっ。暑いから、冷たいビールがいい。ひんやりしたジョッキの奴で、ぐびぐびと咽喉に流し込んで、焼き鳥をつまみたいねー。
かー、夜が待ち遠しい!