NumberCrouching
第1章
いつものように学校が終わる。いつものように同じ道で家に帰る。
何ら変わりない日常。正直そんな日常に飽き飽きしているんだ。
「何か面白い事でも起きねえかな。」
そんなふうに呟くのなんて、これまでで数え切れないほどしてきた。
「おーい!先に帰っちゃうなんて!ひどいぞー!」
後方から大きな声が聞こえた。
俺はピタリと足を止めて振り返る。
「ハァハァ…もう!歩くのが早いよ!」
息を切らして走ってきたのは池川芹那17歳。俺の幼なじみで家もとても近くて一緒にいる事が多い。
「お前が遅いんだよ、バーカ。」
「むっ…なによ!もう!」
こうやって言い争うのもいつも通りだ。はぁ。こんな退屈な毎日を、この先死ぬまでどう暇つぶししよう。
なんて、荒神仁まだまだ17歳の分際で何を偉そうに言うか。そう思う気持ちもわかる…。
「そうだ!今日は仁の家でブライトマイダー見よう!」
これまた一昔前の映画を…。芹那の趣味は少し変わっているらしい。
「いいけど、俺寝るかも。」
芹那のおかげですこし家に着くのが早く感じた。ああでもないこうでもないと話しているうちはとても楽しいわけで。
「じーん!!見始めるよー!?…ってことでスタート!!」
俺の返事も聞かないで始めてるあたりが芹那らしい。
「仁!!ちょっと!!へんな番組に飛んじゃった!!ちょ、早く来て!」
どうせ、リモコン操作を誤っただけだろう。
俺は飲み物とお菓子を持って芹那のいる所へ向かう。
「…なんだこれ?お前ってば、絶対違うところ押しただろ。リモコン貸せよ」
テレビの画面を見つめたまま固まってる芹那の手からリモコンを奪う。
…え?操作がきかない。電池か?…いや昨日変えたばかりだ。テレビがおかしくなったのか?…おかしくなっていたらそもそもつかない。
あれこれ考えを巡らせていると。テレビから音声が流れ出した。
『あーあー。聞こえるかな?よし、聞こえてるな。では、気を取り直して。こんにちはー。日本全国の国民のみなさーん。あ、先に言っておきますけど、チャンネルはかえられませんからねー。これから皆さんにゲームをしてもらいたいと思います。怖がらくても大丈夫ですよ。簡単なゲームですから。では、ルール説明と致しましょうか。』
___これから皆さんにNumberCrouching略してNCをやって頂きます。日本語に略すと「数合わせ」なんて言いますね。
ルールは簡単です。笛のなった数と同じ人数を集めればいいだけです。
簡単でしょ?
でも、こんな簡単なゲームじゃつまらないですね。ていうことで、戦闘要素加えちゃいますね!
いまいる現実はもう皆さんが今まで過ごしてきたものとは全く別です。
…さぁ、そんな細かい説明は後ででもゆっくりと。まずはみなさんの右横にある自分の名前が書かれた箱を開けてみてください。
それは私からのプレゼントです。ほんの気持ちですけどね。それを生かしてこのNCを生き残ってください。
…あ。もちろんこのゲーム死人出ますよ?このゲームでの死はあなた方が過ごしていた世界でも死となりますので。頑張ってくださいね。
あ、そうそう。あなた方のお財布の中身、現実での通貨各自3,000オーロプレゼントしておきましたので。ご自由にお使いください。
あともう一つ説明しなくてはならないのがスキルですね。全日本色々なところにスキルカードを隠しておきました。それを拾えばタダでスキルが使えますよー。簡単に言うと、魔法?ですかね。
スキルカードは1人5枚のみ所持可能。買うもよし、拾うもよし。
おっと、ちなみに自分で殺した人間がスキルカード保持者だった場合ランダムで一つだけ手に入れることが出来ます。…運も実力のうちって言いますもんね。
ちなみに、殺した人間の所持オーロ、武器はぜーんぶ所有権が移動して自分のモノになります。
スキルカードなどが売ってる武器屋はありますが1日ごとに場所を変え全日本ぐるぐるしてるので頑張って探してみてくださいね。
では。
_____ゲームスタート。