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灰かぶり〜花蘇芳の約束〜

作者: 吉田伊織

 

 

————これは、多くの童話と同じように、昔々……から始まる物語————





あるところに、一人の金持ちの男が暮らしていました。男には優しい妻がおり、二人の間には娘も生まれ、彼の人生はとてもしあわせなものでした。



しかしある日、妻は重い病気になってしまいました。


いよいよその命の灯火が消えようという時、妻は、自分を必死で看病する娘の手を取って、言いました。



「雪……可愛い私の子。よくおきき。母様はあなたを置いて、逝かなければなりません……でも、天国から、ずっとあなたの事を…ちやんと見守っていますからね……私のお墓の上に、私が育てている、あの、小さな木を植えなさい。そして、どうしても、困った時は、その木を揺すりなさい。天国から、必ず、助けますからね……約束しますよ……だから、父様の言う事を、きちんと聞いて、良い子にするんですよ……可愛い、私の、雪……倖せに………」



そう話すと、妻は目を閉じ、その瞼は二度と開かれる事はありませんでした。



子供は、泣いて、泣いて、それでも言いつけ通りに、母の墓の上に小さな木を一本植えました。その木は誰かが水をやる事をしなくとも、きちんと育っていきました。



 何故なら、残された子供の涙で充分だったからです。



母親のお墓に植えた木が、二度目に花を咲かせた頃、父親は新しい妻を迎えました。



新しい継母は二人の娘を連れていました。二人とも顔は美しく、体もドレスの上からでも分かるほど、みっしりと筋肉がつき、無駄な脂肪のひとかけらも無いような美しさでした。

高蛋白で栄養バランスの取れた食事を取り、鍛え抜かれた体は、鋼の鎧のようです。この国では、それは裕福さの証であり、美しさでしたが、娘は病弱だった母に似たのか、細身の体をしていました。



一緒に暮らしだすと、継母も二人の継姉達も、その娘の顔立ちが、自分たちよりもさらに整っている事と、細いけれど、無駄な筋肉のない山猫のような体をしている事を、面白くなく思い、父親を上手く言いくるめ、娘を屋根裏の粗末な部屋で寝起きさせました。



その部屋は寒く、薪もほんの少ししか使わせてもらえなかったので、娘は暖炉に入り込むようにして、暖を取るより他にありませんでした。そうして継母達は娘が灰だらけに汚れ、自分たちの命令で下女のように朝早くから夜遅くまで働くのを見て、そのみすぼらしい姿から、灰かぶり———シンデレラと呼び、溜飲を下げていました。



「何をしているの?! シンデレラ!」



「たかが60kgの重石ディスクを取り付けるのに、何をそんなにもたついているのよ! この、グズもやし! そんなんだから、アンタは何をやらせてもダメなんだ! ああ、もう、苛々する子だね!」



「っ、すみません! すぐに、継姉様おねえさま



シンデレラが鉄で出来た重石を、ベンチプレスに取り付けている間にも、継姉達は頭の先からつま先まで映る鏡に、自らの体を映し、ポージングに余念がありません。



 〘ああ……私もお姉様達のように、美しかったら良かったのに……〙



怒鳴られ、なじられても、シンデレラは、毎日真っ黒になって働き、一所懸命に継母や継姉達の身の回りの世話や、台所仕事、洗濯などをやりました。




そんなある日、お城で舞踏会が開かれる事になりました。


その舞踏会は三日三晩催され、その舞踏会で王子様がお妃様を選ぶという事でした。

しかも、その舞踏会へ二人の継姉も招待されていたのです。

継姉達は、ドレスだトレーニングだ、食事だと、今まで以上にシンデレラをこき使いました。



いよいよ、舞踏会当日。継姉達は、朝早くからシンデレラを呼びつけました。



「髪を結って、靴を磨くのよ。靴ヒモも真新しいのに替えて、しっかり結うのよ。王子様と踊るんだから」



「化粧もね。手を抜いたら、タダじゃ済まさないわよ?!」



継姉達は、美しいダブルバイセップス・フロントを決めると、サイドチェストまで披露し、シンデレラを威圧しながら言いました。



「はい。継姉様おねえさま



シンデレラが丁寧に継姉達の髪を結い、化粧をし、床に跪いて靴ヒモを結んでいると、上から継姉達が話しかけてくる。



「……ねぇ、シンデレラ? アンタも一緒に舞踏会へいきたいわよねぇ?」



「お城の舞踏会は、そりゃぁもう、きらびやかで素敵よ〜? 女なら、一度は憧れるわよねぇ……?」



靴ヒモを結ぶ手を止めずに、シンデレラも素直に答えました。



「ええ。それは……でも、どうやって行けばいいのか。私にはドレスが無いんですもの」



上の継姉がブタの鼻息のような、奇妙な笑い声をたてて嘲笑いました。



「無くて心底良かったよ!!アンタなんかが来たら、アタシ達が恥をかくからね。本っ当に良かった。なにを、いつまでも靴ヒモを結んでるんだいっ!? 鈍くさいねっ!!」



言うなり野良犬でも蹴飛ばすように、継姉の靴がシンデレラの鳩尾の辺りを蹴り飛ばしました。



床に倒れたシンデレラを継姉達が見下ろして、鼻先から見下ろすように言い放ちました。



「台所に鉢いっぱいのレンズ豆があるだろう? あれを私達が帰って来るまでに選り分けておくんだよ」



「悪いのが混ざらないように、良く気を付けてね!さもないと、痛い目にあうからね!」



そう言いつけて、継姉達は馬車に乗り込み、出掛けていきました。



馬車が見えなくなるまで見送って、シンデレラは台所へ入ると、悲しくなりました。



 〘こんなに大きな鉢一杯のレンズ豆を選り分けていたら、真夜中になってしまうわ。またろくに眠る事も出来ない……継姉様や、継母様は、どうしてこんなに私に辛くあたるのかしら……母様は、ご存知なのかしら? きちんと天国から見守ってくれているかしら……〙



シンデレラは言いつけられた仕事をこなすのに精一杯で、ろくに行く事もできない母の墓を思い、あの木は元気に育っているのだろうかと考えながら、竃の上に豆をあけ、一所懸命に選り分け始めました。



その時、シンデレラの後ろから突然声がしました。



『あっ!ソイっ!!まっめ豆マメまぁめ〜まめマメまぁめマメっと。お嬢ちゃん、毎日毎日よく働くのお〜。わしにゃ、まず無理じゃな』



「………」



シンデレラは無心に豆を選り分けていました。



『って、無視かい?! もう、嫌。いゃん。ワシ、硝子のハートなんじゃよ、お嬢ちゃん。帰っちゃおっかな〜?……って、マジソイ?!キミ、何その〝ありえへん〟的な集中力。チャンスの女神様って、前髪しかないんだってよ〜? って、知ってるぅ? あ、今、ワシの事、見た? 見たでしょっ?!』



振り向いたシンデレラは、灰だらけの顔に優しい、柔らかな微笑みを浮かべて言いました。



「まぁ、お爺様。気付かなくてごめんなさい。何処から入って来られたんですか? あ、ご迷惑でなければ、そこの薄い鍋をとって下さいませんか?」



『お? ほいほい。薄い鍋のう……薄い……薄いって言ったな———っ?!』



変わった服を着て立派な杖をついた、白髪の長い髪をした老人は、右手で少々禿げかけた頭を押さえている。



「えっ!? いっ、いいえ、そうじゃないんです。鍋の事です。お爺様の側にある薄い……」



『ぐぁっ!また言った!! お嬢ちゃん可愛い顔して、神様の心臓ミラクル破り娘じゃのう。ま、ええわい。かわゆいので手伝ってあげよ。BGMは〖オリーブの首飾り〗で頼むぞよ』



「びーじーえ ………?」



わけの分からない事を言う唐突な老人に、首を傾げ、呆気にとられつつも、シンデレラは思いました。



 〘きっと、このお爺様は、少しボケてらっしゃるんだわ。迷子になってしまったのね。なんとか、お家の場所を伺って、お家まで送ってさしあげなくちゃいけないわ〙



竃の前にしゃがんでいたシンデレラが立ち上がると、老人は杖で床をトン!と突いた。



『うっわ〜。なんか、キミの考えてる事わかったっぽい。わかっちゃう自分が嫌。もうホントにイヤん。自分で勝手にやるわい。チャラッチャチャチャラ〜チャララ………』



唐突に杖を振り振り踊り出した老人に、シンデレラがポカンとしていると、竃の上にあけたレンズ豆が、自ら勝手に鍋と鉢へ飛んでいく。



そこへ、窓から白いハトが二羽入ってくると、レンズ豆をついばみ始める。



『ぎゃ〜!! おのれ、ハトは天敵じゃぁ! 敵襲〜! 豆共よ!ハリーハリーハリーアップじゃ!! 負けぬソイッ!!』



老人の踊りは激しさを増し、シンデレラが放心したまま立ち尽くしているなか、豆は次々に選り分けられて行く。



『むむっ?! お前ら、良いハトじゃのう。悪い豆だけ食べてくれとるのか、こりゃ助かる。あ、もうちょっとで終わるソイ、可愛いお譲ちゃん』



老人の言葉に竃の上を見ると、本当に3分の一ほどの豆しか残っていない。



「あの、お爺様は、一体……?」



『ワシかぁ〜……はぁ、息キレてきた、さすがに年には勝てんのう……ふぅぃ〜〜ワシゃ………お、豆の、神様じゃっ……ぶは〜…終〜了〜〜お疲れさまでした〜〜』



シンデレラが竃の上を見ると、豆は1粒も残っておらず、白いハトが首を傾げるようにして、入って来た窓から外へ飛んで行くと、シンデレラはきれいに選り分けられた豆を見て、とても戸惑ってしまいました。



さっきまで踊っていた老人も、煙が消えたかのように居なくなっていて、それもとても不思議に思いはしたのですが………。



一晩かけてやるはずだった仕事がなくなり、シンデレラはほんの少しでもお城の舞踏会が見られないかと考え、自分の屋根裏の部屋から行けるようになっている、高い屋根の上のハト舎に登りました。



遠くにお城の灯が見え、風に乗って微かに音楽が聞こえるように感じられ、シンデレラは耳を澄ませ、目を閉じて、きらびやかな舞踏会の様子を思い描いていました。



そうしてしばらくの間、美しく輝くお城の灯を眺め、舞踏会の様子を想像したシンデレラは、冷えた身体を抱く様にして、自分に与えられた部屋へ戻ると、僅かに残るようにとってあるき火に、与えられている細い残りかすのような薪をくべ、薄いけれど無いよりかはマシと思える、灰にまみれた毛布を体に巻きつけると、いつものように眠りにつきました。




翌朝、帰ってきた継姉達は、言いつけたレンズ豆の選り分けが出来ているのを見て、内心面白くありませんでした。


継姉達は、ただ単にシンデレラを怒鳴り散らしたかっただけなのですから。



それでも、どの使用人よりも上手に美しく支度を整えるので、継姉達はまた今日もシンデレラを呼びつけました。



昨日より美しく髪を結い、支度を整えていると、まだ興奮が冷め遣らぬ様子で、継姉達はシンデレラに話しかけました。



「あの、美しい王子様が、私達の手を取って、踊って下さったのよ!」



「そうよ! 私をリードして下さったのよ。あの王子様が……ああ、今夜も、きっと誘われてしまうわっ!」



「私達のどちらかがお妃に選ばれるのよ!シンデレラ、オマエはお城のきらびやかな舞踏会なんて、想像もできやしないだろうけれどねぇ?」



上の継姉が言ったのへ、シンデレラは微笑んで頷きつつ、答えました。



「はい。でも、ゆうべ、寝る前にお城の灯を見ました。それだけでも、とても綺麗でした。舞踏会は、もっと素敵なんでしょうね」



「なんだって!? どうやって見たって言うのさ!」



言うなり立ち上がり、灰にまみれてごわついたシンデレラの髪を、上の継姉の手が掴むと、そのまま持ち上がらせようとします。



「痛いっ! すみません。もうしませんから、放して下さい継姉様おねえさまっ……屋根の上のっ、ハト舎に登ったんです」



その答えに、上の姉はブガブガと猪のような鼻息を出しながら、部屋を飛び出していくと、あっという間に大木槌を振るって、ハト舎を壊してしまいました。



そして、何事もなかったように、シンデレラに美しく支度を整えてもらうのでした。



まだ、ほんの少しシンデレラに同情していた下の継姉が、寂しげなシンデレラを見て言いました。



「そうだ!アンタ、夜になって暗くなったら、分からないように、こっそりお城の裏庭から入って、窓から舞踏会を眺めると良いわよ。どうせ厨房に物ごいに来た、乞食女か何かと思われるだけだもの。私達と王子様が踊っているのを見るといいわ!」



しかし、上の姉がぐっと胸筋に力を入れると、言いました。



「およしっ!そんな事を許して、この小汚い貧相なのが、私達の義妹だなんて分かってしまったら、どうするんだい?! シンデレラ! 台所に空豆が1袋ある。それを良い豆と悪い豆にきちんと真面目に選り分けるんだ!朝になって、私達が帰って来た時に終わってなかったら、その豆を全部灰の中にぶちまけて、やり直させるからねっ!!いいかいっ?!きちんと終わるまで、アンタは食事抜きだよ?! わかったかいっ?!!返事はっ?!!」



「はい、継姉様おねえさま。きちんと、真面目にやります」



継姉達の足先から全てを整えて、化粧を終え、シンデレラは二人が馬車に乗るのを見送りました……そうして、馬車が見えなくなると、その場にへたり込んだシンデレラは、そのまま泣き出してしまいました。



『呼ばれてなくてもジャジャジャジャぁ〜ン! ほい、ほい、お嬢ちゃん。こんな所に座ってたら、ケツが冷えるソイ。泣かんでも、豆の選り分けは、手伝ってあげるって〜〜女の子が、こんな所で泣いてちゃ、いかんソイ』



華奢な肩に置かれた優しい手に、驚いて振り向いたシンデレラは、無理に作ったとすぐに分かる笑顔を浮かべて見せ、老人に一生懸命に笑いかけました。



「昨日のお爺様……昨日は本当にありがとうございました」



そう言って頭を下げたシンデレラを立たせて、いざなうようにして台所へ入った老人は、かまどの上でスタンバイしているハトに気付いて、飛び跳ねる。



『ナニゴトっ!? って、ハト増えとるやんっ?! 6羽ってなんじゃい! 汚いソイ?!……まぁ、よいわ……お嬢ちゃん、竃の上に空豆をな、あけておくれ』



優しく言う老人に従って、シンデレラは空豆を竃の上にあけました。



『よし。ハト共よ、正々堂々の勝負じゃ。お譲ちゃんの【よ〜い、ドン!!】でスタートじゃ!フライングはナスッゥインじゃ!覚悟はよいソイ?』



老人とハト達に見つめられて、戸惑いつつもシンデレラが、双方を見てから口を開きました。



「はっ、はい。では……よーい、ドン」



シンデレラがそう言うと、ハト達は悪い空豆をついばみ、老人は激しく踊り出します。それに合わせて、驚いたことに空豆が次々に、鍋と袋へ飛び込んでいくのです。



『はぁ〜! ダブルバ〜イセップス・フロントえ〜んダーン・ダダダーン最強〜サイドチェスト〜え〜んターン! ダブルバイバックはあ〜マッソーマッソー、マスキュラァ〜ぁ〜〜!』



老人のリズムに乗った滑稽なポージングに、シンデレラも笑い出してしまう。



『う゛!っはうぅ!コ、腰ぃぐきってなったぁ!あいたたぁ……』



「お爺様っ?!大丈夫ですか?!」



慌てて駆け寄り、老人の背中に手をあてて、腰をさすって心配そうにしているシンデレラに、老人はちょっと笑って見せる。



『わ〜かっちゃったソイ。お嬢ちゃんが泣いとったのは、豆の事じゃなかったんじゃなぁ〜すまんかったの。ま、コレもヤーンと、怒られるしのぉ。お嬢ちゃんも大変じゃの、泣くほど辛かったんじゃなぁ〜』



「え……あのっ……わ、私っ……私もっ…本当はっ……」



それ以上言葉にならず、顔を覆って泣き出してしまうシンデレラに、老人が焦ったように杖を振り、シンデレラの顔を覗き込むようにする。



『あわわっ、大丈夫じゃソイ!あ〜もう、ワシゃ可愛い女の子に泣かれるのは、大嫌いなんじゃ〜〜ほれ、ハトも心配しておる。空豆の選別は終わったからの。行けるようにしようソイ。まずは墓じゃな。お嬢ちゃん?……ホレ、ついておいで……』



穏やかに優しく言うなり老人は歩き出したが、ふと足を止めると、台所にあった野菜籠からカボチャを1つ手に取った。



「あの、お爺様……?」



『この南瓜はよさげじゃ。しばし借りるソイ……まぁ、お嬢ちゃんが最近忙しくて、行けてないのは知っとるがのぉ……自分の母親が最後に言った言葉も忘れてしもうたのか? 今まさにお嬢ちゃんは、母親に最後の時に約束すると言われたように、困っておるんではないのかソイ?』



シンデレラは少し目を瞠ったが、南瓜を持った老人について、素直に母の墓へ行きました。



墓の前へくると、今年もあの木はちゃんと花を咲かせ、半分以上が実になっていました。



「よかった……お母様が大切にしていた木ですもの……」



『こりゃあな、花蘇芳と言う木じゃ。豆科のな』



「……ハナズオウ。初めて知りました。ありがとうございます」



『礼など要らんよ。さ、木を揺するんじゃ。わしが特別に、お嬢ちゃんの為に呪文を唱えるからのぉ』



「は、はい」



素直なシンデレラは、言われた通りに木を揺すりました。



すると、僅かに残っていた紅色の花が、次々にはらはらと散って地面に落ちていきました。



その横で、さっき腰を痛めたとは思えない動きで、老人がリズミカルに踊り出します。



『ん〜SMWT〜ソ〜イ〜エ〜ンフラワア〜ツウリィィ〜ハァッッ!!……古今東西紫電一閃ここんとうざいしでんいっせん!』



老人の杖がシンデレラの肩に触れた瞬間、シンデレラは灰まみれの姿から、豪奢ごうしゃなドレスに見事な宝飾品を身に付けた、どこかの国のお姫様のような姿になっていました。



足には、まるでぴったりと張り付くような、歩きやすいガラスの靴があります。



余りの出来事に、驚いて服に付いた見事なレースや、見た事も無い程上等な宝石のめ込まれた首飾りに、そっと手を触れているシンデレラの傍らで、老人が木の上でシンデレラを見ている白いハトに声をかけています。



『おおーい。ハトよ、ハトさんよぉ〜〜っと、降りてきてくれんかソイ。このお嬢ちゃんが好きなんじゃろぉ? このじじぃが豆をやるから、ちょいと馬になってくれんかソイ?』



 降りてきた6羽のハトに老人は、懐から小さな袋を取り出すと、シンデレラが見た事も無い豆をハト達の前に撒いて、充分なほどに食べさせてやりました。



『わし特製の、1粒20キロメートル豆じゃよ。馬力が増すからのぉ〜城までもあっという間じゃ。こいつらが、お譲ちゃんを送り迎えするんじゃよ?お嬢ちゃんはこやつらに好かれとるし、約束通りに御者も従者もサービスするソイ?ワシゃ、可愛いお嬢さんの味方なんじゃ。他に必要な物はないかえ?』



もう、舞踏会に行けると言うことだけでも、夢のようなシンデレラが首を横に振ると、老人は豆を食べ終わったハトの傍に、台所から持ってきた南瓜を置き、杖を振りかざすと南瓜を軽くたたき、呪文を唱えました。



『ぽっぽっぽ〜ハトぽっぽ〜なんじゃらもんじゃら馬ん馬ぼボン』



すると、どうでしょう。白いハト達は立派な6頭の白馬になり、南瓜は美しく豪華な馬車へと変貌しました。シンデレラの前に、見事な6頭立ての美しい豪華な馬車が現れていたのです。



呆気にとられて、目の前の光景が信じられないでいるシンデレラをよそに、老人は左手でシンデレラが木を揺すった時に落ちた、花蘇芳の花を1つと豆のような実を2粒拾い上げ、その左手に右手に持った杖を当て、また呪文を唱えます。



『にんがらじゃんがら欣喜雀躍錦上添花きんきじゃくやくきんじょうてんか!はぁっ!!』



老人が手の中の花と実を中空へ投げると、花はそれは立派なヒゲを生やした、身なりの良い礼儀正しい御者になり、馬車に乗り込むと馬の手綱をとりました。



実は漆黒に銀の縁取りや様々な飾りを付け、立派な帽子を被り白い手袋をはめ、立派な衣装を身に纏った、二人の美しい青年の従者になりました。



青年二人はうやうやしく礼を取ると、シンデレラを立派な6頭立ての馬車に乗せてくれました。



『おお、言い忘れるところじゃった。お嬢ちゃん、すまないんじゃがのぉ、ちょっとワケがあってなぁ………この術は、夜中の12時には解けてしまうんじゃソイ。だからの、その前に帰っておいで。じゃないと、お嬢ちゃんは、帰りが歩きになってしまうソイ』



「はい、気を付けます。お爺様、ありがとうございます。嬉しくて、なんてお礼を言ったらいいか……」



『ワシにはそんなもの要らんソイ。花蘇芳の約束じゃ。楽しんでおいで』



嬉しそうに微笑む老人に見送られ、シンデレラは馬車の中で胸が高鳴るのを抑えきれずに居ると、従者の青年が城での作法や舞踏会の一般的な話を教えてくれて、シンデレラの気持ちも少しほぐれながら、馬車は疾走するようにお城へ向かいました。



お城へ着くと、その馬車や従者、シンデレラの美しさに、城の者は何処かの国のお姫様が、お忍びで舞踏会へ来たものと思い込み、慌てて王子様を呼びに行きました。



美しい王子様は、出迎えたシンデレラを一目見て、すっかり心を奪われてしまい、何度か踊った後、シンデレラの素性を知ろうと何かと話しかけたり、めずらしい果物をあげて気を引こうとしましたが、シンデレラは詳しい事を話そうとはしませんでした。



それでも、灰まみれで毎日悲しい気持ちで一杯だったシンデレラにとっては、たくましくて素敵な王子様の、優しい言葉やあたたかな視線に包まれている様な感覚は、それだけで一生分の倖せに巡りあえたと、充分に思えるほど、とても倖せな気持ちで一杯になりました。



会場中の注目を集めていたシンデレラは、二人の継姉様を見つけると傍に座って、王子様から貰った果物を分けてあげたりして話をしたのですが、二人ともシンデレラだとは思いもしないのか、ただただ、どこかの国のお姫様に突然話しかけられてでもいるかのように、緊張して、へどもどと返事をかえすばかりでした。



時計の針が11時45分を指していることに気付いたシンデレラは、会場の人々に優雅に挨拶をして、来た時と同じように、美しい従者に恭しく付き従われ、豪華な馬車に乗って帰っていきました。



無事に家へ着いたシンデレラは、術が解けた南瓜と花蘇芳はなずおうの花と実を拾って、台所の野菜籠へ南瓜を戻し、花蘇芳の花と実はへ竈の上の隅の方へそっと大切に置いてから、自分の部屋へ行きいつものように、灰の中で眠りにつきました。







次の日、同じように継姉様達の言いつけで支度をしましたが、二人共不機嫌に黙りこんでいます。



「継姉様……どうかしたんですか?」



「どうかしたか、だって?!下らない事きくんじゃないよ!このウスノロが!!早く支度をおし!昨日よりも、もっと美しく髪を結うのよっ!わかってるでしょうね?!」



上の継姉の言葉に、下の継姉も溜め息を吐く。



「まったくだわ……もっと豪華なドレズがあればよかったのに……王子様ったら、昨夜は何処かのお姫様と踊っただけで、他の誰とも踊ろうとなさらないんだもの。腹が立つわよ。しかも、そのお姫様がどこの国のお姫様なのか、誰も知らないっていうんだから……一体なんなのよ。私達にまで話しかけてきて、馴れ馴れしいったら無いわ……腹の立つ……!」



ムッとしたままの継姉達を美しく支度したシンデレラを連れて、二人は台所へ入ると、大鍋一杯のエンドウ豆を竃の灰の中にあけて、言いました。



「上手く支度が出来たご褒美だよ。嬉しいだろ?私達が帰って来るまでに、全部選り分けておくんだよ!いいねっ?!」



「終わってなかったら、どうなるか分かってるだろうね?!」



継姉達が高らかに笑いながら台所から出て行くのを見送って、シンデレラは泣きたくなりました。



そこへ、白いハトが6羽、竃の上に降りてきましたが、シンデレラはハトを見て言いました。



「昨夜は本当にありがとう。大丈夫よ。こんな灰まみれのお豆を食べたら、あなた達、お腹を壊してしまうわ。拾って、洗わないと……」



屈みこんで、灰の中のエンドウ豆を選り分け始めると、背後でコツコツと杖で床を叩く音がする。



『今夜もフィーバーナイトじゃお嬢ちゃん。今日は急いでおるので踊りは省略!!少しでも長く楽しめた方がいいじゃろう!ソイっ』



老人がそう言って杖を強く振ると、すごい勢いで豆達は大鍋と袋の中へ入っていき、どうなっているのか、灰も綺麗に払い落とされていきました。



「お爺様……あのっ、昨日の夜の事は、本当に感謝しています。ありがとうございました。本当に嬉しかったですし、楽しかったです。でも、私………」



『あのなぁ、お嬢ちゃん。ぐだぐだ悩んでもしょうがない事もあるじゃろぉ。若いんじゃからの、ほれ。とにかくゴーゴーじゃ!行ってみにゃ、分からんことも人の世には沢山ある。とにかく行かにゃなぁ、ダメだと思うソイ。じじぃの言うことは、たまには当たっている、事もあるかも〜〜?と、いうワケで。楽しんでくると良いソイ』



老人はシンデレラが籠に戻しておいた南瓜を当然のように持って、すたすたと台所から出て行くので、シンデレラも思わずついていってしまいました。



老人は昨日と同じようにシンデレラに木を揺すらせ、呪文を唱えました。



すると、昨夜よりも豪華な衣装に身を包まれたシンデレラは、ほんの少し戸惑いながらも、老人に笑顔で見送られ、従者の手を引かれるまま馬車に乗り込み、昨夜のようにお城の舞踏会へ向かいました。



王子様はシンデレラが着くのを待っていて、シンデレラだけと踊り、シンデレラとだけ話しました。



二人の継姉も居ましたが、ただ悔しげに見ている事しかできません。



逞しく優しい王子様と話をしたり、踊ってもらうことは本当に素敵で夢のようでした。



シンデレラを普段の悲しい世界から、救い出してくれる王子様の腕の中で、知らないうちに夢中になって踊っていたシンデレラは、12時の鐘が鳴り始めたのに気付いて、驚いて、慌てて身軽な鳥が飛び立つように王子様の腕から離れると、全速力で走り出しまいました。




何故なら、不思議な老人が言ったように、昨夜も十二時になるとドレスも馬車も御者も従者も、虹が消えるようにフッと消えて元の姿になっていたのですから。




王子様にとてもではありませんが、普段の自分の姿を見られたくはなかったのです。




それに、もしも見ても自分だと気付かないだろうと、シンデレラは良く理解していましたから、悲しい気持ちにはなりたくなくて、必死で広いお城の中を駆け抜けました。




しかし、王子様もシンデレラを逃がすまいと、城の者に命じて城を出る階段にタールを塗らせてあったので、シンデレラは片方の靴を落としてしまいました。



それでも、靴を拾いに戻るのが恐ろしくて、シンデレラは山猫のように俊敏に階段を駆け降り、闇の中へ走り去って行きました。



後を追いかけて来た王子様はシンデレラの、野生の獣のような見事な逃げ足に見蕩れてしまい、やはり妻に迎えるのなら、この人しかいないと心に決めました。



少々痩せてはいたけれど俊敏で、踊っていてとても心地よかった、それに利発な仕草や会話もどこかの姫君か、豪商の令嬢だとは思ったが、知識があって楽しかった上。心がとても綺麗で思いやり深い女性で、何よりもあの自分を見つめてくれる優しい笑顔……そして小鳥のような声も……全てが、王子様を虜にしていましたから、どうしても、名前すら教えてくれないあの人を、探したいと心に決めました。



タールの塗られた階段にあった片方の靴を見つけると、それを大切に懐へ仕舞い、門ヘ向かい門番に尋ねました。



「ここを、今さっき、豪華な馬車が通らなかったか? その人がどの方向へ行ったか分からないか?」



門番は首を傾げて言いました。



「いいえ王子様。ここを通ったのは、なにかを抱えた、みすぼらしい汚れた乞食女が一人です。厨房で舞踏会のご馳走の、残り物でも恵んでもらったんでしょうね。連日の舞踏会でちらほら居たので、怪しい女でもなかったので放って置いたのですが、止めてとがめた方がよろしかったでしょうか……」



王子様の険しい顔つきを見て、門番は脅えて言いました。



「今から追いかけて、あの乞食女を捕らえてきましょうか?」



門番が聞くと、王子様は首を横に振りました。



「いや。すまない……哀れな乞食に酷い事をする必要は無い。食べ物ぐらい、分けてやるのは全く構わないんだ………連日の舞踏会だから、今日辺り何か少しでも貰えるかもしれないと思ったんだろう。こんな日で門も開いていた、城の敷地に入ったからと言って咎めることは無い。構わない……なんでもない。邪魔して悪かった」



王子様は城へ引き返しながら、堪えるような微かな溜息を吐くと、片方だけのガラスの靴をそっと握りしめました。







急いで走って家へ帰ったシンデレラが、灰の中で丸くなって眠ろうとしている所へ、外から大きな継姉達の声が聞こえました。



「シンデレラ!! 起きてあかりを持っておいで!!」



「豆は全部ちゃんとやったんだろうね?! サボって寝てるんなら、承知しないよっっ!!」



シンデレラが急いで灯を持って継姉達を迎え入れると、継姉達はさも憎らしげに話し出しました。



「なんなんだいっ?! あのいまいましいお姫様は!!まったく腹の立つ事!あんな女、くたばっちまえばいいのに! 王子様はあのお姫様に夢中で、お姫様がいなくなると、王子様も舞踏会を止めてしまった!」



「本当に、蝋燭ろうそくの火が吹き消されたみたいに、つまらない舞踏会だったわ!!全部あのお姫さまが悪いのよっ!!」






次の日、城下におふれが出ました。それは王子様からのおふれでした。



【このガラスの靴が合う者を妻にする】



そのおふれに、二人の継姉達は大喜びしました。



何故なら、すでに靴を試した城下の娘たちが、小さ過ぎると噂していたのです。



二人の継姉は小さくて美しい足をしていたので、喜ぶのも当然です。



いざ、王子様とその従者が継姉達を訪れた時、継母はこっそりと二人を呼び出し、こう言いました。



「いいかい? 良くお聞き。このナイフを持ってお行き。そして、もしも靴が小さかったら、足を切り落とすんだよ。そりゃ、ちょっとはその時は痛いかもしれないけどね、そんなもの構うもんじゃないよ。お妃になれるんだからね」



二人の継姉は、ナイフを受け取ってこっそり懐に仕舞いました。



王子様の従者から靴を渡された継姉は、別の部屋で靴を試しましたが、きつくてどうしても入りません。



仕方なく、踵を切って王子様の所へ行きました。



王子様は足を見て言いました。



「ああ、確かに舞踏会にいらっしゃいました。貴女が私の妻です」



そして上の継姉を馬車に乗せ、城へ向かいました。



その途中、王子と継姉の乗る馬車の上から、老人の声がしました。



『おおい、愚鈍な王子さんよぉ。顔も体つきも、どうでも良くて靴しかよう見とらんのか。惚れた女を捜しておるんじゃないのかのぅ?ま、ワシには、関係ないんじゃソイ。しっかし、おぬしよく平気じゃな〜床をみてみそ? 靴がそんなに気になるんなら、なおさらじゃソイ。マジスプラッタ〜? みたいな〜?多分、お前さんが探しとる、本当の花嫁は、まだ家の中じゃよ〜ソイソイ』



「誰だっ?! 無礼なっ?!何処に居る!出て来いっ!!それに何を言っているんだっ?!」



言いつつも馬車の床を見た王子様は目を瞠りました。


なんと、継姉の靴から血がピューッと飛び出していて、馬車の床まで真っ赤に染まっているではありませんか。





王子様はすぐに引き返し、継姉の他に娘は居ないかと尋ねました。



継母は、妹の方を王子様に会わせました。



妹も別の部屋で靴を試しましたが、つま先の幅が小さ過ぎて、どうしても入らないので、妹娘は歯を食いしばってつま先を切り落とし、大急ぎで靴にねじ込みました。



そうやって、痛みを堪えて俯いて王子の前に出ると、王子はすっかり下の継姉をシンデレラだと思い込み、喜んで馬車に乗せました。



するとまた、不思議な声が、今度は王子の足下から聴こえました。



『困ったぼんくら王子さんよぉ。お前さんには目も耳もついておらんのかのう?よく見てみソイ? その出血多量大サービスのお嬢さんで良いんなら、ワシも止めやしないソイ。ただのぉ、ワシは、お前さんの探しとる本当の花嫁は、まだ家の中じゃと思うソイ』



驚いて王子様はかがんで娘の足下を見ると、白い絹の靴下が血に染まっていて、靴にも溢れそうなほどの血が溜まっていました。



王子様はまた引き返しました。






「この娘さんも、私の探していた人ではないようです。この家には、他にも娘さんが居るんじゃないですか………?」



「い、いいえ。居るとは言っても、アレは下女のようなもので、毎日灰だらけになって床を磨いたりしている、汚い、頭のおかしい娘なんです。とても、王子様に会わせるような娘ではございませんっ!」



そう言って継母は呼びに行こうともしませんでしたが、王子がどうしてもと言うと、仕方なくシンデレラを呼んでこさせました。



現れたシンデレラが王子様の前に置かれた椅子に腰を下ろすと、綺麗に血を流して磨き上げた、誤魔化しようのないガラスの靴を、ひざまずいた王子様は自らシンデレラの足をそっと取り、履かせました。



ガラスの靴はシンデレラの足にぴったりで、まるで張り付いているようです。



シンデレラの手を取り、立ち上がらせた王子様は、薄汚れたシンデレラの顔を見て、あの優しく美しい姫だと、まるで閃光を見るようにすぐに分かり、今まで自分が何をしてきたのかと、まさにあの奇妙な声の言う通り愚鈍でぼんくらだと内心苦笑しながらも、顔には自然に明るい笑みが浮かぶと、心の底から嬉しくて、その薄汚れた美しい少女の瞳をじっと見詰めました。



「随分探しました………やっと会えましたね。どうか、私の妻になって下さい」



「……はい」



それだけしか言えないシンデレラも、輝くような笑顔を浮かべて王子様を見つめました。




継母と二人の継姉は青ざめていましたが、王子様はシンデレラを馬車に乗せ、お城へ連れて帰ると、後日盛大な結婚式が行われ、その席でシンデレラは二人の継姉あねに貴族の青年を紹介しました。




 そして、王子様とシンデレラは末長く倖せに暮らしました………。




 〜おわり〜





 シンデレラの話には諸説ありますが、この木等の設定を使わせて頂きました。

 お気に障ったら申し訳ありません。


 

《花蘇芳》ハナズオウ マメ科ケルキス属

ハナズオウの花言葉は幾つかあります。

〔高貴〕〔質素〕〔不信仰〕〔裏切り〕〔疑惑〕〔豊かな生涯〕〔目覚め〕〔喜び〕〔エゴイズム〕〔人のおだてに乗りやすい〕〔裏切りのもたらす死〕というものです。

なんだか一貫したイメージではなく、国などで相反するものが使われてもいます。


 花名の由来

 和名の「花蘇芳ハナズオウ」は、花色がスオウ〘蘇芳〙で染めた色、蘇芳色〘黒味を帯びた紅色〙に似ていることに由来します。


 英語では中国原産のハナズオウを「Chinese redbud」[中国のハナズオウ]、南欧から西南アジアにかけて自生するセイヨウハナズオウを「Judas tree(ユダの木)」[下記参照]と呼んでいます。


 花言葉の由来

 キリスト教の十二使徒の一人であるイスカリオテのユダは、イエスを裏切ったことを悔い、セイヨウハナズオウの木で命を絶ったともいわれます。このことから特に欧米においてセイヨウハナズオウは「Judas tree[ユダの木]」と呼ばれています。


 花言葉の「裏切り」「不信仰」もこれに由来するといわれます。


 

父親のシンデレラへの裏切りとも言える態度に引っかけてみました。

お粗末様でした。ちょっと残酷チックな箇所もありましたが、原典も近いモノだったので、そのままにしました。


 少しでも楽しんで頂けたらさいわいです。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 姉のダンベルの重りをセットさせられるところで笑いました。あと最後の唐突なスプラッタ。 [気になる点] 豆の神様の「お嬢さん」が「お譲さん」になってます 笑える設定だったのでもう少し筋肉要…
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