少女とハートの『13』
1人で暮らし初めてもう5年がたった。
人気のない森の奥で人形に囲まれながら暮らしてる。一人でいるのは慣れてしまったけど、たまに自分以外の声を聞きたいと思ってしまうのはやっぱり寂しいという感情がどこかに残っているからだろうか?でもそれを決して口にはしない。黙々人形を作る日々。いつの間にか作った人形の数は40体を越えていた。
一人でババ抜き、壁と背中合わせ
どんどん減っていくのはカードか私の心か
手元に残ってしまった『ジョーカー』と『スペードの13』
無くしてしまった『ハートの13』は何処にあるのやら
◇
無くしたことに気付いてから8年たった8月のある日。
買い物の帰り道によったとあるお店で私は一人の少年に出会った。彼は初めて会った私に笑いかけてくれた。その笑顔はまるで太陽のように輝いてた。でも引き困り気味の私にはその眩しさは少しキツい。熱すぎて火傷してしまいそうだ。
二人でババ抜き、貴方と向かい合わせ
積もっていくのはカードか思いか
手元に残ってしまった『ジョーカー』と『ハートの13』
無くしていた物はいつの間にか取り戻せたみたい
貴方の手元にあるのは『スペードの13』
「さあ、貴方の番よ」
私が残った2枚を差し出すと、彼は笑って2枚とも取っていった
そして目を丸くする私の手を掴んで走り出す
繋がれた手の暖かさにつられて、13年ぶりに笑った。
閲覧いただきありがとうございます、空。(てんのうみ)です。
こちらのサイトでは初投稿となります。
今回の『少女とハートの13』、もし「あ、そういうことか!」とわかった方、恐らく私が他のサイトで書いている小説を読んで頂いてるっと言うことですね!
ありがとうございます!!
「なんだこれ?どういう意味?」っとなった方、どうだったでしょうか?「どういうことか知りたいな~」なんて方がいらっしゃったら私のTwitterから他サイトで書いている私の小説を読んでいただければな~っと思います!