第一話〜start gear〜
ここはバンリア城
遠い昔に、英雄と呼ばれた男が治める平和でのどかな街。
「私の名前はシャリル・ファー。この城の王女」
「俺の名前はアライン・ラズリ。この城の兵士」
歯車は回る・・・全ての感情と共に・・・
__________________________________________________________________________
〜バンリア城〜<王女の部屋>
「王女!王女様!」
片付いた綺麗で大きい部屋にしゃがれた声が一つ響く
この声はシャメルという私の使用人の女性。今年で65歳になるらしい。
私は婆やと呼んでいる。
「う〜ん・・・後少し寝かせて・・・」
少ししてから眠そうな少女の声が聞こえてくる
この声は私。シャリル・ファー。一応この城の王女やってます。
「駄目です!!今日こそは早く起きてもらいます!!!」
婆やは私が包まっている布団を容赦なく剥ぎ取る。
「あぁ・・・」
思わず声を漏らす私。まだまだ布団なしでは寒い季節だ。
私は深いため息を心でする。
はぁ〜。しょうがない。起きるとしよう・・・寒いし
「ふぁぁ・・・おはよう婆や」
私はあくびをしつつベットから起き上がる
「おはようございます王女様」
婆やは私に向けて頭を下げる。
「まったく・・・こんなに早く起こさなくてもいいのに・・・。
婆やも大変でしょ!?」
まだまだ寝ぬけ眼のまま私は婆やに文句を垂れる
「心配ありがとうございます。
しかし私は全然かまいません。むしろもっと早く起きてもらったほうが・・・」
「無理!!絶対に無理です。」
私は婆やが言い終わる前に返事を返す。
これをうっかり承諾などすると・・・・考えただけでも恐ろしい結果だ・・・