ファンタジーに使える! 野菜の起源・逸話・料理法も[資料]
気がついたら追記していることもあるかもしれません。
ファンタジーに使っている食事って、結構知らないものが多そうだ。
そんなわけで、ヨーロッパで食べられている野菜を歴史的背景を交えながら、色々と紹介します。
野菜名、起源、調理法、逸話などがあればそれも。
皆様の生活感なる描写を楽しみにしています。
【タマネギ】
起源は紀元前3000年頃にはあったと言われています。
古代エジプト人は永遠の命のシンボルとして考えていました。
ローマの剣闘士は筋肉増強のために、タマネギでマッサージしたようですね。
タマネギは体を強く健康にすると考えられていたので、ローマ軍ではタマネギが支給されたようですよ。
様々な文献に登場し、悪霊を追い払うとしても考えられたことが分かっています。
【ポロネギ】(リーキ)
ネギ属の野菜です。
薬効成分として利尿作用あり。
中東と東地中海沿岸が原産とされます。
古代エジプトで重宝されました。
スープ、煮込み、スープストック(ダシのこと)、ソースの味付けに使われます。
低温のオーブンで焼くと、白いところがバターのようにトロッと出てきて、肉料理にぴったり合います。ピリッとあま~い感じ、でしょうか?
【ニンニク】
古代サンスクリット語に記録として使われている。
古代ギリシアとローマでは、ニンニクは保護、強さ、活力、勇気を与えるものと考えられていました。
ローマの将軍たちは、自分の軍が征服した国にニンニク畑を作り、戦場に勇気を送ろうとしたとか。
臭気と魔法や迷信の連想があるため、ニンニクを嫌う貴族は多かったようですが、逆に下層階級や奴隷、軍隊には広く使われていたようですよ。
アメリカ大陸には1400年ごろにスペイン人から伝わった。
感染症予防や解毒作用としても使われる。
吸血鬼対策としても、小説の情報として大切です。
古代ギリシア人の旅人は、悪魔たちが追ってこれないようにと、十字路にニンニクの山をおく慣習があったようです。
【西洋ワサビ】
西アジアの一部、ヨーロッパ南東部の一部が原産地です。
ギリシア神話では薬や食材としての貴重な用途により、同じ重さの金にも匹敵すると記述されています。
筋肉痛の薬、咳止め、媚薬として使われる。
料理としては、野菜の甘酢漬け、ソース、マリネ、飲料として使われる。
ドイツ料理やイギリスのローストビーフに使われることでも有名。
【コールラビ】
コール(キャベツ)、ラビ(カブ)から来ている。
世界最古の料理書、『アピキウス』にも書かれる、古い野菜。
サラダ、焼き野菜、スープとして使われる。
私は食べたことがないのでわかりません。
【カブ】
紀元前2000年頃から北ヨーロッパにあった。
ジャガイモが広まるまでは、一般的な食物とされた。
ローマ時代には飢饉の時のために、下層階級のもの、とされたが、実は幅広い階層に受け入れられていた。
若いカブの場合は、擦り洗いして丸ごと蒸す。
成長したカブは、皮を剥いて、焼く、スープや煮込みに加える、または油で炒めてから蒸し煮にする料理に使われる。
ハロウィーンのカボチャの彫り物の以前は、カブで行われ、悪魔よけになるとされていた。
北アメリカではカブが手に入りにくいので、カボチャが使われるようになり、その後定着した。
種は油が採れます。
【タロイモ】(サトイモ)
南国のジャガイモとも呼ばれる。
インドやマレーシアで最初に栽培される。
ローマ時代の崩壊とともに、ヨーロッパでのタロイモの消費は終わる。
シュウ酸カルシウムがあるので、長時間火を通すことが欠かせない。
現在でも中国などではおかゆ、ケーキ、ロールパンなどに利用される。
【ニンジン】
昔のニンジンは紫色だった。オレンジ色になったのは品種改良のためだそうです。
葉と根は硬くて苦味があり、薬や味付けのためのハーブとして使われた。
媚薬としても使われた。(朝鮮人参みたいなものかな?)
ギリシア人は全く食べなかったが、ローマ人は強い味を好んだため、受け入れるようになり、生や加熱して食べた。
アピキウスには調理法が幾つも書かれる。
【パースニップ】
西ヨーロッパやアジアが原産。
ローマやギリシアの文献に名前が出る。形はニンジンに似ている。色は白っぽい。
16世紀中頃まで、下層階級の主食の一つだった。
繊維質で味が強かったため、食料として使われるよりも味付けに使われることが多かったが、その後品種改良により、野菜として使われる。
ジャガイモが出てくるまでは、根菜の主流として活躍した。
調理前に皮をむかず、こすり洗いをする。
味はややニンジンに近いが、更に甘みと複雑さがある。
弱火で煮込む、油で炒めてから蒸し煮にする、低温のオーブンでじっくり焼く、などがある。
あらゆる種類のスープストックの素晴らしい調味料となる。
(日本人にとっての昆布やわかめのようなものだ!)
タラやベーコンなどの塩気が強い料理と相性がいい。
【クレソン】
ヨーロッパから中央アジアの原産。
フランスでは14世紀から栽培利用が始まったといわれています。
ギリシャには「クレソンを食べて知恵を得よ」という言い伝えがあるそうです。
サラダやステーキの添えとして使われます。
ピリッとした味わいは、好きな人はとてもハマる味。
2015.10.11 追記
【エリンギ】
地中海原産
アフリカや南ヨーロッパ、アジアの地中海に似た気候地帯と広範囲に自生している。
【キクラゲ】
ヨーロッパからアジアまで。
広葉樹の枯れ木に群生している。
クラゲに食感が似ているから名づけられた。
木に耳が付いているように見えることから、木耳と書く。
中国では銀耳と呼ばれる。不老長寿の効果があるとか。
【ヤマイモ】
世界各地にあり、その種は600位上と言われる。
温帯に広く分布します。
滋養食として有名で、「山のうなぎ」と呼ばれることも。
日本では自然薯として知られ、古事記にも載る。
【パセリ】オランダゼリ
古代ギリシャやローマ時代では香辛料とともに、薬として活躍する。
口臭予防や消化促進などの作用がある。
精油や種子には堕胎作用や子宮および月経刺激作用があることが知られていて、ファンタジーの小品に使えそうである。
イタリアンパセリやハンブルクパセリ(根用パセリ)などがある。
【エシャロット】シャロット、ベルギーエシャロットとも
古代エジプトやインドで栽培され始める。
アメリカでは葉を食べることが多いが、ヨーロッパでは鱗茎を小たまねぎのように香辛料や薬味として使う。
アリシンなどを含むので、独特の匂いがある。
【ハツカダイコン】ラディッシュ・ラレシとも
春から夏にとれる。
古代エジプトではすでに食用とされていた。
和名の二十日大根は種を植えてから二十日で収穫できることから。
鮮やかな赤色(ヨーロッパ産には黄色もある)をしている。
学名のラファナスはギリシャ語で早く育つ、ということだから、育成の早さばかりが注目されがち。
【ルバーブ】パイノキ、食用大黄とも。
旬は夏で、シベリアが原産。
サラダやジャムとして人気の野菜。
中世ヨーロッパでは薬として使われており、またスープの実、ゼリーやパイ、ジャム、肉料理に添えるソースなどにも。
湯通し、下茹でをしてあえものとしてや、漬け物、炒めもの、揚げものなどにしても良い。
シュウ酸を含むので、葉っぱは使わず、茎だけ使用する。
情報源
『世界の食用植物文化図鑑』
『食材健康大辞典』
などなど。
美味しい料理の描写は読んだだけで思わず口の中に唾液が溢れてきます。
皆様がちょっと料理の描写をしようかな、と思った時にこの資料を思い出して、ご活用していただけることを祈っています。