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そらリゼーション  作者: ゆきのいつき
2/27

第二話 進んだ科学は魔法にしか見えない?

お気に入り登録ありがとうございます。


7/18……ちょこちょこ修正いれました。

 んん? なんだろ……。

 温かい……それになんだかすっごく気持ちいい。


 ボクはまどろみの中、そのなんともいえない感覚に包まれ、ただぼーっとしてその気分を楽しんでいた。

 その暑くも寒くもない、心地よい温かさ。 まるでお母さんのお腹の中にいるみたいな、なんともいえない幸せな気分。


 はぁ、ほんと気持ちいい……。


 ……。 


 あ、あれ? でもボク、何でこんな状況に?

 ボクはだんだん意識がハッキリしてくるとともにこの何ともいえない心地よい空間に違和感を感じ出す。


 ボクって確か、確か――?


 ボクが思い出そうと意識を、ついさっきまでの記憶に向けた瞬間。

 

 頭の中で一瞬軽い何かが走った。(……まるでヘッドフォンを耳につけたまま、ヘッドフォンプラグを抜いたときみたいなイメージ、ただもっとやわらかい感じだけど)


 するとボクの閉じている右目にあろうことかあの時の記憶。 あの時のシーンがまるで動画を再生するかのように見えてくる。

 迫ってくる光点。 それがあっというまにボクの眼前に。 今こうして見ると眼前っていっても相当の距離はあったみたいだけど……。


 とはいえ、周りは真っ白になり、ボクの視界は奪われ……

 そこでボクの記憶の動画は終わり、また眼前は暗くなる。


「な、なにこれ!」 


 ボクは思わず叫んだ。

 と同時に口内からゴボリと出る液体、そして全身が、多少粘度のある水っぽい液体の中に沈んでいることに気付く。 

 一瞬パニックになるボク。


 目を開けようにもその液体のせいでろくに開けられず、無理やり開いたら今度はその液体のせいで視界が確保できない。

 思わずその場でもがきまくるボク。


 そしてここから出たい! そう強く願った瞬間。

 今度は一瞬、体に静電気のようなものがまとわりついたかのような感覚に襲われる。


「はぇ?」

 

 そう思った時には、すでにボクは何もない空間へと唐突に出現し、


「う、うそー!」


 ゆうに1m以上は離れてそうな床に向い当然のごとく落下、激しくお尻ぶつけることになってしまった。


「いったぁ~い」


 つい、そう言いながらお尻をさするものの、あの高さから落ちたにしては予想と違い痛みがないことに疑問を抱きつつ、口の中どころか肺の中まで入っていたらしい怪しい液体を吐き出そうと、ボクの体が嘔吐や咳にくしゃみ、あらゆる要求をしてくる。


 しばらく続いた、その生理的要求で息も絶え絶えになりつつも、全ての液体を出し尽くしたみたいで、ようやく落ち着きをとり戻したボク。


 そして改めて自分の置かれている状況、というかおかしな事実にとうとう気付いてしまった。


「な、なんなの、これ? なんでボク、はだか? っていうか、えっ、ええ~!」


 裸だからイヤでも目に入ってくる自分のカラダ。

 目を落とすとその胸には小さいながらもふんわり膨らんだ丘が二つ。 その下に続く細くくびれた腰。 その更に下には……見慣れた男の子の印はなく……、ただのっぺりとした股間が見えている。

 ボクは思わずつばを飲み込むと、そこに手を恐る恐る伸ばし、確認してみる。


「は、はぅ~」


 男の子のシンボルの代わりにあったのは、その……女の子の、あ、あれだった。


「ううぅ、ど、どおゆことなのぉ~?」


 そう言いながらもついアソコをまさぐってしまうボク。 確かに指に伝わってくる女の子のカタチ。 なんだか変な気分になりそうだったので慌てて手を放し、更に自分のカラダを見回す。

 上体を起こし座っているボク。

 で、その座り方からして内股で外側に脚を開くようにして座ってる、いわゆる女の子座り。

 そして動くたびに肩周りからカラダの前にずれ落ちてくる、濡れそぼった髪の毛。

 ボク、髪の毛は肩に届かないところまでしかなかったはずなのに……って言うか、何このありえない色。


 紫がかった白い髪って……そんなアニメか漫画みたいな色、マジありえない!


「な、なんなのこれー! もうわけわかんないよぉ~!」


 ボクはもう色々と突っ込むところが多過ぎて、軽くパニック状態に陥ってしまう。

 さっきのおかしな現象を気にする余裕もないボクは、立ち上がって辺りを落ち着きなく見回し、そしていた場所を中心にうろうろと歩き回る。

 周囲は薄暗く、でも、かすかに見える範囲にはほんと何もない、ただただ、だだっ広いだけの部屋みたい。


 もうほんと、なにがなんだか、どうしたらいいのか皆目見当が付かない。

 そんな時だった。


<ほう、もう能力を使ったのですね? なかなか筋がいいようです>


 いきなりボクのアタマの中で、男の人とも女の人ともとれない不思議な声音の、ちょっと抑揚の少ない声が響きわたった。

「だ、だれ? なんなの? どっから声が聞こえたの?」

 ボクはもう混乱の局地で、アタマをキョロキョロと振り回しながら声の主を探そうとする。


<どうか落ち着いてください。 いくら見回しても周りには誰もいません。 何しろ、私はあなたの頭脳に直接話しかけているのです。 いや正確には話すというのとは違うのでしょうけれど>


 ボクはアタマの中で、どこからともなく伝わってくるその言葉……ううん、違うな? 今のこいつが言ったみたいに言葉っていうより自然と理解できるっていうか、認識できるというか。 でも話しかけられてるって感覚もあるから声のイメージもわく。 なにしろ不思議な感じなんだ。

 ボクはそんなことを考えてるうちに、なぜだか落ち着きを取り戻してきてる。 それに言われたことにすっと、違和感なくなじんでしまってる気がする。


<いいですね、もう落ち着いてもらえたようでなによりです。 私の修復処理にインプラント、それにあれの調整もうまくいって完璧に機能しているようです、すばらしい! 宇宙ではなにしろ冷静でなくてはいけません。 興奮やパニックなどは百害あって一理なしです>


 アタマの中の声は妙に日本の言葉にくわしそうだけど……、はっ! そもそも一体……。


<私はディア、正式にはクラウディアといいます。 しかし、まぁディアと呼ぶことを許しましょう。 それで、私という存在をわかりやすく説明するなら、この船の全てを司っているマザーコンピュータであり、あなたのような生物の生命維持から排泄物の処理にいたるまで、あらゆるもの全てを管理している、まさに神のごとき存在といえます! 敬ってもらってもけっこうですよ?>

 

 ボクの考えを見透かしたかのように話しだす、自分のことをディアって名乗るコンピュータ?

 うう、それにしても何? この中二コンピュータ。 自分で自分のこと神だなんて、アタマ沸いてるんじゃないの? ってコンピュータにそれはないか。


 ああんもう! ボク他にもいっぱい聞きたいことあるに、何なのさ~! つうかさっきからボク全然しゃべってないのに、なんで話しが成立してるの~?


<むっ、今すごく失礼なことを考えましたね? 原住民のくせに生意気です。 せっかく私が……>


「おい、ディア。 いいかげんにしろ! 話しが全然進まないじゃないか」


「えっ?」


 いきなり、背後から声がしてビックリするボク。

 ボクはその声の主を確認しようと、慌てて振り向いた。


「あぅ! に、にんげん……かな? あははは……は」


 そこに立っていたのは身長は1mちょっとくらいの子供みたいな人? だった。

 ボクはまたもや、どうしていいかわからずパニクり寸前だ。


 その小さい謎の子供は、肌の色は白っぽい灰色。 頭がちょっと大きいど顔はそれなりに整ってて、けどその中で金色をした目がひと際大きく目立ってる。 例えていうならお人形さんの目のようでちょっと可愛らしい感じもする。

 髪の毛もちゃんとあるけどキッチリ編みこんであってそれを一本結びみたくして後ろに流してて、その先はお尻のほうまで届きそうな長さだ。 ちなみに色は銀色でちょっとボクの今の髪と似た雰囲気もする。

 全身にエナメルのようなつやがある、銀色をしたすっごく滑らかなスーツを着てるようで、体や髪の色も含め、全体的に白っぽく、ちょっと華奢な印象も受ける。


 で、結局この人っていったい……。


「あ、あのぉ、あなたはいったい?」


 さっき一言発して以来、ずっと黙ってるその子供のような……人? に、なんとか声をかけてみるボク。

 なんか答えは今までの体験からすると読める気もするけど、ここまできてもまだ信じられない。 信じたくない自分がいる。


「ふぅ。 色々戸惑わせてしまってすまない。 それに君には、大変申し訳ないことをしたと思っている。 このとおりだ」


 子供のような人はそう言うや、いきなり日本式に深いお辞儀をし、ボクに謝ってきた。

 な、なにそれ? イメージと全然あわないし。

 イメージといえば声がおもっきし大人声。 すっごく甘い、イケメンボイスでこれまたビックリだよ!


 それにしたって、いきなり謝られたって、なにがなんだかさっぱりだ!


「うぅ、そ、その、なんだかわかんないけど、アタマ上げてください! ボク、もう何が何だかサッパリです。 お願いだから説明してください!」


「説明ならこの私が……」

「おまえはいい! 少しだまっててくれ」


 さっき散々ボクのアタマの中で響いてた声、今普通に耳から聞こえてきたよ。 くうぅ~、ほんとなんだか釈然としないぃ~。


「す、すまない。 それでは今までの経緯いきさつとその、君自身についての説明をさせてもらうから、とりあえず場所を移そう。 それに君も、いつまでもそのカッコのままでは色々まずかろう?」


 イケメンボイスの子供からそう言われ、ハタと自分のあられもないカッコに、改めて気付くボク。


「いぃやぁ~!」


 大きく響いたその声は紛れもなく女の子の、それはきれいで澄みきった、かわいらしい声だった。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



「蒼空くん、ほらキーワードを声に出して言ってごらん」


 ボクにそう言ってうれしそーに声をかけてくるのは、フォリンだ。


 ボクはあれからイケメンボイスのフォリンと、中二コンピュータのディアに、アタマから、声から、視覚から、その他諸々から……説明や解説、おまけに教育まで受け、自分が被ってしまった災難とカラダの変化、っていうか変身? いやもう改造? 要は、人外みたくなってしまったことについて……さんざん、それはもう耳にタコができるくらい聞かされた。


 ったく、魔法少女ってなにさ? ボクはアニメの魔女っ子じゃないっての!

 フォリンも異星人のくせに何アニメにハマってるの? しかも魔法少女? はぁ~? って感じだよっ、もう!


 それにだいたい、何で! わざわざ男から女の子に変えるなんて余計なことまで!

 ほんと、あのクソいまいましい中二……

<蒼空。 あなたの思考は駄々漏れです。 もう、いい加減あきらめてください。 日本でも言うではありませんか? 『命あっての物種』だと。 あなたは助かっただけ運がいい。 ほら、早く! フォリンが待ちくたびれてます>


「ああもう、うるさいうるさいうるさ~い! アタマん中でごちゃごちゃ言わないで。 音声で言ってよ! もういや、遠隔感応通信なんてっ」


 なにさ、そもそもの原因はディアが落ちてきたからだっていうのにさ……。


 あ、あれ? そういや結局何が原因で落ちちゃったんだろ? シャクだけどディアって実際すごいやつみたいだし……不思議だよね?


「蒼空くん。 おーい! どうしたんだ? 早く、きーわーどー!」


 今度は待ちきれなくなったフォリンがわめき出す。


「ああもう! フォリンもうるさいのっ。 わかったから、やるから、もう黙ってよ」


 もうフォリンもディアもほんとに異星からきた宇宙人なの? 幻滅もいいとこだよ。 宇宙人だなんて、ほんとなら地球中で大騒ぎになるような大ニュースなのに……。


「じゃ、行くよ? フォリン」

「ああっ、ドンときたまえっ!」


 もぅ、ほんと恥ずかしい……。

「え、ェンジェル……ウ、ゥィング……ェクスパン……ション」

 ボクは恥かしくて、途切れ途切れ、小さな声でキーワードを言う。


「蒼空! それではキーワードとして認識されない! もっと、はきはき、大きな声で言わないとダメだ」


「そ、そんな。 だってこれめちゃくちゃ恥ずかしいんだもん!」


「何を言ってるんだ? 世の魔法少女たちは皆、何かを発動させるときは大きな声で技や、術の名前を叫んでるじゃないか! 君がやらなくてどうするっていうんだ?」


 フォリンがまったくもってバカなことを本気で語ってくる。

 最初フォリンはディアがやったことにアタマを抱えてたって聞いたけど、今となってはどう見たってフォリンの方がノリノリだ。


 どの世界にもオタは居るってことか? ほんとやれやれだよ。 ああもう、くそっ!

 もうやけだ。


「エンジェルウィーング……エクスパンションっ♪」

 

 ボクがやけくそで、それはもう魔法少女っぽく、カワイイ声で大きくキーワードを叫ぶと……、


 ボクの背中、肩甲骨の間くらいからまばゆい光が現れ、その光がだんだん左右上方に広がるように伸び、やがてボクの身長の半分くらいの長さになって止まる。 するとそのまぶしかった光もほぼ治まり、そこには微妙に輝く半透明の、まさに天使の羽を思わせるような翼が姿を現した。

 ボクは自分のことながらその光景に我を忘れ、思わずきれい……だなんて思ってしまった。 でもそれとともにふと疑問もわいたり。

 ボク、今はディアが用意してくれた、なぜかどう見ても日本で売ってそうな普通のワンピース着てる訳だけど、洋服の背中んとこ、どうなってるんだろ?


 それにしてもボクが女の子のお洋服着るだなんて……春奈には絶対見せられない。 あいつったら今までだって、ボクに女の子のカッコさせたがるんだもん。 


「すばらしい! すごいぞ蒼空くん。 今度はそれで飛ぶイメージをするんだ。 大丈夫、考えるだけで思ったように飛べるはずだ」


 ボクはとりあえず半信半疑ではありつつも、フォリンの言う通りイメージしてみた。

 とりあえずはちょっと浮き上がるイメージ……。


 すると羽根が微妙に震えるような感じがしつつ、輝きが増し、ボクのカラダがふわっと浮かびあがった。


「す、すごい! ボク浮いてる。 浮いちゃってる!」


 これにはさすがにボクもちょっと感動してしまった。 調子に乗ったボクは、更に浮かぶイメージを強め、今度は前進するイメージも加えてみる。

 するとどうだろう! ほんとにボクが思うように、思い描いたようにカラダが動く。 翼はどうやら羽ばたいたりはしないみたいだけど……。


「すごい、すごいやフォリン。 ボクこのカラダになって初めて感動しちゃったよ」


 ボクはここに至るまでもいろんな能力の説明を受けてて、そりゃ驚きの連続だったけど、こうやって感動を覚えたのは初めてだった。

 バカ力はそりゃ驚いたけど、だから何? だったし、透視出来る目も、そんなに必要だとは思えなかった。

 物を触らずに動かせるのはいかにも超能力って感じでちょっとは感動したけど……、やっぱ、空を飛べるのは別格だ。


「では、ちょっと外に出てみてはどうでしょう? 更に気持ちがいいのでは?」


 ディアが突然、そんなコトを言う。

 え? 外って?


 そう思った瞬間、ボクは周りにはなーんにもない……、



 まさにボクの名前どおり、痛いくらいに澄み切った、蒼い空へと転移させられていた。



「でぃ、ディアの、バカ~~~~~!」



 ボクは重力に引かれるまま、地上に向ってまっ逆さま。 ものすごい勢いで落下を始める。

 遥か下には、これも青い海がどこまでも広がってる。


「いや~! おーちーるー!」


 ボクの左の碧い目からは涙が止め処もなく流れ出てくる。 右の目は今はなぜか黒い眼帯で覆われてて、外すと宝石のように輝くまっ赤な目、……ほんと意味不明の容貌にされちゃってる。(何でも魔眼とかいう設定らしい)


 フォリン、ディア! 人の姿で遊ぶな~!


「もういや~!」


<蒼空。 何を遊んでいるんです? さっさと飛べばいいじゃないですか。 人類っていうのは変わってますね? そんなに落ちるのが楽しいんでしょうか?>


「か、簡単に言うな~! ボクにも心の準備ってのが必要なんだからぁ。 いきなりこんな高高度、ひど過ぎるよ~」

 ボクはもう泣きながらわめきたてる。 でも、そうはいいながらもディアのその言葉にだんだん気持ちが落ち着いてくる。

 こーゆとこも、どうやらディアが何か細工してるみたい。 なんかボクの精神までいじられてるみたいでなんか不気味だけど……。


「あーもう! 浮くんだ、浮くんだ。 いや飛ぶ。 そう、飛行機みたいに!」


 ボクはそうイメージする。

 落下していたボクのカラダ。 背中から生える2枚の羽に力強い輝きが生まれ、その翼が左右におもいっきり開かれる。

 それと同時に落下がぴたりと止まる。 ほんと、ぴたりって言葉通り、なんの慣性も働かない、カラダも全く振られたりしない。 まさに、いきなり静止しちゃったのだ。


 重力なんて関係ない、って感じなのかな?

 ほんとどうなってるんだろ?


 ボクは自分のカラダにはもちろん驚くけど、こんなことがいとも簡単に出来てしまうフォリンたち異星人の科学力? にちょっと薄ら寒い気持ちがしてしまう。 ボクはふと感じたそんな考えを振り払い、静止から一気に加速、上昇に転じた。


「気持ちいい……」


 上昇から、水平、そして旋回と、色んな飛び方を試すボク。 周りの景色もそれに合わせてくるくる回るし、動く。

 そして最後はのんびり空中のお散歩。


 これだけ無茶しても全然息も苦しくならないし、それどころかカラダに風も当たらない。 さっき自由落下してたときはバンバン風が顔に当たってきたのに……。 


 ほんと不思議。


<蒼空、そろそろ終わりにしましょう。 あまり無理をするとあなたの生体エネルギーが枯渇してしまいます。 それはたぶんあなたにとってあまり気持ちのいいものではないでしょう?>

「ちょ、なにそれ? そんなこと聞いてないし!」

 ボクはディアのその言葉に驚いて聞き返す。

<そうですね。 うっかりしてました。 今いいます。 蒼空が使っているその力はもちろん無限ではありません。 あなたの生体エネルギーから摂取して力としているので、当然あなたの体力が落ちれば供給されるエネルギーも減少するのです>

「そ、そんなのどうやって判断するのさ? お腹減ったとか、感じてからじゃ遅いんでしょ? どうせ」

 ボクはスポーツでよく聞く話を思い出し、そう言ってみた。

<その通り、よくご存知で。 ですがご安心を。 確認の方法はありますので。 あなたの右目です。 右目を閉じ、あ、今はどっちにしろかざりの眼帯でふさがってますね>


 こ、こいつ今、なにげにすっごい問題発言したよーな……。


<それで、右目を意識しつつ、エネルギーレベルと念じてください>


 ボクはシャクだけどとりあえず言われたとおりに念じてみた。

「あっ、なんかレベルゲージみたいなのが出てきた! これがそうなの?」


<そうです、そのゲージ、今はどの辺りを示していますか?>


「えっと……左より……40%くらいのとこかな?」


<ほう、するとまだあと少々は大丈夫だったようですね。 そのゲージが30%を切れば注意しなければいけません。 25%で危険領域、 20%を切れば……いつあなたの能力が使えなくなってもおかしくない状態となります>


「ふ~ん……そうなんだ」

 

 ディアは丁寧に説明してくれてるけど、ボクは正直、あんまり気にしてなかった。


 だって、そもそもボク、こんな力使うようなことなんて、するつもり……

 全然ないんだもんね~! (べ~だ!)


 そんなコトを考えつつ、ボクはディアに再び転移され宇宙船の中へと無事回収されたのだった。



 それにしても、まだまだ説明してない能力はたくさんあるらしい……。

 ボク、いつになったらお家に帰れるの~?



勢いで書きました。



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