【透明ギャング】
「また透明ギャングが現れたそうよ?え?そうなの?昨日も知り合いが殺されたの?なんとかならないかしらね…ならないわね…だって…透明ギャングだもんね…」
透明ギャングは世界中のありとあらゆる物を奪い去り大量の人間を殺した…。
本人達が透明なだけなら、さほど問題も無いのだが、武器やバッグ、しかも達の悪い事に入れてしまえば品物までもが透明になるとなっちゃー、もう、コリャーお手上げと言う他ない…。
オオヨソの目ぼしを付け「透明ギャングを包囲したぞ!」と思った時にはもう遅く、ドコかのヘリか飛行機に、勝手に乗って飛んでいた…。
『アはハはハ』
―(ドン!)―
世界1のルーベスト美術館を長年守り続けてきたハイパーケイビもアッサリ殺され、警官が駆けつけた頃には、すでに中はガラガラだった。
「うそぉ~ん!!!私の大事なポナリザがぁ~!モンクの叫びがぁ~!」
館長は嘆き、ギャングは笑い、アジトの中では、今日も大量の酒や、豪華な食事が宙を浮き、グラスとグラスが挨拶し、チーンっとメロディー流れだし『かんぱーい』『ヒャッホー』『さいこーだなー』『なぁなぁ、おれたちって、もしかしたらさ。マジで世界最強なんじゃね?』『たしかに、たしかに』
何人居るかは分からないが全員が『あはははー』と笑った。
その時ガチャッと扉が開き、そこから女が1人来た。
「キャー!ちょっとヤメテよ!離してよー!いったいコレはどーゆー事よ!」
パンッ!
パンッ!
パンッ!
女は1人で殴られた。
それを見て、透明ギャングの1人が言った。
『おいオイ。今日は随分激しい女を連れてきたなー』
透明ギャングは皆笑う。
『あははははは』
笑い声は1つ増えており『ああ。激しいだろ?だからこうやって教育してんだよ!!!!』と、チョット低めのその声は、女の横から聞こえており、それと同時に(バンッ!)と女の鼻血が飛び出し、透明ギャングはまたもや笑う。
『あははは』
『ハハハハ』
『あははは』
『ハハハ』
『わっはっはっはー』
『ギャハハハ』
『わはは』
(バシ!ドス!ドス!バシ!)
「…や…め…て…」
女の顔面は勝手に腫れあがっていき結局最後は……。
「…やめて…おねがい…もう…ヤメテ…」
(バシバシ!ドスドス!バシバシ!ドス!バシ!)
…ハチの巣になってしまった。
『あのさ?コイツさ?全然さ?この顔、全然、カワイくなくね?』
『うんうん。てかブス。ふつーにブスじゃん』
『あははははははは』
(ドスドス!バシドス!)
…女の顔は信じられない程グロテスクに腫れ上がっていった。
『もうさ?コイツさ?全然さ?結局ダレもヤりたくなくね?殺しちゃってもいいんじゃね?』
『殺せ殺せ』『おれヤりてー』『まじで?おれムリ』『おれもムリ』
『あははははははは』
(ドス!ドス!バシ!ブシュ!グチュ!グチョ!…グチャ!…ヌチャ…)
目玉は飛び出し両方えぐられ、歯などとっくに残っておらず、口とオデコは逆さまだった…。
…その女の死体を見て…2人の刑事が話をしている…。
「指紋1つも、髪1本も、残ってないとは一体ダレの仕業でしょうね?」
「わからん。まったく。世の中には残酷なヤツもいるもんだな…」
「アレ警部?」
「なんだ」
「この部屋の扉閉めました?」
「いや、なぜだ?」
そして
またもや透明ギャングの笑い声が聞こえだす…。
『あははは』
『ギャハハ』
『あはははははは』
(おわり)