第6話:陰キャ後輩は不調です
「体調はどうだい?」
「おかげさまで死にかけですよ、冬休みなのに」
先日の雪遊びで体調を崩した私は、すっかり寝込んでいました。
「先輩すみません、もうお昼ですね。ご飯作ります」
布団から出ようとした私を、先輩が阻止します。
「これは身から出た錆だ、贖罪として、今日は私が家事をしよう」
「でも…先輩…」
「いいんだ、キミが苦しんでいるのを見るのは胸が痛むからね」
腕を組みながら語る先輩に、呆れを覚えます。
だって、私が言いたいのは…
「先輩、家事できないですよね」
いつか、私が家事を任せた暁には、家のインフラが壊滅しました。
「大丈夫だ、この聖奈に任せてくれたまえ!」
不安です…
先輩は私が許可を出す前に、部屋を出て行ってしまいました。
――――――
「さて、まずはどうしようか」
私の名は富園聖奈、
何でも完璧にこなす天才美少女だ!
(美しい金髪をなびかせる)
「まずは昼食だね」
いつもダーリンが使っている包丁を取り出してみたのはいいけれど…
「どうやって切るのだろうか」
人参を置いて、思考してみた。
ふむ、硬そうだな。ならば…
私は両手で包丁を握り、人参に向かって振り下ろす。
スパンッ!
切れたには切れたのだが…
人参が吹き飛んでどこかに行ってしまった…
もしかしたら聖奈には剣術の才能があるのかもしれないな…!
人参は少し硬すぎた、柔らかいものを入れるとしよう。
――――――
「さあ、食べてくれ!」
「…先輩、これは…?」
「見ての通り、カレーさ!」
先輩が作ってくれた料理、見た目が完全に泥です。
食欲が失せる…
「さあさあ!」
先輩が目をキラキラさせてこちらを見てきます…
しょうがないですね…
パクッ
…
「先輩、私のこと暗殺する気ですか…?」
「美味しいだろう!愛を込めたんだ!」
「ごちそうさまでした」
「食欲がないとは…可哀想に」
うう、体調が悪くなってきました…




