第25話:スパダリ先輩と共通テスト②
「ただいま、ダーリン」
その顔は、口角が上がっていて、やり遂げたようでした。
「おかえりなさいです、えっと、どう…でしたか?」
先輩は、深く、深く息を吐いて、上げた顔には輝きを宿していました。
ドヤ顔ウインクで口を開きます。
「ふふ、我ながら完璧すぎて困るね」
先輩らしい、自信に満ち溢れた言葉。
それは私に安堵を与えました。
「随分と可愛らしい反応をするね、キミは」
「え?」
じんわりと顔が熱くなっていることに、今更気づきました。ちょっと恥ずかしいです…
…気を取り直して、私にはやることがあります。
「先輩、これ…」
私は、準備しておいた包みを手渡します。
「まさか、プレゼントを用意してくれたのかい?」
「はい」
先輩が、リボンを取り外して包みを開きます。
中から出てきたのは、
「御守り、合格祈願……うぅ…」
「先輩…!?」
想定よりも早めに目をウルウルとさせる先輩に、驚きを覚えます。
しかし、涙をこぼすことはありませんてました。
「…ありがとう、キミが聖奈のことを、こんなにも大切にしてくれていると実感すると、感極まってしまうね」
「先輩、御守りの中、開けてみてください」
「いいのかい?」
先輩がその細くて綺麗な指で取り出したのは、小さな紙でした。
四つ折りのそれを、開きます。
「これは…」
――――――
富園聖奈先輩へ
いつも、優しくしていただいてありがとうございます。
私は、あまり気持ちを伝えることが得意ではなく、先輩の愛を上手く受け止められているのか、心配でした。
でも、今日だけは、ちゃんと伝えます。
「大好きです!」
篠原かなめより
――――――
先輩は、ふるふると、体を震わしていました。
今度は、涙をたくさんこぼして。
ガバっと、私より少しだけ背の高い先輩が、私を抱き締めます。
「……こちらこそ、大好きだ、本当に、本当に…」
小さかった頃みたいな、弱々しい声に、私も涙が溢れていました。
「…これからも、よろしくお願いしますね…!」
先輩!!!




