第24話:スパダリ先輩と共通テスト①
「先輩、頑張ってくださいね」
冷え込む朝の雰囲気で、厚着をした私と先輩が向かい合っています。
「ああ、問題ない」
今日は共通テストです。
私立大学で共通テスト利用入試の先輩は、本日が山場というわけです。
「迷子とかになりませんよね?着いていきましょうか?」
「過保護だね…ふふ、ありがとう」
先輩は背を向けて、歩き出しました。
その様相は、スパダリと呼ぶに相応しい自信を宿しています。
「いってきます、ダーリン」
その日の学校終わり、帰り道にて。
「そういえば富園先輩、共通テストだよねー?」
ひまりちゃんが神妙な面持ちをしていました。
「そうですね」
「それじゃあさぁ」
ひまりちゃんが、指を動かします。
指したのは、とある雑貨店でした。
「お疲れ様プレゼント、買ってあげたら!」
労いのプレゼント、ですか。
「いいですね、買いましょう」
そんな感じで店に入ったのはいいものの…
「もし上手くいかなかったのに、祝う感じのあげたら煽りみたいですよね」
なかなか、このシチュエーションで何を買えば良いのか分かりません。
「うーん、たしかにねぇ…」
流れるように目線を動かしていたひまりちゃんが、何かを見つけて声を上げます。
「これは!?」
手渡されたそれは、御守りでした。
合格祈願と書かれています。
「たしかに縁起良くていいですね」
「ふっふっふ、それだけじゃあない!」
ひまりちゃんが、商品棚に指を指します。
「なるほど、メッセージを入れられるんですね」
紙にメッセージを書いて、それを御守りの中に入れてくれるらしいです。
そして、私はそれを買うことに決めました。
「メッセージをこの紙に書いてくださいね!」
私はその紙に、先輩への気持ちを綴ります。
同居人として、恋人として。
富園聖奈先輩へ
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