第10話:陰キャ後輩と同級生①
「お待たせ〜!」
風のように過ぎ去る冬休み。
せっかくの青春を無駄にしないため、私は友人と遊びに出ています。
「結構遅刻です、ひまりちゃん」
花車ひまり(はなぐるまひまり)、同じクラスの4月からの友達で、私とは正反対のような女の子です。
「ごめん!全然起きられなくて〜」
「また彼氏と寝落ち電話でもしてたんですか?」
「そうなの〜!ねぇ聞いて聞いて、彼氏がやばくってさ!」
ひまりちゃんは、全高校生が求める青春像を具現化したような存在です。
「てか、かなめは好きぴとかいないの?」
まさか同性の先輩と付き合ってるなんて言えないです…(しかも同居してるなんて)
「い、いないですよ」
「ふ〜ん?」
「早く行きましょう!」
気まずさに耐えられず、無理やり足を動かしました。
同性との恋、恥ずかしくはないけれど、人に伝えるには勇気が入りますね…
歩き始めても、ひまりちゃんの恋愛トークが止まりません。
「歳上と歳下、どっちが好き〜?」
「歳上ですね」
「可愛い系とかっこいい系、どっちが好き〜?」
「かっこいい系です」
「スパダリとダメ男、どっちが好き?」
「スパダリです…ん」
「あなたが思い浮かべているのは、富園先輩でしょう」
「!?」
心拍が上がって、親友だったひまりに恐怖さえ覚えます。
「な…なんで?」
なぜバレたのでしょう…?
「いやぁ、前々から疑ってたから質問で誘導してみたら、こんなに上手くいくなんてね」
「何が目的ですか…?先輩の巨額の富でしょうか…?」
私は背筋が凍るような、絶望を感じます。
「私はそういう…百合って…」
――――――
一方その頃、富園聖奈は
(起きてみたらダーリンがいない…だと…)
(まさか、家出…いや浮気か!?)
「聖奈という愛人がいながら…なんて罪深い…」
先輩は勝手に解釈して、号泣していました。
まさに混沌…どうなるんですか…これ。




