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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
東への旅編

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東への旅編 その14 悪徳金融(善良)

「おう、じゃあ案内してもらおうか」

「なんだこの無駄に偉そうなガキは・・・」


 てことで通されたのは・・・案外普通の応接間。掛け軸も無いし日本刀も飾ってないしダルマも無ければ甲冑もない。あ、ダルマは選挙事務所だから事務所違いか。

 待っていたのは人相の悪い・・・そんなに歳はいってないな、三十前後の兄ちゃん?おっちゃん?てか人相が悪いのはここにいる全員なんだけどさ。


 で、一応確認として持ってきた借用書と借金の額、利息の額などを照らし合わせる・・・のだが、高利貸しところか低利貸しだった。利率が年5%くらいだもん。もちろん複利ではないし。てか聞いた所によると組長(じゃなくて社長?店主?商会長?)ダークエルフ姉の幼馴染らしい。

 姉が三十前後には見えないしおっさんが老け顔なだけでにいちゃんなのか?


「んー・・・つまり初恋の娘さんが困ってたから仕方なくお金を貸したけど全く返済される気配も気持ちも無さそうでほとほと困り果てていると?」

「おう、いや、初恋とかぜってぇないけどな?アレ、見た目だけで性格とかいろいろ問題がありすぎるからな?」

「でもそんな所が可愛いと?」


「んなわけあるかっ!!いや、昔な、あそこの死んだおやっさんに色々と世話になってたんだよ。だからまぁ恩返しってわけでもないんだけどよ、少しくらいは力になってやれねぇかと思って手って言うか金を貸してたんだがさすがに三ヶ月で金貨100枚はおかしくねぇか?普通に新しい店構えられる金額だぞ?」

「まぁその金は全てフグを捌く練習に消えたわけだが」

「あいつホントになにやってんだ!?!?」


 昨日今日知り合ったばかりなんだからこっちが聞きたいわ。


「てか姉の話ではそろそろ身売りさせられるみたいなこと言ってたけど?」

「そんなことするはずないだろうが・・・てかそんなもんみつかったら伯爵様に縛り首にされちまうだろうがよ!」

「えー、でもそこの・・・いや、全員人相悪いからどこのか分からないけど見張りの男が『姉ちゃんを○○して○○した上で薬漬けにして海外に売り飛ばす』って言ってたぞ?」

「そこまでは言ってねぇよっ!?」


 おお、お前がさっきの門番か。何となく見覚えが有るような無いような?


「てかなぁ、悪徳高利貸しならそのまま暴れて建物ごと吹き飛ばしてやろうと思ってたけど普通の金貸しだとそうもいかないしなぁ」

「お前そんな事考えてたのかよ!!おい、誰だこの物騒なガキを連れてきたのは!?」


 ちなみに俺の手持ちは掻き集めて金貨60枚くらい。いや、そもそも俺があの姉妹のために金を出してやる理由もほぼ皆無なんだけどさ。


「ちょっとヤバめの品物とか捌ける感じ?」

「マジ勘弁してくれ、うちは至って真っ当な土建屋兼金貸しなんだよ!!」


『真っ当な土建屋兼金貸し』日本人としては結構なパワーワードだぞそれ。いや、土木関係の会社はほぼ真っ当なんだろうけどさ、金貸しってもうそれだけでイメージがほら。


「悪人面の癖に」

「てめぇそのうちぶっ飛ばしてやるからな・・・」


 魔水晶の密売は無理っぽいかぁ。別に禁制品でもないから密売する必要もないんだけどさ。ん?てか


「土建屋・・・土建屋って言うと地上げとかだよな?」

「お前ぇ完全に顔で判断してるだろ?ちげぇよ、普通に建物を建てたり解体したり土地をならしたり」

「転がしたり?」


「そうそう、高く買い取ってお求めやすい値段で売ってるんだよ!」

「その仕事は、特に『解体とか土地をならしたり』の仕事は今もあるのか?」

「あるどころか最近は建て替えも多いから大忙しなんだけどな?なのに朝っぱらから妙なガキの相手させられて・・・今日はとんだ厄日だよ・・・」


 ふむふむ・・・。


「よし、なら俺がその溜まった仕事をどうにかするから適正な報酬を支払ってもらえるかな?」

「猫の手もガキの手も借りたいくらいだけどお前一人雇ったくらいで進むような仕事じゃねぇんだけどなぁ」



 やって来たのはヤ○ザの事務所・・・ではなく金貸しの事務所『マクレーレ商会』から一番近場の手付かずの解体現場。

 あれだ、何だかんだ言いながらもよく知らない子供を現地まで案内してくれるんだからマジで良い金貸しなんだろうなおっさん。人相は悪いけど。

 てかおっさんじゃなくてにいちゃんな年齢なんだけどね?・・・老け顔だからさ。大切な事なのでもう一度言っておきました。

 案内された現場、なんでも古くなった倉庫の天井が崩れそうで危険なので早急に建て替えたいらしい。


「いや、お前が連れていけって言うから連れてきたけどどうするつもりなんだよ?」

「ん?ああ、もちろん取り壊しと整地だよ。ちなみにここの倉庫の取り壊しと整地、いくらで引き受けた?」

「んなこと赤の他人に言えるわけねぇだろうが!!」


 守秘義務もちゃんとしてるらしい。あれだなこの世界の人相の悪いおっさん、案外ちゃんとした人が多いよな。


「ちなみに取り壊した後の廃材、木材とか釘とか瓦礫はどうする?貰ってもいいのか?それとも頂いてもいいのか?」

「この倉庫の木材なんて古すぎて使いもんになるかよ。釘ってか鉄は鋳潰すからやれねぇな。瓦礫は埋め立てるくらいしかねぇし」

「了解、なら鉄は全部返却、木材は・・・まぁ半分は返してやるか。瓦礫は全部俺の物・・・っと。崩れてくることは無いだろうけど少し離れててもらっていいかな?」

「おう?ああ、いいけどホントに何する気だよ?マジでいつ崩れるかわかんねぇんだから中に入ろうとか思うなよ?怪我しても知らねぇからな!!」


 おっさんと取り巻きのチンピラ(商会長と社員とも言う)が建物から離れたので倉庫ごと時空庫に取り込む。

『えっ?そんなこと出来たの!?』って?うん、時空庫がランク10になって普通に使う分にはほぼ無制限になったからね?

 後は『中に人が居ない』とか『自分の持ち物or持ち主の許可を得ている』とか縛りは有るけど出来る様になった。

 上物(建物)が無くなれば普通に土魔法で整地して


「完了ー、一応ちゃんと出来てるか確認してもらえ・・・なんで全員でお腹の空いてきた井○頭○郎みたいな顔してんだよ・・・」

「・・・えっと、俺、寝てないよな?起きてるよな?えっ?ボロ倉庫・・・消えたぞ?てか地面も勝手にウネウネ動いて真っ平らになったぞ!?」

「そりゃそんな日もあるだろ」

「絶対にねぇわ!!」


 てなわけでそのままあと二軒ほど周って上物の回収と整地を行って午前中には借金返済完了。いや、最初の倉庫だけでも十分だったんだけどね?さすがに他人様の取ってきた仕事を横からかっさらってお金だけ貰うのは少々気が引けるからさ。


「いや、マジでお前・・・なにもんだよ?悪魔なのか?それとも魔王?」

「どうして神様とか使徒様とか天使様とか出てこないのかな?」

「どう考えてもお前は悪人寄りだろうが・・・。てか最初に言ってた『暴れて建物ごと吹き飛ばす』ってのもマジだったのか・・・?」

「テヘッ☆あれだぞ?真面目に生きてない奴はお天道様に変わってお仕置きされるからな?」

「おっかなぇなおい!?マジかこいつ・・・いや、まぁそれはそれとして随分と助かったわ。そこそこ工期に遅れが出てたから大助かりだ」


 うん、余計なことは言わないし余計なことは聞かない。なかなか出来た商売人である。人相は悪いけど。


「じゃあこれであの姉妹の借金はチャラって事で・・・受け取りと原本よろしく。表に鉄と回収した木材半分置いて帰るわ」

「いや、手間賃にそれは持って帰ってくんねぇか?・・・これ、受け取りな?てかマジでこっちが追加で払わなくちゃいけねぇ側だけどいいのか?」

「ふっ、口約束でも約束だろ?最後まで契約は果たす、それが男の仕事なのだ」


 木材で事務所を囲ったら面白いかとも思ったがおっさんが途方に暮れて泣きそうなのでさすがに止めておいた。

 鉄のインゴットと・・・木材は太めの角材にしておけばいいかな?てかホント便利だよな錬金スキルと設計スキル(と関連の属性魔法スキル)。リサイクル率100%とかエコ超えてエコエコアザラクじゃね?

 さて、帰って朝飯・・・じゃなくて昼飯だな!



「表に出てみたら大量の鉄のインゴットと磨き抜かれたようなつるつるとした大量の太い木の柱が横たわっていた。何を(ry」(おっさん談)

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