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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
東への旅編

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東への旅編 その13 ダークエルフサンド

「ほーん、そうなんだー」

「もう少し表面的にだけでもちゃんと聞いてあげてますよ的な態度しめそうよ・・・」


 うん、結局大して興味もない話を聞かされてる俺。

 途中で食事休憩(自炊)も挿みつつ聞いた話によると


『食堂を一人で切り盛りしてたお母さんが急に居なくなっちゃったの!あ、誘拐されたとか失踪したとかじゃなくて生活に疲れて若い男作って出ていっただけなんだけどね?お金を稼がないと食べていけないからお姉ちゃんが調理妹がホールで営業を再開したんだけどお姉ちゃん料理が壊滅的でお客さんが一人減り二人減り・・・でも増えたものもあるんだよ!そう借金!気がついたらそろそろ金貨100枚の大台を超えそう・・・このままだと美人姉妹二人共娼館に売り飛ばされちゃう!』


 うん、何と言うか・・・なぜ姉を調理担当にしてしまったのか?妹の方も料理が出来るようには見えないけどさ。

 そもそも飯屋じゃなく飲み屋ならそんなに難しい料理なんて出す必要も無いんだから飲み屋やればいいのに。

 あと金貨100枚の借金とか結構な額だけど高利貸しなの?・・・借用書見ればそうでもないな・・・毎日の仕入れに金貨一枚くらい使ってる?それって普通に客が入っててもペイ出来る仕入れ額じゃないんじゃないのか・・・。


 いや、そもそもサバとアジしか無いのにどうしてそんなに仕入額がかかってるんだよ・・・。姉がフグをさばく練習をしている?

 突っ込みどころが多すぎて交通渋滞起こしてるわ。とりあえず一言で言うならバカじゃないのか。

 焼き魚もマトモに出来ないのにフグ料理とかちょっとした大量殺人鬼シリアルキラーだからな?


 てか『子ブタのロースト亭』どこ行った?

 ああ、少し離れたところにある魚料理屋さんでこの店を買い取りたいって言ってるんだ。

 てか買ってもらえよ!そして何で豚料理屋じゃなく魚料理屋にその名前付けちゃったんだよ!!


「よし、この姉妹は見なかったことにして宿を探そう」

「いやぁぁぁぁぁ!!妹はどうなってもいいのっ!!せめて、せめて私だけでも助けて!!」

「お姉ちゃん!?!?」


 麗しい家族愛だなー。てか脱サラしたサラリーマンが開いた蕎麦屋以上にどうしようもないような店を俺にどうしろと?


「だって・・・あなたなら・・・あなたの料理ならこのお店を立て直せると思うの・・・泊まる所ならうちの二階で・・・その・・・一部屋しか無くて狭くて四人でくっついて寝ないといけないけど・・・」

「た、確かに!あんなに美味しいもの今まで食べたことなかったもん!ね?」


 ね?じゃねぇよ、ね?じゃ。・・・いや、待て、問題はそこじゃない。そう『一部屋しか無くて狭くて四人でくっついて寝ないといけない』の部分だ。

 つまりあれか?ここにお泊りするとダークエルフ姉妹がサンドイッチしてくれるとそう言うことか!?

 なにそのサービス、王都の高級宿でも受けられないぞそんなの!


「・・・ちょっといろいろと考えたいからこんばんはここで泊めてもらおうかな?」

「お主ほんとうにバカじゃろ」



 そして翌日。うん、騙された。いや、騙されてはいないな。確かに四人でくっついて寝たもん。

 でもさ、並びが『俺・蛇・妹・姉』だった。俺に何のメリットもなかった。

 てか二階、一部屋しか無いわけじゃなく二部屋ほど荷物(と言う名の粗大ごみ)でいっぱいなだけだったから一部屋分整理(いらないものを時空庫に放り込んで)風呂とトイレにしてやった。

 てかダークエルフ姉妹、当然風呂になど入ったことはなくむっちゃはしゃぎまくって床を水浸しにしてたけどまぁ俺の家じゃないからいいや。

 妹の方も脱いだらなかなかすごかったことだけは報告しておく。


 んー、どうするかなぁ。別にこのまま知らん顔で出ていくのもありっちゃありだけどなぁ・・・。


「今晩は・・・私の隣で・・・」

「よし、乗りかかった船だ、とりあえず今ある借金をどうにかすることから始めるか!」


 てなわけで(どういうわけだよ)金貸しの元まで案内してもらう。

 決してダークエルフが寝乱れてるのを見て

『隣で寝てれば抱きついてきそう。あわよくばおっぱいくらいは触れそう』

 などと言う煩悩にまみれた理由からではない。

 そう、これは母親に捨てられるという俺と同じ境遇の姉妹を助けたい一心での崇高なる行為なのだ。


 姉妹の飯屋から港方面に向かって歩くこと20分ほど、海沿いの高台にある頑丈そうな建物。


「これちょっとした砦じゃねぇか。ここの領主、よくこんなもの建てるの許可したな」

「うう・・・こわい・・・」


 いや、別にたかが金貸し、借りたものさえ返せばそんなに怖がる必要はないだろう。

 まぁ入り口に門衛と言うか見張りがいる時点で普通の神経ならこんなとこで金なんか借りないよなぁ。


「・・・朝っぱらからなんか用か?」

「むしろ用もなしにこんなとこ来るわけないだろ?あとお客様に対する口の聞き方を一から教えてもらってこいチンピラ。とりあえずそこそこの商談だ、一番偉いやつのとこに案内してもらえるかな?」

「このガキ、口の聞き方を覚えるのは手前ぇの方だろうがあぁん!?この場で隣の姉ちゃんごとボロボロにしてやろ・・・ぅ・・・」

「・・・同じことをもう一度言ってほしいのか?それともさっさと言ったとおりにするか?」


 持っててよかった威圧スキル。てかどうしていきなり喧嘩腰なのかって?

 こう言う連中は変に下手に出ると調子に乗って後々面倒だから。ソースは前の世界の山賊。まぁ山賊も金貸しもそんなに変わらないだろ?

 てか奥に引っ込んだチンピラが戻ってきたのはいいんだけど道具もったチンピラを一ダースくらい連れてきたよ・・・。


「おい、朝からカチコミかけてきたって言うからどんな連中かと思ったら子供と女じゃねぇか・・・てかそいつ、うちで金借りてるおやっさんの女だろ?こんな時間に借金の返済か?」


 特に面白いことは言ってないのにドッと笑うチンピラーズ。これがジェネレーションギャップってやつなのだろうか?

 ちなみにダークエルフ姉、生まれたての子鹿みたいにプルプル震えながら顔真っ青にしてな。褐色の肌プラス血の気の引いた肌でどっから見てもアンデット色になってて多少気持ち悪い。


「あ、姉はもう帰っていいよ?とりあえずその借金の証文だけ預かるから。あ、朝飯は適当に・・・何か食材買って帰るから何もしないようにな?いいか?何もしなくていいからね?」

「お魚なら・・・毎日仕入れてるからとどいてますよ?・・・焼いておきましょうか?」

「絶対に何もしなくていいからね?もしも帰って焼き魚があったらそのままおいとまするからね?」


 何が悲しくて朝っぱらから生臭い炭を食わなきゃならんのだ・・・。

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