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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
東への旅編

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東への旅編 その11 ディー○リットの次はピロ○ースか!

 そして徒歩五日で到着したのは


『港町エルドベーレ』。


 この世界に来て初めての海のにおい!

 ・・・そんなに好きでもないんだけどね?あ、海自体は大好きだから。もともと日本では海無し県の出身なので何となく意味もなしにテンション急上昇!波の音最高!

 てか東都から王都や北都を往復する旅人は多いけどさすがに東都からさらに東に向かう人はそんなに多くなく・・・まぁいつも通りイベントもなしに到着である。


 山賊?わざわざこんな荷物も少ない上に胡散臭い二人連れ狙うメリットがないだろう。この国では奴隷は(建前上)認められてないから人攫いするメリットも薄いしさ。

 ちなみに今回の目的地はここではない。なぜなら目指すのは『最東端』なのだから。

 ここからさらに南東に三日ほど進んだ位置にちっさい村があるらしいんだけどこの際だからそこに立ち寄っておきたい。


 今回は街に着いたら直ぐに食料の補充から始めるんだ・・・。後半二日は肉っけもパンも無くて野菜生活だったからね?ミヅキは特に文句もなく食べてたけど。蛇って肉食じゃないの?てか俺の中ではそこそこの引きこもり幼女だと思ってたんだけど旅に出てから案外いつも表情が柔らかい気がする。よくわからん蛇だ。

 まぁまだ昼過ぎだしな、買い物の前にまずは昼飯だ!


 街なかに入って少し歩いた後目についた食堂に飛び込む。うむ、店員は若い娘さんか。白髪でちょっとキツめの目元、育てば結構な美人さんになりそう。

 日焼けした肌を惜しみなく晒した感じが実にいい。もちろん裸じゃなく普通に腕と脛が見えてる程度だけどね?


「えっと、この店のオススメってか今日のオススメって何かな?」

「いらっしゃい!そうだねー、今日のおすすめはサバの焼いたのかアジの焼いたのかな?」


 何その『焼いたの』とか言うざっくりした名前の料理。せめて塩焼きとか言って欲しいところだな。


「んー、じゃあ・・・牛か豚か鶏にしようかな」

「いや、うち魚料理しか無いんだけど・・・」


 マジかよ!あれだぞ?孤○のグ○メでも海沿いの町なのに肉食ってるご時世だぞ?

 そして日本人(今ここで居る日本人は俺だけなので俺の思い込み100%だけど)はパンに魚はあんまり合わせないんだぞ?

 フィッシュバーガー?エビカツバーガー?てかエビカツのエビってちっちゃいのがイッパイ入ってて断面を見ると幼ち(ry


「くっ・・・な、ならアジフライとかは?」

「なんだいそれ?」


 ないかー・・・そもそもこの世界でも前の(異)世界でも揚げ物自体ほとんど見たこと無いしフライって一般的じゃ無さそうだもんなぁ。

 てかむっちゃ『こいつ何?冷やかし?それとも嫌がらせ?』みたいな目で見られてるんだけど。客商売がそれでいいのかと。


「なら・・・サバの塩焼きで。ミヅキもそれでいいか?」

「うむ」

「はいよ!サバの焼いたのふたつねー!!」


 だから塩焼きと言えっていってんだろうが!その『焼いたの』って表現が俺にそこはかとない不安感を掻き立たせるんだよ!!

 そしてしばらくして食卓に並ぶ・・・黒っぽい魚。


 あれー・・・俺の知ってる『サバの塩焼き』とは違うぞー・・・。

 まぁ切り身じゃなくてそのまま出てきたのは仕方ない・・・のか?

 内臓も抜いてる感じがしない(内臓を内蔵)し、そもそも焼き過ぎである。


 もうね、完全に店選びから失敗してるよねこれ・・・。


「えっと、そこの娘さん、この店は俺に何か恨みがあるのか?」

「ん?初めてくるお客さんに恨みなんてあるわけないじゃん?」

「だったらこのあきらかな手抜き料理はなんだよ!!てか表面積の三分の一くらいが炭化した魚はそもそも料理ですらねぇんだよ!!」

「・・・あんた、やっぱり『子ブタのロースト亭』の嫌がらせだね!?」


 なんだよその旨そうな名前の店!?その店是非とも紹介しろよ!!


「ほう、いいだろう、文句があるならおごってやるからお前がこれを食え、もちろん残さず二人前全部な」

「うっ、いいよ!食べてやろうじゃないか!!あとで吠え面かくんじゃないよ!!」


 自分の働いてる店の料理を食べる前の反応としてそれは果たして正しいのか・・・?

 そして結果であるが


「・・・ごめんなさい・・・もう無理です・・・」


 一皿目の三割くらい食べた所でギブアップしやがったぞこいつ。早すぎだろ、もう少し頑張れよ・・・。応援に松○修○連れてくんぞ?

 いや、まぁお腹から生焼けの・・・これ以上はSAN値が下がりそうだから止めておこう。


「ほう、ならこの料理は俺に対する嫌がらせでお前が妙な言いがかりを着けてきたと認めるんだな?」

「・・・ううう・・・ううううう・・・だ、だっで・・・お、おね、おねえぢゃっ・・・んっがっ・・・いっしょうけんみにっ・・・」

「お前、ここで泣くのは卑怯だぞ!?回りのお客さんが見て・・・回りに客なんていねぇな?」


 俺とミヅキ以外誰もいないし入ってくる気配もないんだけど。


「あれ?これ、もしかしてクソマズイ店に勝手に入って文句を言ってる俺の方がオカシイ感じか?」

「・・・なんかこう、申し訳ありません・・・クソ不味くてごめんなさい・・・」

「うおう!?えっと・・・調理担当のお姉さん?」


 うん、先日会った公爵令嬢が『金髪エルフ』だとしたらこちらは『白髪ダークエルフ(ばいん)』って感じのお姉さんのご登場である。

 正直に言おう。むっちゃ好みであると。


「じゃあ約束したし俺の奢りでいいからお会計お願いします」

「あ、あんたこの状況で何も聞かないでさらっと帰っちゃう感じなんだ!?」

「だってお前の泣き方どうみても嘘泣きだったし」


 好みであろうとなんだろうと厄介事に自分から足を突っ込む気は無いんだよなぁ。


「あ、ついでに子豚のロースト亭の場所教えて?」

「うわぁぁぁぁぁぁぁん!」


 あ、今度はホントに泣きやがった・・・。

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