王都公爵邸編 その26 不治の病
ヨド○シカメラのゲーム売り場で駄々をこねる小学生のように「もし無理ならクーリングオフも可能だから!」と、なんとか今日中に契約(じゃなく、婚約だな)に持ち込もうとする王女様。
いや、王族との婚約をこっちから破棄とか出来るはずないだろうが・・・。
そしてその攻撃(大の字でジタバタ)が効くとわかればもう二人くらいは同じ行動に出てやろうと成り行きをじっと見つめてるからね?
・・・てかまぁアレだろうな、全部演技なんだろうと思うけど。
恐らくはこちらから何らかの譲歩を引き出すために無理して大人気ないふりを
「よし、ならこうしよう、婚約は一旦置いておく、だからとりあえず同棲、そう、同棲生活から始めようではないか。もちろんアレだぞ?お互いの合意の上ならそう言うのもアリだぞ?むろんその・・・あ、愛し合った後捨てられたとしても私からすがりついたりはしない、でもその時お前の良心はどうかな?そう心優しいお前のことだ、きっと心苦しくなるだろう?なら最初から私が嫁だったとしたら?ああ、何の問題もなく毎日イチャイチャ出来るわけだ。これはお互いにとってメリットしかなくないか?」
してる・・・様にも見えないんだよなぁ。いや、ホントに必死過ぎるだろこの人。
もういっそここは「俺、この人が好きなんです!」って蛇のこと抱きしめちゃうか?そしたら「あ(察し)」って。
・・・なったとしても受けるダメージが大きすぎるなコレ。
不治の病扱いされながらこの先生きのこるのは少々厳しすぎるもん。そもそも蛇は人じゃ無かったわ。
じゃあ姫騎士様を利用?駄目だ、あの子はあの子で完全に既成事実として広めていかれそうな気がする。何故だか若がし・・・お父さんもそこそこ乗り気みたいだから取り返しがつかなくなりそうだもん。
それに問題点は『人か人じゃないか』ではなく『不治の病扱いによる他人様の視線』の方だから。そもそも俺は年上が好きだっつってんだろうが!
なら『アリシア殿下はアリ』なんじゃないかって?いや、王族とかおかしすぎるからね?いつの間にか勝手に子爵様扱いされてるけど俺ど平民だからね?
よし、今日の所はモノで釣ろう。
よーしよし、君にも石鹸をあげようじゃないか?『ピクッ』ん?石鹸だけじゃ少しさみしいかな?ならオマケにシャンプーもつけよう!『ピクピクッ』ふふっ、今日はさらにバスローブもおまけしようかなー?なんと今ならシャ○専用(赤い色)に染めることも可能ですよ?ん?コーラも欲しい?炭酸が抜けないようにガラス瓶に密封してプレゼントしましょうか?『パクッ』よし、ヒット!
なぜか王女様だけじゃなくリリアナ嬢の分のアメニティも用意させられたがなんとか揃ってお帰り頂けた。ちなみに追加のご注文は有料になりますので悪しからず。
ふぅ・・・なんとか一息ついたな。騒がしかった部屋もやっと俺一人。・・・じゃないんだよなぁ。
「・・・帰って?」
「あなた、仮にも主に対してその言い種はどうなのかしら?」
だって完全に、あの人に関してはもう20歳なんだから日本人の感覚でも成人してるいい大人に小一時間駄々を捏ねられたんだよ?そりゃ性も根も尽き果てるだろうさ・・・。
「大体いくら公爵家、百歩譲って俺の視察?偵察?に来たからと言ってああまで露骨な態度で様子をさぐるとかおかしいでしょう?まぁこちらも最大限の譲歩はしましたし、しばらくは放っておいてくれると良いんですが・・・」
「・・・何か勘違いしてるみたいだけど、アレはあの人の素よ?年齢的に本気で焦ってるもの。まぁ私も人のことを言ってられるような余裕はないのだけれどね?余裕は、無いの、だけれどね!?」
「そんな話聞きとうなかった・・・」
てかそもそも何で俺なんだよ!・・・いや、分かってるけどね?フィオーラ嬢には色々見せちゃってるし。もちろんお○ん○んの話ではないぞ?
精霊様が見える(話せる?)事に魔水晶の作成、各種魔法も取り揃えてますって言われたらお貴族様としては側に置いておきたくもなるだろう・・・。
リリアナ嬢の方はもっとわかりやすく治療法の分からない病気(病ではなく祟りだったけど)を治して貰ったからだろうし、王女様は・・・そうだな、あの人に関しては本当にまったくわからん。
まぁ俺だって男なんだからあれだけの美女美少女、それも憎からず想ってる相手に求められるのは嬉しいよ?でもさ・・・恐いんだよね。
なにかの拍子で裏切られるのが。
もちろんこの女性がそんな事するなんて思ってないけどね?・・・いや、きっと思ってるんだろうな・・・。
信じてる信じてるなんて言いながらどうせいつかは裏切られるんだろうと。
あれだ、ハリス君のおかげ(?)でこの世界に来てからかなり思考がポジティブ(能天気)になってるけど根本に有るのは使い潰されて自死しちゃうような人間だもの。
そしてもう一点凄く重要なのが
『俺の恋愛経験値が0』
だと言うこと。
そうだね、ただ臆病なだけだね。
『最初から愛を知らなければ無くしても寂しくなることはない』
みたいな捻くれた物語ばかり読んでいたのと
『男も女もスキあらば浮気する』
みたいなドラマしかやって無かったテレビ番組。
そう、それもまるでそれが美談みたいに。いや、バレたら裁判沙汰なのに頭おかしいんじゃねぇの?
そう、俺が恋愛に対して前向きになれないのはすべては日本のマスメディアの責任なのだ!!
ん?ただの臆病なDTだろうって?・・・ま、まぁ、そうだね、その通りだけどね?
この際いっそのことスッパリと娼館で済ませてしまうか?でもなぁ、まずお店に行くのがなぁ、恥ずかしいもんなぁ・・・。
うーん・・・うん?
いや、しかし・・・いけるかも?
あれだ、行くのが恥ずかしいなら自分で経営してみるというのはどうだろうか?
なんかこう『とてもクリーンで働きやすいアットホームな職場です!』みたいなそれらしい理由を付けて超高級店とかにしちゃえば銀座とかキタとかの高級クラブみたいな貴族の社交場として・・・てか飲み屋が作りたい訳じゃないしなぁ。
そもそも公爵家の使用人が風俗店の経営とか出来るはずもないしね?ご当主に小一時間どころか2、3日問い詰められるわ。




