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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
北都公爵邸編

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北都・公爵館 その9 やっぱり消えてなかった精霊様!!

「・・・それで、光の魔水晶はどこから入手したのですか?」

「えっと、昨日Cさんが寮の裏手の小屋の整理をされてまして」

「シーさん・・・とは誰でしょう?」

「あ、Cさんは仮名で本名はしらないです・・・。使い終わった魔水晶の管理と言うか破棄の担当のメイドさんらしいです」


 と、昨日有ったことを一から説明――するとややこしくなりそうなので少しごまかしてみる。


「で、その小屋の使い終わった欠片の中に偶然光の魔水晶が」

「有るわけ無いでしょう・・・。ハリス、光の魔水晶がそもそもどういうモノか知らないのではないですか?」

「使い勝手の良い照明器具?」


 おおう、可哀想な子を見るようなメルちゃんの瞳が・・・とても心地良い。

 ん?いきなり女騎士ちゃんが出てきた?いや、最初から部屋に居たよ?


「あなたは私と居てもちょくちょくメルティアと見つめ合いますよね。何ですかそれは二人が通じ合ってる意思表示か何かなのですか二人して私のことを」

「お、お嬢様、今は魔水晶のお話の続きを・・・」

「・・・そうでしたね、少し取り乱してしまいました。それで、光の魔水晶ですが・・・そもそも希少すぎてこの国でそうそう出回るような物ではないのです。例えるなら小指の先くらいの大きさの光の魔水晶一つで治療に神薬エリクサーが必要なほどの大怪我を治療することすら可能としますので」

「おおう・・・」


 そんな大げさなものなのかよアレ。

 てか流石に存在しない物が倉庫から見つかったでは通るはずがないよな・・・。

 小指の先どころかちょっと大きめのスーパーボール大のヤツ食っちゃったよあの精霊子グマ。


「それで、その光の、魔水晶は、どこから、入手したの、ですか?」


 怖い怖い怖い!開いてる!瞳孔が開いてるから!


「え、えっと、作りました」


「・・・」

「・・・」


「はい?」

「ですので割れた魔水晶の欠片を生成と言うか精製?して魔水晶を作ってそこに魔力操作で光魔法のエキスを注入です」

「光魔法のエキスとは一体・・・。言っていることが非常識過ぎて理解が追いつきません・・・メル、少し代わって下さい」

「ふぁっ!?わ、私がですか!?」


 えー・・・おそらくこの国でも最上級に優秀なお嬢様が理解できない事をポンコツ女騎士ちゃんに交代して取り扱えとかとんだいじめっ子じゃねぇか・・・。


「メルちゃん、むっちゃ目が泳いでるよ?」

「馴れ馴れしい呼び方をするんじゃない!そして目など泳がせていない!むしろどっしり構えすぎて沈んでいってるくらいだ!」

「それ泳いでる通り越して溺れてるじゃん・・・」


 てことで事情聴取には大した役に立たなかったメルちゃんではあるがお嬢様が落ち着くための時間稼ぎにはなったようで。


「・・・つまりあなたは属性の付いた魔水晶を廃棄物から生産することが出来ると言うのですね?」

「出来ると言えば出来ますし出来ないと言えば出来ないといいますか」

「出 来 る の で す ね ?」

「イエス・ユア・ハイネス!」


 魔水晶、前の(異)世界にあった魔石(魔道具を動かす為の電池程度の存在、大きくなると希少価値は上がったが銅貨数枚から買える)のちょっとした上位互換程度の物だと思ったら想像以上の価値があるモノだったよ・・・。

 そして何事かを考え込むフィオーラ嬢の隣からポンコツ娘が


「お嬢様、この男の発言だけで信じるのはいささか早計なのでは?」


「・・・えっ?」

「・・・ええっ!?」


「な、何か変な事を申しましたでしょうか?と言うか貴様は何をそんなに驚いている?」

「メルちゃんが・・・頭の良さそうなこと喋った・・・」

「よし、すぐに表に出ろ、決闘だ」

「えー、嫌だよ面倒くさい・・・」

「貴様と言う奴は・・・騎士の決闘を何だと」

「メルティア、少し煩いですよ?」

「申し訳ございませんお嬢様」


 ふっ、怒られてやんの。

 ニコッと微笑んで見つめたらむっちゃこめかみに青筋が立ってた。


「でもメルの言うことも一理ありますね。その倉庫とやらから魔水晶の欠片をもってこさせれば作成出来るのですね?」

「あ、材料はまだ手持ちがありますから大丈夫ですよ?」

「・・・特に何も持ち歩いている様には見えませんが?」


 ・・・そりゃ時空庫にいれてるもん持ち歩いてはいないさ・・・。


「ず、ズボンのポケットの中に」

「何かが入っているようには見えません」

「男の子の下半身を確認してるなんて!お嬢サンドウィッチ!」

「何を言っているのかわからないです」

「やっぱり材料がないです」

「やっぱりって何ですかやっぱりって・・・子供じゃないんですから諦めて出しなさい」


 いや、普通に見たまま子供なんですけど?

 仕方ねぇな!ポロン(時空庫からガラスの欠片を出す音であって断じて他の『モノ』を出した訳ではない)


「・・・」

「・・・」

「ええと、今、急にそれが現れた様に見えたのですがどこから出しました?」

「ハンド的なパワーと言いますか」


 ハンドパワー、いわゆるひとつの腕力である。そうだねプロ○インだね!


「おそらくは・・・時空庫ではないかと思われます」

「直感的に物事を把握する能力だけは凄いなあんた!?さすが野生の騎士!!」

「ふふっ、そうだろうそうだろう」

「メル、あなたまったく褒められてはいませんよ・・・」


 まぁ本人が嬉しそうなんだからいいじゃない。


「ハリス、時空庫というモノがどういう・・・いえ、今はいいです」

「お、おう」


 その後幾つか属性の魔水晶を連続で作らされ、危なくMPが底を尽きそうになった。いくつか(二桁)だからね?

 いい仕事したなー、そろそろお部屋に戻って二度寝とかした


『オー!オオー!』

「現れやがったな諸悪の根源!」


 また壁抜けて来やがったなコイツ。

 ご機嫌な様子で走ってきたのでまた魔水晶が食べたいのかと思ったらそう言う様子でもなくピョコンっと俺の膝に飛び乗って寝転ぶ。

 ・・・クマって言うか犬みたいだな。かいぐりかいぐり。


「精霊様をその様に呼ぶとは何事ですか!ご無事で何よりです精霊様」

「えー・・・御主人様も途中から精霊子グマの事忘れてたって言うか魔水晶の方が気になってたじゃないですか・・・」

「そ、そんな事はないです。ええ、あろうはずがないでスッ・・・」

「なら何故目を逸らす」

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