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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
北都公爵邸編

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北都・公爵館 その7 ん?俺の隣で寝てるよ?

「えっと、そのですね」

「・・・好き」

「なんでやねん」


「だって、魔水晶、それも属性持ちの魔水晶が作れるなんて見たことも聞いたこともないですよ!?ハリスさんは何なんですか!?大魔道士様!?賢者様!?ダーリン!?」

「ダーリンだけは無いです。てかこの世界の女の人みんな即物的すぎじゃないですかね・・・」

「良いですか?お金があってこその愛情なんです」

「世知辛い!」


 てかホントに何か(トイレとか風呂とか生活環境の改善的なモノ)に集中すると周りが見えなくなるのどうにかしないとそのうち痛い目に合いそうだな。

 もうすでに合ってる?深く考えちゃ駄目だ、それなりに凹むから。


「ちなみに属性付きの魔水晶ってお幾らくらいです?」

「その大きさでその色合いなら金貨10枚はくだらないかと」


 おお!これ200個作れば借金完済出来るじゃん!てかCさん物知りだな。


「もともと魔水晶を扱っている商家の娘ですので」

「あ、そうなんですね?」


 そして表情読まれすぎだろ俺。とりあえずお給料が入ったら美味しいものでも奢ると言うことで口止めはしておいたけど・・・だいじょばないだろうなぁ。


 別れ際に


「今日のことは二人だけの秘密ですよ?」

「はい、旦那様」

「いや、違うからね?」


 などという小芝居もはさんだけれど今度こそ自室である。

 収穫は色々とあったけど(自分の不注意によりCさんに対して)情報の流出があったのが少し痛いところ。

 まぁ総合的にはプラス評価のはず。人間、上とか前とか向いて歩くべきだからな!そして何かに躓くのもまた人生なのだ。


 他にも色々と試してみたいので小屋にあるガラス片を分けて貰えないかと聞いてみたら廃材でしかないし引き取りに来るのはCさんの親御さんので特に問題なく使っても良いと許可が貰えた。てかCさんが管理者なので好きに使ってもOKと。

 ちなみに何かに再利用されているのか聞いたら特に何にも使えないとのこと。

 色が悪いので普通のガラスとして再利用も(俺と同じことが出来るスキル持ち以外には)難しいらしい。


 で、魔水晶というか属性付き魔水晶である。

 錬金術スキルを覚える時に全属性制覇している俺に全くスキは無いのだ!!・・・ごめんなさい、スキだらけですね、はい。

 とりあえず先ほどと同じ『5cm大の空魔水晶』を5つ作って『火以外の残り5属性の属性付き魔水晶』を作る。

『水の魔水晶』と『風の魔水晶』は水色と緑色が魔水晶の中でゆらゆらと揺らめいている。そして『土の魔水晶』は・・・磨き抜かれた泥団子みたい。頑張れよ土!お前ももっと漂えよ!!


 てか闇の魔水晶は一切光を通さない塗料みたいな黒さ?ガラス玉なのにツヤが一切無いのは何故なんだ?小さなブラックホールみたいでちょっと怖い。

 反対に光の魔水晶は明るい。むっちゃ明るい。白光色とか昼光色とか目じゃない。眩しい。

 ・・・これはもう部屋の灯りに使うしかないんじゃなかろうか?


 だってオイルランプってあまり明るくないんだもん。光の魔水晶と比べたら江戸時代と令和くらいの差があるからね?

 油も電力も消費しない上に置いておくだけなら込めた魔力も消費しない上に発熱もなしというトーマスも真っ青な安心安全な永久機関なのである。

 トーマス、もちろん機○車じゃなく発明王の方な。

 ・・・爆発とかしないよね?大丈夫だよね?また明日にでもCさん聞いてみ


『オー!オーオーオー!』

「ほわっ!?何!?悪霊の奇襲攻撃!?!?!?・・・って子グマ、じゃなくて精霊子グマかよ・・・いきなり壁を突き抜けての入室とかお前の教育どうなってんだよ・・・」


 マジ驚いて心臓止まるかと思ったわ!自由が過ぎるだろこの子グマ・・・まぁ愛らしいから許すけど。

 秘密だが昔からコ○ラッ○マとか園○くんとか大好きな俺である。てかいきなり壁もガン無視して走り込んできたけど、この子何かご用なの?


『オー?オー!オーオー!!』

「いや、わからないからね?通じてるようで通じてないからね?」


 それでなくとも不思議生物相手なのに『オ』だけで会話が成立するわけないんだよなぁ・・・。

 うん?光の魔水晶の方に指ってか手を向けてバタバタしてる?


「魔水晶?欲しいの?」

『オー!』


 何だろう?何か儀式に必要だとか?まぁ別に材料さえあれば幾つでも作れることがわかったしいいんだけどさ。


「精霊様がそんなモノ何に使うんだか。別に持ってっていいぞ?」

『オ?オオー!!』


 嬉しそうに目を細めて差し出した光の玉を手に取るクマのヌイグルミ。

 そして両手で掴むと顔に近づけ・・・カリカリと


「食うんだ!?てかそれ食えるんだ!?何?ガラス玉食べるとか精霊のかくし芸かなんかなの?」

『ムフー』


 てか食うの早ぇなおい。ん?両手広げて何だ?抱っこして欲しいのか?いや、別に構わないけど。

 おおぅ・・・何だこの極上の猫っ毛も微笑みながら素足で海辺を駆け出しそうな毛並みは・・・全身妙に柔らかいけど骨とかどうなってんだろうか。


 まぁ生物じゃなく精霊だしそんなモノなのか?知らんけど。

 てか寝てるよねこのクマ。食ったすぐに人に抱きかかえさせて寝るとかまさに傍若無人だなコイツ。

 そんなクマにはお仕置きが必要だな・・・。


 ・・・

 ・・・

 ・・・


 トントントン

 トントントン


 ・・・何?朝っぱらから北○三○?


「ハリスさん、起きてらっしゃいませんか?ハリスさん」

「・・・ん?ああ、はい、起きてらっしゃいません」

「そうですか、では後ほど・・・って起きてますよね!?」


 おそらく扉越しの声はAさん。案外ノリの良い子である。


「もう、お嬢様がお呼びですよう。何でも精霊様の事で大至急お話があるとか」


 精霊?精霊子グマなら俺の隣で(口開けて大の字で)寝てるけど・・・。

 もうね、すごかったよ昨日のこいつ・・・極上の抱き枕だった。こんなにぐっすりとぐっすり(グッドスリープ)したのは何時ぶりだろうか?

 てかこんな朝っぱらからお呼び出しってなんの用だろうか?


「了解しました、すぐに向かいますね」

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