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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
北都公爵邸編

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北都・公爵館 その4 ジーク・児院!

「はぁはぁ・・・」

「ふぅふぅ・・・」

「いや、ホントもう勘弁して下さい」


 ちょっと口を滑らせたばかりに・・・目の色の変わったご令嬢主従に屋敷内外を追い回されること小一時間。

 いいか?女性におっぱいの大きさの話はしちゃいけないからな?おじさんとの約束だぞ?


 一般生活において女の子と胸の話をする機会なんてあまりないと思うけれども。ストップ!セクハラ!

 流石に走り疲れたのか庭(って広さじゃないけどね?日本の都市部にある広い公園レベルの敷地面積だし)の天然芝と言う名の・・・雑草の上にへたり込む二人。

 俺?俺はほら、HP高いから平気。スタミナ○郎もびっくりの持久力なのだ。


 教訓:持つものの前で持たざるものの話はしちゃいけない。人命に関わる。


「あ、あなた・・・いったいど、んな鍛えか、たしてるのよ・・・」

「うう・・・騎士なのに私騎士なのに・・・こんななまっちろい子供に追いつけないなんて・・・」

「いや、女騎士ちゃんは(昨日着てた物よりは軽装だけど)鎧着てるし仕方ないよ?」

「その不愉快な呼び方を止めろ!後なんとなく上から目線なのが気に入らない!」


「えー・・・ならメルちゃん?」

「それはそれで何となく業腹だから止めろ!!」

「なんだよ、このわがままさん、いやわがままボディさんめ。・・・メルちゃん?とりあえず剣の柄から手を離すんだ」

「問答無用!」


 さらに小一時間女騎士ちゃん改めまして『メルちゃん』の剣を避け続けることになるのだった。

 まぁあれだ、勇者になったすぐの、和気あいあいと練習場で剣術を教えてもらってた頃を思い出して・・・少し楽しくなっちゃってテンションが上がってしまったらしく・・・如何に動かずに躱せるかやスキを見て相手の急所に打ち込めるかの確認などなどしてた。


 もちろん打ち込みはしてないけどね?こっちは素手だしさ。てか案外戦闘狂だったのかもしれないな俺。

 そしてスキルは無くとも頭と体が覚えている動きが出来るのは基礎能力値が高いからだろうなぁ。


 てかこの子・・・剣に殺気こもってるんだけど?それ以前に急所狙いに来てるしね?

 急所と言ってもお○ん○んじゃなくて首とか目とか心臓とか足の付根とか・・・おち○ち○も狙われてるじゃん!!

 聖女様が隣りに居たとしても即死攻撃は癒せないと思うんだけど?流石に少しからかい過ぎたか・・・。


「カヒュッ・・・カヒュッ・・・」


 精も根も涸れ果てたと剣を投げ出し大の字に寝転ぶメルちゃん。

 喉から変な音してるしヨダレ出てるし女の子が人さま(特に異性)に見せていい顔じゃなくなってるよ?一応ダブルピースとかどうでしょうか?


「・・・いや、ホントにあなた、一体どんな鍛え方してるのよ?まだまだ若いけれどメルティスは国内でも有数の騎士なのよ?」

「ふっ・・・若い頃に・・・いろいろありましたので・・・」

「・・・あなたの若い頃って年齢一桁よね?何なの、孤児院ってそんなに生存競争が激しいの?修羅の国なの?もしかして児院軍とか創設したら世界制覇も夢じゃない?」


 そこそこ本気の顔で悩みだす(悪役)公爵令嬢様。

 何だよ児院軍って。サン○イズとか色んな方面からお叱り受けそうだから止めてね?

 そして公爵令嬢は世界制覇とか狙ってらっしゃるんですか?ちょっと関わり合いたくないので勘弁して下さい。


「さて、いい運動もしましたし・・・てかこんなとこで遊んでる場合じゃなく何か御用だったんじゃないんですか?」

「別に遊んでた訳じゃない・・・いえ、どう見ても遊んでましたけれども。あなたに言われるとまったく納得行かないわね・・・」


 ちなみに御用はこれからのお屋敷での生活と言うか俺の業務の話だった。

 基本的には午前中は作法礼法を学び、午後は自由時間兼お嬢様のお呼び出し待ち。

 思った以上にこれと言ってすること無いんだけど?まぁ忙しいよりいいか。時間的な余裕はとても大切。


 ここでの何か新しい経験値稼ぎの方法も考えないと・・・こんだけ庭が広いんだから当面は草むしりでいいかもしれないな。

 街なかでは見ない草花とか樹木とかいっぱいあるし、何らかの素材も集められそう。てか我ながらざっくりし過ぎだろう『なんらかの素材』って。



 さて、業務内容も決まり『職業:お嬢様のヒモ』じゃ無くなったので精神的にも楽になり呑気に鼻歌なんぞ歌う『体は少年、中身は精神的には少年でありたいと常々思っている中年』の俺。


「うん、孤児院にいた頃とは違う意味でキツイ。早急にどうにかしないといけない」


 さっきまで鼻歌とか歌ってた癖になんでいきなり追い詰められてるんだよ・・・。

 そう、思い悩んでる原因・・・今回もトイレの事なんだ。

 だってさ、ここ(昨日引っ越してきたメイドさんの寮)で暮らしてるのってほとんどが妙齢の女の子じゃん?

 わざわざ公爵家に奉公に出るような子達だから全員そこそこ以上のルックスとスタイルをした。


 で、トイレ。

 寮の端っこで一応屋内にあるんだけどね?小綺麗にはしてるけど壁は薄いし穴が開いてるだけなのは孤児院もそんなに変わらないわけだ。

 勘違いされると非常に嘆かわしいので先に言っとくけど俺には『排泄物愛好』の趣味は全く無い。

 全く無いのだが・・・俺が入っている時に誰かが隣に入ったりしたら非常に気まずいんだよ!!

 ちょっと詳しくは語れないけどね?音とか。あと音とか!!うん、いろんな音がするんだ。


 あ、ちなみに紙はないけれど木片ではなくボロ布を使用してました。使用人でもボロ布、さすがに公爵家の財力である。

 まさか公爵様も知らない子供にう○こ関連の事で褒められるとは思いも寄らないだろうな。

 でも量は少ないから結構使い勝手が悪かったりする、まぁ俺には自作のトイレットペーパーがあるけどな!


 そう、基礎能力値も上がり『落し紙』ではなく『ロールタイプ』のトイレットペーパーが生産できるようになったのだ!

 ・・・でもね?アレって引っ掛ける所がないとクルクル出来ないじゃないですか?むしろコロコロ転がっちゃうじゃないですか?だからまだ落し紙を使ってるんだ。


 てかさ、大きなお世話だと思うけどボロ布ってそんなにサイズが大きい訳でもないし、そんなに量がある訳でもないから使用に際してはかなりの技術力が必要なんじゃないかと思うんだ。

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