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【書籍化】 使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
新しい同居人編

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新しい年編 その21 後始末と凱旋パレード(お立ち台)

 王国軍、皇国軍に関わらず、死者をこのままにしておくわけにもいかないので軍の出立準備が整うまで俺は死体の回収をすることに。

 後で疫病とかアンデッドが発生したら大問題だからさ。

 ウサギさんに埋めてもらえばいいのに?

 いや、今回は王国軍の兵隊さんの遺体もあるから・・・。

 味方だった人たちはせめてご家族の元まで帰ってもらいたいじゃん。


 それが終わればいよいよ王都へ帰還!・・・とはならず、先に反乱貴族の討伐に向かわないといけない。

 だって反乱貴族の10割が王都周辺の小貴族だったから。

 国の隅っこならまだしも中央にいる反乱軍をそのまま放置してはおけないからね?

 いや、王家の求心力とか大丈夫なのかこれ。3家の上級貴族が収める地方からはまったく裏切り者は出てないんだよ?


 王国軍がそれら反乱軍の残党の領地に近づけばもちろん降伏と言い訳の使者が次々と訪れる。・・・が、当然のように門前払いならぬ門前斬首にされる。

 今回みたいな上から下まで一致団結しなければならない国難の状況で反乱を起こすような人間に与える慈悲などないのだ。

 さすがにその貴族家の友人知人遠い親戚連中も庇い立てする様な人間は一切居ない。下手をすれば自分含めて一族郎党まで巻き添えになるから。


 そんなこんなで反乱貴族の立て籠もる防御が施された屋敷の攻防戦。

 城塞都市とかじゃないから領地の領民なんかはほとんど逃げ出して領内は閑散としてるんだけどね。

 帝国軍戦、皇国軍戦とともに活躍の場が無かった『王家の守り神たる赤虎』・・・のコスプレをした茶トラにゃんこが『あちしはいらない子なのかニャ・・・?』みたいな顔でアリシア王女の頭上からこちらをチラチラとみている。


 しょうがないにゃぁ・・・焼き払え!!

 てことで少々勿体無いが貴族連中が立て籠もる屋敷ごと綺麗サッパリ焼き尽くしてもらった。縁起も悪そうだしね?


 せっかく戦争を生き残った兵隊さんに最後の最後で無駄に怪我人も死人も出すのはつまらないもん。

 結局追加でひと月ほど王国軍の移動と反乱軍の討伐(鎮圧じゃなく討伐)に費やし・・・やっと王都に凱旋だ!!

 いや、油断した前例が有るので毎日王都までフィオーラ嬢の様子見に戻ってたから全然懐かしさとかは感じないんだけどね?


 最初は功労者ってことで俺が先頭で門をくぐる予定だったんだけど


「いや、ほら、うちの子たちって少々見た目が特殊じゃないですか?威圧的と言いますか」

「威圧的と言うかどっから見ても魔王軍だよね?」

「そこそこボロボロな状態の王国軍を引き連れて王都に魔王軍っぽい集団が先頭で入っていったら住民が軽く半狂乱状態になりません?」

「・・・否定しきれないのがなんともかんとも・・・」


 てなわけで真ん中で、黒馬車に飾り付けをして天井にお立ち台を作り、そこにアリシア王女を据えての帰還となった。


「当然ハリスも妾の隣に立ち民衆に手を振るのだろう?」

「逆に聞きますけどどうして俺がそんなこっ恥ずかしいことをするとお思いになったのです?」

「いや、妾にはやれと言っただろうが!?えっ、お前は自分がするのを躊躇うような行為を妾に押し付けるのか?」


「大丈夫ですよ、殿下は普段から赤いんですからいまさら少々の事では王都民も動じないでしょうし。あ、ついでにポワポワした感じの扇子とか持ちます?」

「ちょっと待て、えっ、妾、赤いドレスがすごく似合ってるよね?別に恥ずかし格好じゃないよね?」

「まぁ似合ってるんじゃないっすかね?」

「返答がとてつもなく投げやりだな!?」


 ちなみにこの日は『赤いボディコンに大きいピンクの扇子』と言うバブル真っ盛りな衣装ではなく、俺が修理改造した、むしろ原型など一切留めていない『真・深紅の鎧(例えるなら赤く染めた鳳凰の神○衣)アリシアversion』を着用して黒馬車の屋根の上に立ってもらった。

 うん、俺なら絶対に無理だわ。男として、そして1人の人間として恥ずかしいもん。


「ところでこの羽みたいなモノは何の意味があるのだ?」

「このボタンを押すと広がりますよ?」

「いや、妾は仕掛けの話をしているのではなく鎧に羽が存在する意味合いの話をしているのだがな?そしてそのボタンをどうして妾ではなくお前が持っておるのだ!」

「だっていきなり開いたり閉じたりパタパタしたら面白いじゃないですか?・・・じゃあ飛べます」


「おそらく鎧に面白さは求められていないと思うがな?あと適当な思いつきで答えるんじゃない!」

「すでに馬車の天井に乗っておいてめんどくさい人だなー・・・じゃあ横もれ防止で」

「あれだぞ?そこそことうのたった女に『めんどくさい』は一番の禁句なんだからな?あと横から何が漏れるというのだ・・・」


 本人は羞恥で衣装だけじゃなく顔まで真っ赤にしてたけど街の人はみんな喜んでるんだしいいんじゃないかな?

 いや、本人も途中からは満更でも無さそうだったしさ。

 ほら、羽が動いたら子供たちだけじゃなく大人まで大受けしてたじゃないですか。

 うちの子(サーラ嬢)もむっちゃ羨ましそうに見てましたよ?ついでに馬車に電飾(点滅する魔道具)も仕掛けておくべきだったかな?


 そのまま大歓声を受けながらパレードは進んでいく。



 華やかで賑やかな街でのお出迎えとはガラッと雰囲気が変わって、王城ではお留守番の文官や近衛兵、メイドさんや普段は出てくることのない奥の人たち、もちろん国王陛下と王子王女まで並んでの厳かで格式ある感じのお出迎え。

 ・・・てかあれは王女様なのだろうか?

 なんかこう派手な衣装の丸っこい感じのおばさんがいるんだけど・・・もしかして道化師?ああ、国王陛下の妹さんなんだ?


 それはそれとして・・・あの人ってお出迎えする為にわざわざ奥から出てきてるんだよね?

 国王陛下ですら労いの為に、下級貴族の一人ひとりにまで自ら声を掛けてるのに、どうして1人だけ踏ん反り返って偉そうにしてるの?

 多大に頭の残念な人なの?


 誰だ『年上好きなハリス君ならアレもいけるんじゃないの?』とか言ったやつは!

 俺が好きなのはあくまでも『綺麗なお姉さん』であり『包容力のある女性』なのだ!

 女性の包容力と体型の横幅は比例するわけではないのだ!

 そしていちばん大切なのは『性格』なんだからねっ!


 その日は流石にみんな疲れてるだろうということでお出迎え以外は特に何も予定はなく王城を後にする。


「いや、馬車を出すのはもちろん構わないのですがどうして皆さんキーファー公爵邸に向かうのです?特にそこのフェニックスアリシアと国王陛下」

「うん?いや、まぁほら、細かいことを気にすることはないぞ?そしてアリシアにも二つ名が付いたのか」


 むっちゃ気になるわ!!てか王様フットワーク軽すぎじゃね?

 全員集合の理由、なんとなく、そこはかとなくは気付いてはいるんだけどね?

 口に出したくはないんだよなぁ。むしろ逃げ出したい気もしないでもない。


「あ、ちなみにサーラ嬢の運転する車に当たった方はそれなりのお覚悟を」

「送って貰うだけなのに必要な覚悟とはなんなのであるか!?」


 いや、サーラ嬢も別に運転が荒いとかじゃないんだよ?ただちょっとハンドルを握ると薄ら笑いを浮かべるだけで。まぁそれが逆に怖いんだけどね?

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