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【書籍化】 使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
東のはての賢者様編

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東の果て編 その34 私の剣は伯爵様に捧げております!

 あれー・・・。


 准士爵家の館の門の前で止められた馬車の扉をじーちゃんが開いてくれるのを待ってから下車。


「これは伯爵閣下、このようなところまでお越しいただき誠にありがたく存じます」


 ご当主、顔つきは厳ついが普通に気のいいおじさんって感じだな?あとこの人も顔に青痣があるんだけど・・・。

 そして後から降りてきたサーラ嬢が目に入った途端ビクッとしたんだけど?

 奥さん(サーラ嬢のお母さん?)の案内で奥の質素な客間に通されてお茶を出されたらいよいよお話(脅迫)の開始。


 になる予定だったんだけどさ。

 これ、絶対に俺、色々勘違いしてるよね?


「えっと、そちらの怪我は」

「あっ、はい、お恥ずかしながら娘に・・・」

「そちらのご子息の怪我は」

「あっ、はい、お恥ずかしながら妹に・・・」


 なかなかに活発ドメスティックな娘さんですね?

 家庭内の恥なので・・・と渋るのを少しずつ話を聞いた所によると



 うちの娘むっちゃ強いねん。でも手加減とか一切出来へんねん。

 家族にも門下生にも怪我人続出やしこのままやと道場も廃業になりそうやねん!!

 何故エセ関西弁なのかは秘密。


「だから遠回しに『しばらく何もしないでくれないかな?』って伝えたら『じゃあ武者修行に出ます!』とか意味のわからないこと言い出しまして・・・」


 お、おう、今日出会ったばっかりだけど何となくサーラ嬢なら言いそうなのは理解できてしまうわ・・・。


「でもいきなり金貨2000枚を半年で返せとか言ったんだろう?」

「いえ、それも朝から出かけた娘が帰ってきたらいきなり『私は家を出ます!だから縁を切って下さい!わかってます、お金を払えば良いんでしょう!』とか意味のわからないことを言い出しまして・・・金額なども娘が勝手に。はい、嘘ではないです」


 サーラ嬢、コミュ力どうこうじゃなく会話する気ゼロ疑惑。


「その・・・借金?の期限が半年というのは?」

「はい、さすがに武者修行などと言っても半年もあれば頭を冷やすかと・・・。もちろん半年後に娘から金を取ろうとは思っておりませんよ?」


「えっと、なら側室の話は?」

「ええ、実は私の知人の男爵様が奥様を亡くされてましてうちの娘さえ良ければ後妻にどうかと少し前にお声がかかってます。もちろん本人が納得すればの話ですよ?亡くされた奥様を愛されているので申し訳ないが正妻ではなく側室という形でと。悪い話ではないのでお断りはしておりません」


「でも小太りのおっさんなんですよね?」

「いえ、男爵様はまだ二十代半ばの美丈夫な方ですが・・・」


 てか最後の『小太りのおっさん』に関してはなんとなく『俺の経験則(薄い本の内容)』からそんな感じがしただけだもんな・・・。

 そして准士爵の娘が男爵の嫁とかかなりの玉の輿だよな。

 普通なら喜んで受けるところを本人次第とか准士爵、貴族にしては娘のことを考えるいいお父さんだろう。


「えっと、サーラ嬢、今の話に何か間違いやおかしなところは?」

「ないです!」


 言い切っちゃったよ。まぁそうだろうなー・・・。

 ああ・・・この子、ただの元気のいい(脳筋の)おバカな子だったのかー。

 良く言えば『剣一筋に生きてきた世間知らずの箱入り娘(高火力)』。


「うん、そうだね、もっとちゃんとご家族とお話合いするべきだね。あと一度その男爵様とお見合いという形でお会いしたらどうかな?」

「嫌です!私の剣は伯爵様に捧げております!・・・もちろん純潔も・・・ポッ」


 ポッじゃねぇよ!そもそも仕えるのは俺じゃなくてヴァイデ男爵家にだよ!完全に最初から人の話聞いてなかったなこいつ・・・。

『光ってるから宝石の原石だと思ったらウランの鉱石だった』とか勘弁してもらいたい。拾ったら死人が出るやつだからなソレ。

 あとこう言う危険物は外に出さないでもらいたい。


 そして妙にホッとしてるそちらのご家族。

 嫌だよ?俺、コレの引き取りとかしたくないからね!?


 ・・・うん、置いて帰ろうとしたら転がりながら大声で泣かれた。

 いい歳の娘が何やってんだよ。

 そして転がりながら駄々こねる御令嬢(王族)はすでに一人いたんだよなぁ。

 ご家族にも『お願いします連れて行って下さい何でもします後がないんです』と泣かれた。ビッグウエーブに乗りやがったよこの家族。

 仕えに出すんじゃなくて男爵様の嫁に出しちゃえよっ!

 それにおっさんに泣かれても・・・その・・・困る・・・。


 あ、そうだ、ほら、ここにお金あるからこれでどうにか・・・いらない?証文もすでに破いてある?ああ、その捨ててあるヤツなんだ。

 いらないなー、いらないんだけど・・・こう言うタイプの女の子嫌いじゃないんだよなー。ホントにどうなってるんだよ俺の女の子の趣味。


 だってほら『ちょっと気の強い女の子』って可愛いじゃん?この子に関しては気が強いんじゃなくて腕力が強いんだけど。

 さらに『あまりエッチな事を知らない女の子』って可愛いじゃん?この子に関してはエッチな事じゃなくて手加減と常識を知らないんだけど。


 き、きっと好きになった相手にはすごく尽くすタイプだと思うよ?

 あ、とりあえずそこのギリギリ死にそうなご長男、治療してやるからじっとしてろ・・・。うん、家族ぐるみで極悪人だと勝手に勘違いしたお詫びだから気にすんな。



 桟橋からフェリーが出港する時の様にご家族及び門下生が並んで笑顔でお見送りされる俺・・・と、サーラ嬢。

 泣くほどか、そんなに嬉しいのか門下生!

 もちろん馬車に乗るサーラ嬢は上機嫌である。

 うん、予定通り能力値の高い戦士がゲット出来たから素直に喜ぼう!見つめなくても素直になれないなこれ・・・。


 ポコポコと馬車は走り公爵邸に帰宅。

 微妙な顔(所謂チベットスナギツネの様な顔だな)をした俺を不審に思ったのか俺に付いて部屋まで来る御令嬢方。

 もちろん各々の護衛(メルちゃんとサーラ嬢、おまけでクリクリ)付き。

 しょうがないので一から説明する。


「・・・と言うような流れであちらさんから押し付け・・・引き取ってまいりました」

「むしろその流れで連れて帰ってくるとかあなたは正気なのですか?」


 そうだね、それが正常な反応だよね。

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