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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
東のはての賢者様編

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東の果て編 その28 下準備

「さすがにそれはひどくないかい!?いや、最近お貴族様とか大商会の会頭とかやたらと会いに来るんでさ、ちゃんとした格好してないと示しがつかないんだよ」

「まぁそれはそうだろうけど・・・アレだな?孫にも衣装ってやつだな?」

「意味はよくわからないけど褒められてないのは分かったよ!今日はどうかしたのかい?准男爵領にはちゃんと食料を届けて塩も受け取って帰ってるけど。て言うかあのメイドの女性、うちに譲ってもらえないかい?」

「もちろん譲らない。で、少しバタバタしてたから確認できてなかったけどここ最近の他所からの色んな物の輸出入はどんな感じになってる?」


 奥の部屋――会頭の個室に移動して数字の羅列された書類を読みながら話を聞く。


 ふむ・・・相変わらず贅沢品以外の輸入はほぼ絞られているみたいだな。砂糖とか絹とか貴金属類は普通に、むしろ多めに入ってきてる。

 逆に鉱物資源に布や革、そして塩などの輸出は増加・・・ってほど増えてもいないな。

 塩以外に関してはそもそも国内にモノが無いんだから売りようがないだろうし。そんな中でも中小の商会はなんとかかんとか集めてどんどん売ってるのか。


「国賊として殺せねぇかなそいつら」

「さ、さすが可愛いお顔でもお貴族様・・・怖い怖い」

「まぁそいつらの始末はここのご領主様に任せるとして。塩の取引はどうなってる?輸出もだけど国内からの買付とか」

「ああ、それなら順調、と言うよりもこっちに入荷分は即完売状態だね。逆に国内、塩ギルドから「もっと量は増やせないのか」って催促が来てるくらいさ。今まで輸入に頼ってた国内の商会が全然仕入れられないからね」


 俺が運ばないとディアノ商会の輸送力だけではまだまだここに持ち込む量じゃ足りないもんなぁ。やはり輸送部門の拡充が急務だな。

 商会の従業員数は順調に増えてるみたいだけど・・・信用の出来る人間はシミュレーションゲームみたいに湧いてくるもんじゃないし、金を与えたっていきなり忠誠値が増えるわけでもない。むしろそんなことをしたら逆に野心的になっちゃうだけだろう。


「とりあえず今日はそれなりの量の塩を置いていくよ。てか今日は新しく取り扱う品物の話なんだけどね」

「それは・・・。やっと砂糖を回してもらえるのかい?」

「お、おう、いきなり目つきが鋭くなったな。いや、砂糖はまだ当分無理だな」


 糖分だけに。


 これから冬に向かっていくし農作物の収穫がまったく期待できないもん。

 そもそも領民の数が少ないからある程度効率的に農業を回せても領内の分を賄える程度で余剰があるかどうかも怪しいし・・・。

 豊作な地域があれば買い付けるのも良いかもしれないな。そして加工して高値で砂糖を売りつける。


「じゃあ今回は何だい?そう言えば伯爵様のご命令で回収してるものだと布、革、くず鉄・・・」

「よく分かったな、最後のやつで当たりだ。くずじゃなく最上質だけどな」


 机の上に鋼のインゴットをいくつか並べる。


「これは・・・えらい綺麗な鉄だね?混ざりけの無さそうと言えばいいか」

「ギリギリまで余計なものは抜いてあるからな、そこらの鉄とは質が違うさ。ああ、もちろんこれは塩とは違い当然ながら今の状況では国外には売れない。国内向け専用・・・だけど商品を増やしても現状だと店が回らないよな」

「そうだねぇ、今は塩だけでも手一杯だからねぇ・・・」


 ものすごく残念そうなペルーサ。まぁ商人が確実に利益が出せる商品なのに扱う余裕がないなんて複雑な心境になるのも理解できるけど。


「まぁしばらくは他所から取りに来てもらえるようにするしかないわな。領地持ちの貴族様には俺から・・・は面倒だから公爵様にでも声をかけてもらっておくよ」

「それなら伯爵様がそのまま売るほうが早くないかい?」

「やだよ面倒くさい・・・。そもそも何もしなくても遊んで暮らせる程度の蓄えはもうあるし」

「欲のないことで・・・。それなら倉庫に置いていってもらってもいいかい?売値はどうする?」


「んー、卸値で1キロ銀貨2枚でどうかな?」

「それはいくらなんでも高くないかい?」

「そうか?ここまで純度の高い鋼はそうそう無いだろう?むしろ安いくらいだと思ってるんだけど」

「・・・それ、鉄じゃなく鋼なのかい!?なら確かに安いくらい、いや、格安って言ってもいいかも知れないねぇ・・・でもその状態の塊だと質の良い悪いなんて判断出来ないだろうから売れるかどうか」

「ああ、そのへんも公爵様に説明しとくよ。どうせ小売りするつもりはないしね」


 適当に剣でもこしらえて渡しておけば良いようにしてくれるだろう。人任せ万歳!!

 そして鍛冶スキル、とらないといけないな・・・。

 一通り話も終わったので倉庫で塩を出していく。積み上がっていく袋にポカンと口をあけているペルーサと作業員一同。

 そうしてると年相応に・・・幼くはないな、うん。セーラー服とか着せてもちょっと無理してる感がすごいことになりそう。・・・もちろんそう言うのも嫌いではない。

 塩については予想以上の増産が進んでるから他国の商人にはもういらないって言われるまで高値で売って売って売りつくしてやればいいのだ。


 准男爵領からこの倉庫までの転送もすればいいのに?

 ・・・んー・・・現状ではソレはあまりよろしくないかなぁ。

 むしろ物流に携わる人間を増やして活発に色んな所を行き来させるべきだと思う。領民が多ければ、またはそこまでの緊急性が無いならば工場と准男爵邸の移動も魔道具なんて使う気なかったしさ。もちろんドーリスの時空庫も持たせるつもりはなかったし。


「ああ、そうだ、日持ちのそれなりにする食料、農作物が安値で仕入れられるなら買えるだけ買い取っておいてもらえるかな?全部引き取るから」

「それはかまわないけど小麦なんかはかさが高いから今のままだと倉庫に入るかどうか・・・」


 それもそうだな。

 てかソレに関しては近くに土地を用意してもらって新しく食料用の倉庫を増やすのがベストかな?

 この辺って土地の扱いはどうなんだろう?個人所有?領主所有?・・・領主所有か。ならエオリアに話を付けておいて貰えるかな?

 土地代?この前の男爵と子爵の件で使い走りさせられたのと相殺でいけるんじゃないかな。むしろいけ。大丈夫、現状ここの伯爵家には何の借りもないから。

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