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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
東のはての賢者様編

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東の果て編 その25 呼んでないのに向こうから来てくれた

 素人っぽい二人を伴って向かうのはもちろんゴーレムダンジョン。

「私って迷宮初めてな人なんですよー。・・・初めてがハリス様でよかったですぅ♪」などとよくわからない上に少しイラッとする話し方をする元気な子。

 そしてダンジョンに近づくにつれて大きくなっていく喧喧囂囂けんけんごうごう侃侃諤諤かんかんがくがく

 うん?なんかえらく騒がしいと言うか半ばパニックと言うか。何かあったのか?


 小走りで駆けつけると門を閉じられた虎口(お城を攻められた時に相手を囲んじゃってそこで殺っちゃおうって感じの・・・中庭みたいな場所、ここではダンジョンの入口から迷い出てきた魔物を留めて増援を待つ為の防衛線って感じか?)の壁が思い切り揺れて・・・ああ、崩れ落ちた。


 出てきたのは・・・ゴーレムだな。ゴーレムダンジョンなんだから当たり前か。

 2mくらい?泥ではなくて岩っぽい。その後ろにも大小諸々なゴーレムが見える。

 こっちから行く前にそっちから来てくれるとは・・・ゴーレム、なかなか気が利くじゃないか。

 時空庫から昨日作っておいた両手持ちの鈍器メイスを取り出す。もちろん『両手武器』のスキルも上げてある。

 メイスをぶらんと右斜め下に持ち、出てきたロックゴーレムまで駆け寄ると力一杯にすくい上げるように叩きつける。


「っしゃらぁぁぁぁっ!!!」


 ・・・見覚えのある光景だな。振り抜かれたメイスが当たった上半身が撃ち抜かれた黒竜みたいに木っ端微塵になって破片を辺りに撒き散らす。後ろに居たゴーレムを巻き込みながら。

 ひ、人は巻き込んでないよね?ああ、みんな近接戦闘じゃなく壁の上から弓を撃ってるのか、なら大丈夫そうだな。

 ・・・上から弓で攻撃するとか、それ、ゴーレム相手になにか意味があるのか?


「私はハリス、公爵家からの援軍である!これよりゴーレムを殲滅する、皆少し下がっていろ!!」

「ハリス・・・おおっ!!竜殺しのハリス!!最強の援軍が来てくださったぞ!!」


 などと適当な事を言ってゴーレムを独り占め出来るようにする。


 いや、ハリスコールとかいらないから邪魔にならないようにだけしておいてくれ。巻き込まれても一切の責任は取らないからな?

 てかこれ以上破片だ何だを飛び散らかしちゃうとゴーレムが暴れるよりも近隣の被害が増えかねないのでそこそこ加減しないとな。素材の回収も面倒くさくなるし。


 大きな鈍器を振り回しマッドゴーレムの胸を殴りつける瞬間、衝撃だけがその体内に伝わるように当てる。ゴーレムは要するに体内のコアを潰してしまえば活動停止するのだから(キリッ)。

 ・・・そして飛び散る上半身。加減って難しいよね?

 片っ端から殴り潰しても続々とダンジョンから溢れ出てくるゴーレムたち・・・岩と泥ばっかだな。


 この(ダンジョンの)中に鉄とか銅とか銀とか金とかミスリルとかはいらっしゃいませんかっ!?

 わざわざ探索しなくても向こうから出てきてくれるとかホント助かる・・・。

 ああっ!金属っぽいヤツ発見!!色合い的には銅かな?ヤッフーーー!!


 ・・・

 ・・・

 ・・・


 そこから大凡二時間、暴れまわる俺と溢れ出すゴーレム。足場を埋められても困るのでちょくちょく時空庫にゴーレムの死体(死体って言えるのかこれ?ただの素材だよね?)を回収しながらもメイスをぶん回し続ける。


「・・・そろそろ打ち止めかな?もっと、もっとおかわりを下さい!!」


 叫ぶ俺とドン引きする衛士隊の皆さん。あ、一緒に来た二人なら少し遠いところで座ったまま固まってるよ?

 てかこっちに来てから何だかんだでマトモな戦闘って今回が初めてじゃないかな?やっぱ身体を思いっきり動かすのは気持ちいいよなぁ。

 残りの散らかった素材も回収してっと。


「私は内部の確認に向かう、卿らは辺りの後始末及び公爵邸と探索者組合への報告に当たってくれ」

「はっ!閣下もお気をつけて!!」


 初ダンジョン探索に向かうのだった。てかあの二人連れてきた意味あんまり無かったな。

 魔物の氾濫どさくさに紛れて無かったら入り口で置いていこうと連れてきただけだし後でお給料さえ渡しておけば大丈夫だろう。



 さて、この『魔人形の迷宮』、何というかこう物凄い正統派ダンジョンだな。

 通路は高さが低いところでも3m、横幅は狭いところでも5mくらいか?石造りで薄ぼんやりと明るい。

 ワイヤーフレームがむっちゃ似合いそうと言うかマッピングがすごく捗りそう。

 罠とかあったら危ないし一応『罠察知』スキルを取っておくか。


 ああ、罠もだけど『地図作成』スキル!!とっとかないと迷子になっちゃう。ちなみにコレ、受動パッシブスキルでオートマッピングしてくれる優れもの。

 任意で視界に半透明な地図を呼び出せるのだ。


「ふむ、さっきからずっと歩いてるだけで特に何も出てこんの?」

「まぁ近辺どころか結構奥に居るっぽい連中も外に出てきてたからなぁ」


 ミヅキと二人でダラダラと奥に向かって進む。蛇?ダンジョンに入るまではいつも通り首に巻き付いてたさ。

 てか今回の騒ぎ・・・やっぱり前回の騒ぎ(各地での魔物の氾濫)みたいにこの国全体的な騒動の一端なのかそれとも人気のない迷宮に溜まった魔物が偶然暴走しただけなのか。


 ・・・ホントに歩いてるだけだと暇でしょうがないな。


「あっ!小部屋っぽい空間に宝箱っぽいの発見!!」

「おお!・・・宝箱それは誰がこんなところに設置してるのだ?」

「そんなん知らんけど迷宮にはつきものじゃないですか?」

「そんなもんかの?」


 そんなもんなんだよ。ちなみに中身は『小さな土の魔水晶5個』だった。クッソいらねぇ・・・。

 たまにビッグウエーブに乗り遅れたのかチョコンと寂しそうに立っているゴーレムを相手にしながら進むこと早5時間。


「変化も戦闘も無さ過ぎて飽きてきたな」

「そうじゃな。我、腹が減ってきたぞ?」


 小部屋っぽい空間で何御飯なのかわからない食事を取る。作り置きのサンドイッチ程度のもんだけど塩っ辛い干し肉とカッチカチの酸っぱい黒パンよりは数倍マシだろう。

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