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使い潰された勇者は二度目、いや、三度目の人生を自由に謳歌したいようです  作者: あかむらさき
東のはての賢者様編

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東の果て編 その10 処す?

 伯爵家に話を付けた後は食料の買い出し、それも大量に必要なのでほぼ倉庫買い(倉庫の中身全部くれと言う最強の買い物術)の必要があるのだが・・・そこまでの資金は持ってないのだ・・・。

 てか手持ちのお金なんて残り金貨30枚ほどしかないわ。

 いや、まぁそこそこの大金なんだけどね?日本円換算150万円だし?

 でも必要なのは100人分の食料だからなぁ。


 よし、買い出しは明日の予定に放り投げて今日は夜まで地上げの手伝いでもするか!

 見てるのも退屈だろうから幼女に「先に帰るか?」と聞いたらなぜだか「付いていく」と言うのでおっさんと幼女と一緒に現場めぐりをすることになった。


「ふぅ・・・いい汗かいたな!」

「いや、まったく汗なんか出てねぇだろうが。てかこの前も見たけどホントにすげぇなお前の魔法」


 普通のやつなら続けて「そんな力があるなら貴族にも引っ張りだこだろうになぜ宮仕えしてないのか?」とか余計な質問をしてきそうなものだがこのおっさんはしてこない。

 実に結構な事である。

 だって聞かれても答えるはずがないからな?無駄なことをしてもお互いに不信感が生まれる以外になんのメリットもないのだ。

 ちなみにこの日まわった現場は13箇所、大きな建物が多かったのでかなりの量の材木、鉄、布、革などなどが手に入り俺もおっさんもホクホク顔である。

 約束通り建材ははんぶんこ、そして


「じゃあこれ、約束通り工賃の半分な」


 と、もらった金貨が800枚。

 ・・・いや、正式には金貨が200枚と金貨600枚の借用書なんだけどね?

 さすがに普通の土建屋にそんな大金が常時用意されてるはずも無く。


「わりいな、ホントなら全額現金払いしたいところなんだが・・・毎月金貨200枚の3回払いで勘弁してくれ」

「いや、むしろ金貨200枚も今支払って大丈夫なのか?」


 そのへんは大丈夫らしい。

 さすがに半分と言っても今回は量が量なので材木に関しては近場の更地にした現場二箇所にわけて積み上げ、鉄は前と同じ様に事務所前に並べたインゴットをチンピ・・・従業員が奥に運ぶ。

 いや、奥に運ぶなら最初からそこに出すから言ってくれればいいのに。

 もちろん布、革、石材などは俺の総取りである。


「いや、マジであんたには足向けて寝れねぇな」

「じゃあ今度寝てる時にベットの回りクルクルと走り回ってみようかな?」


 こっちも楽してかなりの実入りだったからそんなに感謝されても困るんだけどね?

 翌日以降は小麦などの食料、木綿や麻の布や糸、襤褸布襤褸皮なんかの半ばゴミを出来るだけ安く仕入れに街中を東へ西へ。右往左往とも言う。


 そしていよいよ三日目、商人の面接の日である。


 伯爵家の広間に集められたのは中小の商人が・・・計18人。

 椅子と机が並べられた正面、お誕生日席に後から入ってきたヴィオラ嬢が腰を下ろす。

 うん、キョロキョロとむっちゃ挙動不審なのは仕方ない。

 斜め後ろに立った俺が前に座る商人たちに向いて声を掛ける。


「本日は我がヴァイデ准男爵領の御用商人の選抜に集まってもらい感謝する」


 座ってる商人が一瞬ざわついた。


『御用商人』


 普通の商売人なら飛びつく単語である。

 でも相手は「誰?それ?」レベルの准男爵、ざわめきもすぐに収まり失笑じみた笑いに変わる。

 大きな商家ではなく中小の商人が伯爵家からの呼び出しで大喜びで出向いてみれば准男爵家の話なんだからそりゃそうだよな。

 でもな、位が低くてもこちとら貴族様だからな?笑ってる平民の首くらい飛ばせるんだぞ?


「ご当主様、少々無礼な連中がいるようですが処分いたしますか?(2、3人処す?)」

「・・・気にしないでいいわ(やめなさい!!)」


 ・・・お前ら温厚な性格の幼女に感謝しろよ?


「さて、ここにいる者も承知していると思うが3ヶ月前起こった魔物の氾濫により我が領はかなりの損害を受けてしまった。既存の産業――主に漁業、林業、農業の担い手たる男手が減少したことにより今までと同じ様な取引を行う事は不可能となった」

「そうでございますね、少し前に私が領を訪れて商売をさせていただいた時点ですでに火の車、いや、灰の車でございましたね」


 どっ、と商人達が笑う。灰の車か、確かにその通りである。うん、なかなか面白い、言い得て妙って感じだな!・・・俺が当事者でなければな。

 あ、後ろの方から見つめてるエオリア、そんな青い顔しなくても大丈夫だよ?建物は(血と汚物で)汚れるかもしれないけど壊さないからね?

 てかこいつか、二束三文で幼女ん家の家財道具の処分をしてくれた商人は。

 思い出の品だってあっただろうに、歯を食いしばって耐えて売り払った品物だって分かってるんだろうな?


「ええ、まぁぶっちゃけその通りですね。金もない、人もいない、このままだと冬を越すのも難しいでしょう」

「ふん、なら今回は金の無心の為に態々集められたと?大商会の人間がいないから好機かと思えば・・・」

「もちろんただの無心ではありませんよ?最初に御用商人の選抜と言ったでしょう?我が領でこれから新しく産出する・・・予定の商品の優先権、どうです?悪いお話ではないでしょう?」

「くっ、くっくっくっくっ・・・、それはなかなかそそられるお話ですねぇ。人もいない、物もないご領地で新しい産物でございますか?ああ・・・もしかしたらご領内の女子供をお売りになるなどと言うことはおっしゃいませんよね?我々は真っ当な商人でございますからその様な商品はお取り扱い出来ませんよ?」


 またまたどっ、と笑いが起きる。

 そしてエオリアの顔色が青を通り越してグレーに。

 おい、大丈夫か?ポーション飲む?


「どうでしょうか?我こそはと言う方、いらっしゃいましたら挙手を願います」


 てか逆にこれで手を上げるような奴は・・・いたわ。

 なんかこう商人って言うか見た目女海賊みたいないろっぽいお姉さんが手を上げてる。


「ええと・・・そちらの方は?」

「ああ、あたしかい?あたしはディアノ商会のペルーサ。商会なんて言っても従業員5人の小さな小さな商会の会頭だけどね。それで、いくら入り用なんだい?今すぐにって言われて用意出来るのは金貨で150くらいだよ」


 お、おう、何か男前なお姉ちゃんだなおい。


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