第062話〜東の山の外交〜
――本格的な実りの秋。
山々が美しい紅葉へと、その姿を少しずつ変化させている中。交易を続けていたシロウがこんなことを言い出した。
「エータ殿。不躾で申し訳ないのだが、一度、我が里におもむき、里長と会って貰えないでござるか?」
突然の申し出におどろくエータ。
「それは願ってもない、こちらから頼みたいくらいです。一体、何があったんですか?」
「先の交易が終わった後、里長にこの村が鴉天狗と協力関係になったことを伝えたところ、大変興味を持たれてな。我が里もこの村と密接に関わりたいという話が出ているのでござるよ」
「おぉ!! ついに⋯⋯!」
「あぁ、我らとも個人を超えた友好関係を結べそうでござる」
エータは急ぎこの事をブライに伝え、明日、東の山へ外交に行くことになった。
メンバーは、エータ、ビート、ドロシー、フィエル、クロウガ、ハネチヨ、ヤタの六人と一羽である。
飛べない組はヤタに運んでもらうことになるので少数精鋭だ。
ビートは探知、ドロシーは護衛、フィエルとクロウガは護衛兼、交渉補佐として同行して貰う。
ハネチヨはクロウガの「この子には広い世界を見て貰いたい」との願いもあって、同行を許した。
亜人種がたくさん居たほうがシロウの里の人達も安心するだろう、というのも理由の一つだ。
シロウには村に一泊して貰い、明日の明朝出発することに。
村に来客用の宿泊施設も建ててあるので、いつぞやの枡ハウスより快適に過ごせるはずである。
――そして翌朝。
「それでは、出立するとしよう」
ブライたちに見送られながら、ヤタ、クロウガ、ハネチヨは大きく羽ばたき、空を舞う。
エータたちは、気球に使うような大きなカゴを使って、ヤタに運んでもらうことになった。
ヤタに持ってもらう運搬用のカゴは、木材を極力減らし、ツタを多くする事で重量を落とすことに成功。
長時間の運搬もこなせるようになっている。
――いざ、東の山へ。
北の山のみならず、東の山も大自然が広がっており「この大陸に、本当に人間の王国があるのか?」と疑ってしまうレベルである。
それくらい、とてつもなく広い森林、山々なのだ。
「東の山は比較的、人型モンスターが少なく過ごしやすい。ゴブリン共が居なくなってからは獣の楽園と化しているでござる」
シロウが東の山を眺めながら言う。
「獲物が増えて一見いい事のように思えますが、ゴブリンたちの動向が気になりますね」
「そうでござるな、大事無いと良いのだが⋯⋯」
――エータたちは順調に空を進み、無事シロウの活動拠点『ユキヒメの里』へと到着した。
里の入口には、若き獣人の女性が槍を片手に立っていた。
まんまるな耳に、ずんぐりむっくりとした茶と黒の縞模様のしっぽ。
目の周りは黒く、一目で『タヌキの獣人だ』とわかる風貌をしている。
シロウやクロウガと比べると『ケモノ度合い』が多い。
(人によって個体差があるのかな?)
と、エータは思った。
獣人の彼女はこちらを視認すると「あわわ!」という声を出しながら出迎えてくれた。
「よ、ようこそシロウさんのお客人! ここはタヌキの亜人、ユキヒメ一族の里ッス! わ、私は衛兵のアイチェと申すッス!」
アイチェと名乗ったタヌキの女性は、堅苦しく敬礼。
そして、
「奥の屋敷でタサブロー様がお待ちッス! こちらへどうぞッス!!」
と、
案内をはじめてくれた。
シロウさんはタヌキだったのか?そうは見えないけど⋯⋯。と、シロウの白髪を見ながら思うエータ。
ガチガチに緊張するアイチェに連れられて、自然をそのままに活かした里の内部を歩く一行。
どうやら、大木の『ウロ』を家として利用しているようだ。
ブライ村の防護壁のような、自然をそのまま使うエコなスタイル。
そこには、目の周りを黒くし、茶色い毛を全身に生やしたちいさいタヌキの獣人たちが生活を営んでいた。
かわいい、非常にモフモフしている。
「人間に近い者と、獣に近い者が居るんですね」
エータはシロウに問う。
「あぁ、どうやら血の濃さが関わっているらしいでござる。ただ、詳細はわかりませぬ。基本的には人型なのでござるが⋯⋯」
(うーん、鴉天狗一族は翼と肌の色以外は人間と一緒だしなぁ。タヌキの獣人だけこうなのか?)
シロウの言葉に相槌を打ちつつ、エータがリアル獣人に萌え〜っとして居ると、大木の陰に建てられた、巨大な屋敷が見えてきた。
「あちらがタサブロー様のお屋敷ッス!」
「でかっ! こりゃ相当腕の良い大工が居るな」
「あの木、大黒柱ってレベルを超えてるぜ」
「おごそかな雰囲気に圧倒されるな⋯⋯」
「これはこれでブルジョワですわぁ」
「父上! すごい建築物ですね!」
「我が屋敷も立派だが、これはそれ以上だな。粗相の無いようになハネチヨ」
驚きを隠せないエータ一行を、アイチェは槍を両手にギュッと持ちながら案内する。
土足厳禁となっているため、玄関でクツを脱ぎ、屋敷の中へと入る。
すると、靴箱のうえにシャケを口でくわえたタヌキの木彫りが。
(それは熊では?)
エータは心の中でツッコミながら、完璧に手入れされた廊下を進んでいく。
鳥獣戯画のようなタッチで、玉遊びをするタヌキが描かれた立派な襖が見えてきた。
「こ、こちらです!」
アイチェがヒザをつき、襖を開けた。
そこには、煙管をもくもくとさせているおじいちゃんのタヌキ獣人が、広いお座敷にちょこんと座っていた。
体長は100cmくらいだろうか?
かぎりなく獣に近い。
その奥には、体長2メートルはあるライオンの獣人が、道着のようなものを着て仁王立ちしている。
ボディガードだろうか。
エータたちが戸惑っていると、
「よく来たなぁお客人。かたっくるしいのはナシにしましょうやぁ。好きに座っておくんなぁ」
と、タヌキのおじいさんが「こちらへどうぞ」と言いたげに手を差し出してくれた。
可愛い見た目に反して、持っているオーラが段違いのそのタヌキは、エータたちが対面に座するやいなや、唐突に笑いはじめる。
「あんちゃんたちの話はシロちゃんから聞いとるよぉ! バスティ様の使徒として、相応しい人格を持っているそうじゃあ無いの! ハッハッハッ!」
「お、恐れ入ります」
エータは長い社会人経験から『このおじいさんは只者では無い』ということを肌で感じていた。
絶対に怒らせてはいけない。と、緊張がはしる。
「タサブロー様、シロちゃんはちょっと⋯⋯」
シロウが困ったような声でいう。
「すまんなぁ、俺っちに取っちゃあシロウはまだまだ坊だからよぉ。⋯⋯あぁ、申し遅れた。俺っちはタサブロー。このコクシ大陸のタヌキの亜人の総大将をしてまさぁ。よろしくしておくんなぁ」
(こ、コクシ大陸のタヌキの亜人の総大将!? それって相当偉いんじゃないか!?)
エータは、楽にするどころか余計に身が引き締まった。
ガチガチになりながら、エータたちも一通り自己紹介を済ませ、今回、なぜ自分たちが呼ばれたのかを質問した。
すると、タサブローから意外なこたえが。
「なぁに、簡単なこった。俺っち達もバスティ様の使徒。エータ殿の傘下にくだりてぇ」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯えっ?」
エータは(聞きちがいか?)と、自分の耳を疑った。
そんなエータのことを察してか、シロウが口を開く。
「エータ殿。拙者も驚いたのだが、タサブロー様は本気のようなのでござるよ」
「同盟ではなく、傘下⋯⋯ですか? ホントに?」
「あぁそうだ」
タサブローは「本当に傘下にくだるつもりある?」というほど、堂々と煙管をプカプカさせながら話している。
「人間と亜人種が仲良く、な〜んて、俺っちのなげぇ人生でも初めての事よ。最初、シロウに話を聞いたときは、また人間が亜人種を騙そうとしてやがると思ったもんさ」
タサブローは煙管を思いきり吸いこみ、ふぅーーっと出して続ける。
「でも、あんちゃんたちは違った。生真面目なシロちゃんの報告を聞いてる限りホンモノだ。興味が湧いて呼んでみりゃあ何のこたぁねぇ。そこの森人のキレーな姉ちゃんと、格式のたけぇ立派な有翼族を見りゃあ一発でわかる。おめぇさんらは信頼に値する御人だ」
(人のことを良く見ていらっしゃる)
エータはそう思いながらチラッと横を見ると、綺麗と言われたフィエルは「き、きれいにゃど⋯⋯!」と、耳の先まで真っ赤にするほど照れており
「格式高い」と言われたクロウガは、目をつむりながらも、その口元は緩んでいた。
亜人種って基本チョロいのだろうか⋯⋯。
それとも、タサブローの洞察力が優れていて『その人の言って欲しい言葉がわかる』かだ。
(小細工はナシだ、真摯に対応しよう)
エータは気合いを入れなおした。
「俺個人としましては、ユキヒメの方々と友好関係を築きたいと思っています。ですが⋯⋯」
エータは一呼吸おいて言いはなった。
「やはり、対等ではなく傘下、というのが気になります」
そうなのだ。
鴉天狗たちの時とは訳がちがう。
あの時は鴉天狗たちが『家臣にならなければいけない事情』があった。
しかし、このユキヒメの里は見るからに安定しており、とてもエータたちの庇護下に入らなければならないようには見えない。
エータは、タサブローの真意が読めないでいたのだ。
「なぁに、ふけぇ理由は無ぇ」
タサブローは煙管をエータに向けて言う。
「エータ殿、あんたがバスティ様の使徒だからさ」
それは、バスティ様をあがめるこの世界の住人にとって、至極当然の答えだった。
「俺っちはね。シロちゃんから話を聞いたとき、もし、本当にバスティ様の使徒が現れたってんなら。すぐにチカラを貸すべきだ。そう思ってたのよ。でもな、やっぱり民の命を預かる身だ。おいそれと許可は出せねぇ。そんな時に有翼族との話を聞きゃあな。そりゃあ急ぎ会いたくなるってもんよ」
タサブローは煙管の灰をトントンと皿に落とす。
「そして、直接会って確信した。あぁ、あんちゃんたちなら預けても良いなぁってよ。俺っちが人間やモンスターから大切に守ってきたモン。すべてをな」
それは、積み上げられた歴史を感じさせる瞳と声であった。
「タサブローさん⋯⋯」
正直なところ、エータはまだ人の上に立つという事を心の中で拒否している。
だが、ここまでの信頼を寄せてくれる人を無碍に扱えるだろうか?
――いや、出来ない。
エータは、自分に課せられた運命に従うことにした。
「わかりました。ユキヒメ一族を我が村の傘下としてお迎えいたします」
「あぁ、いっちょよろしく頼むわ」
エータとタサブローが握手を交わそうとした、その時だった。
「タサブロー様」
後ろにいたライオンの獣人が口をはさむ。
「ライオ、下手なこと言うんじゃねぇぞ」
タサブローは、ライオがなにを言おうとしているのかわかっているのだろう。
顔はにこやかだが、とんでもない圧を放っていた。
(タサブローさん、やっぱり只者じゃない⋯⋯)
エータは、自分に向けられた圧では無いにも関わらず、戦慄した。
その圧に負けじと、ライオと呼ばれた巨大な獣人は続ける。
「いえ、たとえタサブロー様の決断であったとしても、オレたちゃ人間の下につくなんて⋯⋯」
「ライオ⋯⋯てめぇ⋯⋯」
タサブローはついに切れ、にこやかな顔が一変。
般若のようにギロりとライオをにらみつけた。
「俺っちの覚悟にちゃちゃ入れようってのか?」
その言葉にライオは「⋯⋯いえ、あなた様の言う通りに」と、折れた。
完全にビビるエータ一行。
こっそりと宮下瑛太。四十二歳。
異世界で失禁三回目である。
最悪なムードになってしまった会談の場。
タサブローが「こりゃいけねぇ」と、頭をポンッと叩く。
「歳くうと、こらえ性が無くなっていけねぇや。すまねぇエータ殿。コイツには後で俺っちから言っとくからよ、改めて傘下のほうよろしく頼んまさぁ」
「はいっ! わかりましたっ!」
もはやどっちが親なのかわからない、奇妙な上下関係が産まれた瞬間である。
エータは、鴉天狗につづき、ユキヒメの里の獣人たちをも傘下にくわえた。
「よっしゃ! そんじゃあおっぱじめるか!」
そういうと、タサブローが手をパンパンと叩き、使用人たちを呼びつける。
「おう! おめえら! 宴の準備をしろい!!」
その音頭を皮切りに、襖の奥から可愛いタヌキの獣人たちがハイナホイナと豪華な料理を出してきた!
大きな笹の葉のような物に包まれた巨大な肉塊が、香草や野菜とともに蒸し焼きにされた料理。
巨大なリンゴのような果物が、火の鳥のように美しく豪華に飾り切りされ、大皿を優雅に舞うフルーツ盛り。
その大皿には、火の鳥の足元にソースのような物が絵画を思わせるほど美しいタッチで彩られ、ブルーベリーやブドウ、マスカットのような物がアクセントとして散りばめられている。
その他にも、飛びだすほどに大きなカニの入った鍋、川魚と野菜の天ぷらなど、多彩かつ豪華絢爛な料理の数々!
「うっひょー! すっげぇご馳走様!!」
「ブルジョワですわ! 役得ですわー!!」
「ち、父上! 見たこともない料理がございます!! あれはなんですか!?」
ビート、ドロシー、ハネチヨは目をキラキラさせてはしゃいでいる。
「ちょ! お前ら!!」
エータは止めに入ろうとしたが、
「良いんだあんちゃん。こう喜んでもらえた方が俺っちは嬉しいぜぇ? っつーかよ。この料理だってあんちゃんたちとの交易があってこそ作れてンだ。遠慮しねぇで食ってくれ。俺っちたちの感謝の気持ちだ」
と、タサブローに言われてしまった。
懐の深いじいちゃんだ。
改めてエータは、この場に来て良かったと感じた。
――――――
数時間が経ち。
タサブローやアイチェたち、タヌキの亜人と楽しく談笑したエータ一行。
お土産に一冬は余裕でこせるほどの塩を、無料で置いていく事に。
「いつも貰っちまってるけどよぉ、本当に良いのかい?」
この世界で塩はかなりの貴重品。
それが、立派な袋に詰められて、何百キロもある。
しかも、アイテムボックスから取り出しているので、砂などの不純物もいっさい無い。
「うちの傘下にくだるんでしょう? なら、この里がさらに発展するよう援助するのは当たり前です」
その言葉を聞いて、タサブローは「はっはっはっ!」と笑った。
「ちげぇねぇ! ほんじゃ、子分は子分らしく、ありがたくいただいておきまさぁ!」
そんな会話をしながら交易は進む。
ブライ村は、海の魚や織物といった物を出し、ユキヒメの里は、東の山特有のケモノの皮や香木といった物を出した。
ヒツジのようなふわふわした毛が手に入ったので、冬の寝具がパワーアップしそうである。
そして、交易でキラリと輝いたのは『衣服』だ。
サリバンとカリナの作ったエキゾチック&ファンタスティックなファッション。
それにタヌキ亜人の娘たちは夢中になり、飛ぶように交易して貰えた。
「タサブロー様! これは交換すべきです!」
「た、タサブロー様! こちらも!」
「これもお願いします! タサブロー様!」
あの巨大な圧を出したタサブローも、これには参っている。
「わーかった! わかった! 好きにしろい!」
「タサブロー様好きぃ!」
「キャー!!」
「さすがタヌキの総大将!」
タサブローは「はは⋯⋯」と、引きつった笑みを浮かべている。
アイチェも、先ほどまでの緊張はどこへやら、目の色を変えて物色。
交易の場は、タヌキ亜人の女性たちによる争奪戦へと姿を変えた。
(サリバンとカリナすげぇ⋯⋯女性にはやっぱりファッションとコスメだな⋯⋯)
エータは密かにそう思った。
――――――
今回の話し合いで一番の収穫は『ユキヒメ一族との友好関係を築けたこと』であるが、交易で一番の収穫は『ハニービー』と『タマカイコ』という昆虫型のモンスターを得られたことだ。
それぞれ10匹ずつを塩の返礼品としていただいた。
塩は気にしなくて良いって言ったんだけどなぁと、エータは申し訳なく思っている。
ハニービーは養蜂が可能になり、タマカイコは絹糸が採れる。
しかし、ユキヒメ一族のように虫師が居ないので、繁殖と大量生産は難しいだろうとのこと。
それでも、ブライ村で少しでも収穫できるのであれば万々歳だ、あると無いとじゃ大違いである。
ドロシーは「絹ですって!?お母さまが喜びますわ〜!」と、はしゃいでいる。
エータとフィエル、そしてハネチヨの三人は、ハニービーとタマカイコの飼育方法を細かく聞いた。
ブライ村とハゴノキの里でしっかり飼育できるようにするためだ。
特にタマカイコは、東の山のクゥワという木の葉しか食べないとの事。
なので、ユキヒメ一族からたくさんのクゥワの葉、そして、クゥワの苗木を数本いただいた。
「こいつぁ、服との交換だな」
「ありがとうございます!」
「なぁ、エータ殿。俺っちはアンタの子分だ。敬語はやめておくんなぁ」
「えっ!? でも⋯⋯」
「下のモンにしめしがつかねぇって事でさぁ。俺っちのことは気にしねぇでおくんなぁ」
「わ、わかり⋯⋯わかった。善処する」
ガチガチになりながらエータはこたえる。
「ははっ! まぁ気長に待ちまさぁ!」
こうして、ユキヒメの里との会談が終了した。
――――――
ユキヒメの里、計200名のタヌキ亜人がエータの傘下に加わった。
タサブローが他の地方にいるタヌキ亜人をはじめ、交友のある別の亜人種たちにも『エータ殿は信頼できる』と伝達してくれるらしい。
なんでも、シロウが人間を装いながら、ゆっくりと各地をめぐってくれるのだとか。
これから冬本番だが、大丈夫だろうか。
エータはシロウに、
「なにか入用であれば遠慮なく仰ってください」
と伝え、
「ふむ⋯⋯であれば、冬場の衣服が欲しいでござるな」
との事。
なので、サリバンコレクションの中から動きやすく防寒に優れた物を、象の印の水筒と共にプレゼントした。
「この筒は?」
「それは水筒といって、飲み物を入れるものです。熱を保つので、冬場は熱いものを入れて使ってください」
「?? ⋯⋯わかった、冬場は命懸けでござるからな。言われた通り、湯をわかして入れてみるとしよう」
これは使ってみた時の反応が楽しみだ。
エータはほほえんだ。
コクシ大陸中の亜人に希望を伝える大切な役目。
シロウには、身体に気をつけてがんばって欲しい。