ルーレットの行方
感謝の気持ちを込めゴールドカードが贈られる。
女神様によるギフトだ。
「あの女神様。これはどのようなものでしょうか? 」
サーマが前に出る。
「そうですね。いかなる物にもいかなる時にも使える便利なアイテムです。
食欲を満たすもよし物欲を満たすもよし。後は……
これ以上は女神の立場では口に出すのも憚れます。ご想像にお任せします」
なぜか赤くなる変な女神様。
とりあえず物知りのサーマにでも聞くか?
「ねえサーマ…… 」
だめだこれではウエスティンの二の舞。
ここはリザに…… だが睨みつける始末。
「もう少し分かりやすくお願いします」
ウエスティンが女神様に迫る。
「まあ良いではないか。細かいことは気にせぬことだ」
爺がフォローに回る。
ゴールドカードは何度でも使用可能。制限は特に設けていない。
イベントアイテムとしての側面もあるとのこと。
「女神様一つ質問があるんじゃが」
「よろしいですよ」
「前回落としたルーレットを探しているのだがどこにあるか知らんか? 」
「ちょっと! 」
サーマが慌てて止める。
「ゴールドカードについての質問は受け付けますがそれ以外はお答えできません」
まるで融通の利かないお役所仕事のようで困る。
担当が次々に代わっていちいち最初から説明する熱量は半端ない。
すぐに疲れて諦めたくなってしまう。
それも手口の一つなのかもしれないが。
おっと脱線したか。
「お主の前世は自動音声じゃな」
ついに占い爺の本領発揮。
ただもはや人間でさえないのはどうかと思うが。
まあ女神様も人間ではないか。
「勘違いしないで! これは投げた物に関してしかお答えしない決まりなのです。
トラブルの元ですからね」
「うむそれがお役所仕事と言うのじゃ」
爺の魂胆は見え見え。
ついでにルーレットの在り処も教えてもらおうとしてるのだろう。
さすがは元神。抜け目がない。
「失礼な。これ以上用がないのでしたら戻ります」
女神様を怒らせてしまった。
まずい微笑みの女神が怒りの女神に変わってしまう。
どうにか取り繕わなくては。
「ご無礼をお許しください。私どもはルーレットを探しているのです。
どうか女神様のお力をお借りできないかと」
サーマが最悪の雰囲気を変える。
「いいでしょう。その誠実さに心を打たれました。ヒントを差し上げましょう。
ルーレットは泉をきれいにすれば自ずと見つかるでしょう。では私はこれで」
女神様は姿をお隠しになった。
「師匠焦り過ぎですよ。何が自動音声ですか。いくら何でもあり得ない。
それに女神様に前世があるんですか? 」
「フォフォフォ…… あるかもしれんし無いかもしれん。神のみぞ知るじゃ」
格好つける情けない元神の爺。
「だからあんたが神だって! 」
久しぶりの激しいツッコミに爺タジタジ。
「アモ―クス。今はそんな時ではない。考えるのじゃ」
都合が悪くなると真顔で諭すものだから呆れるばかり。
「師匠。それで在り処は? 」
「儂には分からん! 」
考えることを放棄している。
「あの皆さん。言われた通り泉をきれいにしましょう」
ウエスティンは迷いがない。その上疑うことをしない。
「そうじゃなあ。では皆手伝ってくれるか? 」
「水臭いですよ師匠。やりましょう」
手掛かりを求めて泉のゴミ拾い。
「よし泉の栓を抜くか」
「はああ? 」
「冗談じゃ。冗談」
ゴミ拾いと魚の保護。
地味な作業を続けること二時間。
ついに目当ての物が見つかる。
「これは…… 」
「どうしたアモ―クス? 」
「ありました! あったんです! これでしょう? 」
一番最初に見つける。
泉の奥深くに眠っていたルーレットを探り当てる。
「アモやった! 」
サーマと喜びを分かち合う。
「はっはは! サーマ俺見つけたよ。俺が見つけたんだ! 」
「凄い! 凄いわよアモ。天才的」
手を取り合って大げさに喜ぶ。
その様子を見守るリザ。
今にも食い殺されそうなリザの表情を見ると浮気をしないのが一番だと感じる。
でも仕方ないよね。それに二人の時間は大切にしないと。
ウエスティンは羨ましそうにじっと見ている。
「よし掃除もこれくらいで良かろう」
泉をきれいにしルーレットを拾い上げる。
これでようやく目標達成。
最初は妖精で四苦八苦したが何とか目的のルーレットも見つかった。
レアアイテムのゴールドカードも手に入った。時間も制限内でギリギリセーフ。
さあ第五世界を終えるとしよう。
「よし皆の者行くぞ! 」
「おう! 」
第五世界クリア。
ついに第六の扉が開かれる。
果たして第六の世界に待ち受けているものは?
続く
②




