第三の泉
第三の泉に到着。
第一の女神は攻撃的で恐怖の女神。
第二の女神は優しく微笑む感情の無い女神。
第三の女神は如何に?
今度は願いを叶えてくれるだろうか?
期待と不安が入り混じる。
経験者の爺がもう少ししっかりしてくれると助かる。
「おお、あるではないか! 」
爺は年甲斐もなく大騒ぎ。
リザに注意される未来が見える。
「さあ手を叩くのよ! 」
いつの間にかリザに仕切られる。
これではほぼリーダーだった俺の立場がない。
「リザ。待ってくれ! まずは師匠が」
一応は爺に手柄を譲る。
これも爺の機嫌を損ねないようにする為。
ちょっとでも仲間外れにしたり放っておくとむくれるんだもんな。
「ではお手を拝借」
全員で三本締めならぬ四本締め。
俺は訳も分からずにただ隣のサーマを真似る。
一回十五秒。これを心がける。
パーチ!
パーチ!
パーチ!
パチ!
最後はギリギリになってしまいスピードを速める。
さあこれでいいはずだ。
後は第三の泉から女神様が現れるのを待つ。
「どうじゃ? 」
「静かに! 」
「しかしの…… 」
「お爺ちゃんダメですよ」
サーマが諭す。
「しかしな婆さんや…… 」
「だから婆さんじゃないって! 」
「もう静かに! 」
サーマまで注意される。
「やはりイシコロを投げるのが良い。ここはイシコロ村を代表してお主が」
勝手に話を進めようとする爺。
それだったら同郷のウエスティンだっていいはずだ。
「お静かに願います皆さん」
ウエスティンは冷静だ。
あれおかしいな。そろそろ何かあってもいいのに。
まったく反応がないのはなぜか?
泉は光りもせず女神様も姿を現さない。
それどころか荒れもしない。風だって…… 無風だ。
これはどう言うことか? まさか失敗? そんな馬鹿な。
もう一度試すがやはり反応がない。
二度三度と繰り返しても無駄のようだ。
これは完全に騙された?
第二の女神の言う通りにしたのに出てこない。
まんまと騙された。そうに違いない。
クレームを言いに行くか。
「師匠これは? 」
「さあ儂にもさっぱり…… 」
あの……
どこからか聞こえる女性の声。
「サーマ? 」
「私じゃない! 」
首を振り答える。
「だったらリザ? 」
「違うに決まってるでしょう! 」
「では誰じゃと? 」
幽霊でも現れたか?
ゾクゾク
ゾクゾク
どうも寒気が…… まさかね。
「お呼びでしょうかご主人様」
ようやく声になった。
「何じゃ脅かしおって。お主が第三の泉の主。女神様じゃな」
「いかにも我は第三の女神」
どうやら光の演出も泉の水がブクブク言う演出もなし。
経費削減らしい。
女神降臨。
「細かいことはどうでもよい。それよりも我らの願いを聞いてくれんか? 」
「願いですか。それでは一つだけどんな願いでも叶えて差し上げましょう」
ついに本命にぶち当たった。
これで目標のどちらかは達成できそうだ。
元の大きさに戻るか? 爺のくそ付のルーレットか?
選ぶ余地はなさそうに思えるが……
とりあえず話し合うことにした。
「あの…… 早くしてくださいね」
プレッシャーをかける女神様。
「どちらにする? 」
どうしても迷ってしまう。
「では多数決で」
「ダメじゃアモ―クス! 選べん! 」
「元に戻るのも捨てがたいがここはルーレットを選択しよう」
「ダメよ! それでは一生元の大きさに戻れない。今は元に戻ることを優先して」
サーマとリザが口を揃える。
どうする……
「皆さん…… その前に一つだけ頼みを聞いていただけないでしょうか?
もちろん難しいことではありません」
交換条件と言う奴か。さすがにただとはいかないか。
議論する余地はない。受け入れる。
クエスト発生の予感。
「皆さん泉の女神伝説はご存知ですか? 」
「うむ。あの斧を落としたら金の斧をって奴じゃろ」
「私も小さい頃に読んだわ」
うんうんと続けるウエスティン。
だがそれはおかしい。イシコロ村には伝わっていない。
リザも初耳だと言う。一体ウエスティンはいつ読んだのか?
まあ細かいことはこの際どうでもいいか。
「そのお話のモデルにもなった伝説の泉が実際にあるんです。
今では幻の泉と言われてその存在は確認できません。
なぜならその泉は枯れてしまったからです。
我としても懸命に探しているのですが何と言ってもこの泉を離れられないので……
ですから願いを叶えた暁には探しだしこの手紙を渡していただけないかと」
クエストは願いを聞いた後でいいらしい。
「うむその話乗った! 」
「ではこれを」
第三の女神からお手紙を預かる。
続く
③




