表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/115

麻雀する冒険者

目の前には麻雀卓。一式が揃っている。


俺たちは一体何を見せられてるのか?



こそこそ

こそこそ


「アモ。この人ヤバくない? 」


「俺もそう思う」


「儂は最初からそう指摘していたであろう! 」


「そこ! 協力するのかしないのか? 」


ルーレットを人質に取られている以上従うしかない。


それにしても爺はルーレットでこの数学者さんは麻雀。


想像を遥かに超えた戦いだ。しかも絶対に負けられない戦いがそこにはある。



「協力と言っても何をすればいいやら…… 」


「麻雀するに決まってるだろ! 」


「そうっすよね」


「ええ? 私は遠慮したい」


「僕も。初めて見るよ」


「俺は知識だけはある。実際にやったことあったかなあ…… 」


いつの間にかマージャン大会が始まる。



「それで千点いくらかの? 」


「師匠。違法ですよ」


「何を抜かす! ここの法律には抵触しておらん」


「そっか。じゃあいいか」


「おい! 何を勘違いしてる? ただ麻雀をやるのではない」


「やはり賭けるのか? 」


アドレナリン全開の爺。興奮が止らない様子。


「違う! これからやるのはあくまで数学。麻雀を学問と捉え真剣にやるのさ」


「ほう。斬新じゃな」


「今研究してるのは中ドラ三の役満予想」


「はああ? 」


「いや…… だから純粋に数学だ。何も俺がおかしくなった訳ではない」


多少自覚があるらしい。


「本気かお主? 」


「ああ。素人には理解できないだろうがこれも大切な研究さ」


自信満々のイカレタ数学者。説得力があるようでまったくない。


こうして俺たちは訳の分からない研究に引っ張り込まれる。



ジャラジャラ

ジャラジャラ


とりあえず一局打ってみることに。


ポン。


中を鳴く。


「もうダメだって! 」


自称天才数学博士からお叱りの言葉を受ける。


「いいか。鳴いたら役満にならないだろ? 」


鳴くとは相手の捨て牌を奪って自分のものにすること。


これでは大きな手にならず到底役満には届かないので注意してる訳だ。


「いや大三元があるし爺一色もある! 」


「師匠! 師匠! そこは字一色ですよ」


どうにかフォローする。


結局ジャラジャラして終わる。


うーん何も収穫なし。


これが学問。ひたすら無駄と思えることを繰り返すことで光明が見えてくる。


決して楽ではない。だが学者はそれゆえに惹かれる側面がある。



博士の判断。


「うーん。やはり難しいか」


「ねえ。そもそも無理なんじゃない? 」


サーマがズバリ指摘する。


「うむ。その通り。考えずに無心に打つのが健康法」


爺の健康法は怪しいが何と言っても元神様。実践するのもあり。


「健康麻雀と言うであろう? 」


「あーもううるさいな! 」


我慢できずに放り投げるイライラ数学者。


これはいけない。物は大切にね。



「もう一局! 」


仕方なく付き合うことに。


ポンポン

チーチー


相変わらず鳴いてばかりでちっとも役満の気配がない。


「もう一局! 」


「あの…… そろそろ…… 」


このまま続ければ朝まで行きそうだ。


もう辺りは真っ暗になっている。


「ここで泊まっていけばいいだろ? 」


勝手を抜かす。


だが確かに泊まる当てはない。ここは遠慮せずに泊まることに。


しかしここの主人は徹マンを強要するからいけない。


「ほらほら早く! もう一局! 」


ダメだ。どうにか断らなくては。貴重な時間が麻雀に費やされてしまう。



「おい。もう眠くなったわ! そろそろ寝かしてくれんか」


爺が吠える。


こういう時にはっきり言ってくれる迷惑爺が居ると助かる。


「悪いね。今布団切らしてるんだ」


「食い物屋か? 調達して来い! 」


思いっ切り命令口調の爺。


機嫌を損ねてはと渋々用意する男。


何とか徹マンだけは回避。



翌朝。


男のペースに持って行かれる前に先制攻撃。


「ちょっといい。私たち時間がないの。くだらないことで手を煩わせないで! 」


サーマの直球に腰が引けた自称数学者。


「ふふふ…… いいですよ。いつでもお帰りになって下さい。


ですがこのルーレットは渡せないな」


さすがは理系。脅しも嫌らしい。


ルーレットを人質に取り我々を強要する。


まったく本当に抜け目のない奴だ。


「ほら大人しく打ちましょうね」



パチパチ

パチパチ


「お主。儂ら以外に協力者はいなのか? 」


研究は一人では到底不可能。助手等の協力者が必ず一人や二人いるもの。


「ははは…… 代打ちですか? 残念ながら一人も」


衝撃の告白をする。


「博士! 感動しました! 」


なぜかウエスティンがシンパシーを感じ涙する。ついでに汗も垂らす。


「よし良かろう。ウエスティンを貸してやる。だから儂らを解放しろ! 」


交渉役の爺。果たして?


「駄目ですよ。四人いないと打てないでしょう? 」



うおん

うおおん


爺が泣きつく。もう疲れたらしい。


「博士。今日はこれくらいで。師匠がもう限界です」


「よしいいだろう。ひとまず休憩だ」



昼飯の時間。


今日の献立は何かな?


燕…… 返し

茶…… チャンタ

ソース…… ソーズの清一色。


「うむ。美味であった」


「どこが? 」


食事を終えると再び卓を囲む。


                 続く

                 ④

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ