一難去ってまた一難
即死モードのウエスティンでは荷が重すぎたか。
土下座させられる哀れな従者。
パーティー全滅による初ゲームオーバーがまさかの一般人。
それだけは何としても避けねば。
あまりに情けな過ぎる。
ここは爺に任せるしかない。
「師匠。仇を! 」
「うむ。任せておけ」
ついに元神の真の実力が明らかになる。
「ちょっと大丈夫? 」
サーマは冷静に相手の戦力を分析している。
ペガサス症候群の影響もあり本調子ではない病み上がりの爺。
果たして?
「お主たち神を信ずるか? 」
「何だこの爺さん? イカレテねえか? 」
くそ生意気な集団。
いくら元神でも歯が立ちそうにないが……
「いやいやお主らと争うつもりはない。
実はな儂はこの辺りでは有名な占い師」
あーあ。ついに自分で認めてしまった。
元神でも魔法使いでもなく怪しげな占い師になってしまった。
前回も前々回もそれで成功してるものだから味をしめたか?
ただ単に即死モードで破滅する愚か者を笑う困った神なのか?
それだと俺も即死モードだから爺のオモチャに変わりない。
「占いだとよ。どうする? 」
男だけかと思いきや女も数人。
「いいんじゃない。どうせ暇なんだから。タダ? 」
「もちろんタダに決まっておろう。無料でお主らの未来を占って進ぜよう」
「本当? 」
「もちろん。では手を見せてくれんか」
手相占い? 爺にそんな力あったけ? まあいいか。
大人しく見守ろう。
「ちょっと何するのよ! 」
どうも様子がおかしい。
「こら舐めてんのか! ああん! 」
子供向けではない発言が続く。
「おい。小さい子がいる。もう少し言葉に気をつけんか! 」
もはやその辺の爺のお説教と化した。
「どこどこ? 」
首を振り続けて痛めてしまう愚か者。
「まあよい。それではそちらのお嬢さん」
「止めた方がいいよ。こいつ触るのが目的だから」
「馬鹿な。儂は運勢を見ようと必死に…… 」
言い訳を始める爺。何となく怪しい。
「では最後に服を脱いでもらおうかのう。ウヒヒヒ…… 」
「きゃああ! 」
ついに本性を現した変態爺は若者によって成敗される。
「ふざけるな! 二度とするんじゃねえ! 」
ついに屈服。土下座をさせられる羽目に。
これが元神とはあまりに情けない。
ウエスティンはまだ分かるが爺さんまで成敗されるか?
「ははは! そろそろ行こうぜ。こんな爺さん相手にしても時間の無駄だ」
大音量の迷惑者たちは姿を消した。
「ふう。これで危機は去った」
「師匠大丈夫すか? 」
「ああ問題ない。これも作戦通り」
サミーが疑いの目を向ける。
ウエスティンに続いて元神まで倒される事態に。
「あなたただの変態でしょう? 」
「馬鹿を抜かせ! ルーレットを使い即死モードにしてやっても良かったがな。
だがそれでは奴らは離れはしない。
興味を完全に失わねばいつまでもついてくる厄介者。これしか他に手はなかった」
「要するにわざとやられたと言うの? 」
「うむ。これも一つの戦い方。奴らは単純で飽きやすい。下手に抵抗すれば危険」
「でもわざと触ったでしょう? しかも裸にまでしようと」
「これも高等テクニック。裸にされて嫌がらない者はいない。
儂を勘違いしてくれればいいのだ。辱めは儂が甘んじて受ける。それでいい」
格好つけてるがあまりにも情けない元神。
「師匠お見事です。これぞ奥義」
「うむ理解してくれたか。さあ奴らも行ったことだし旅を再開するぞ」
おう!
邪魔者は居なくなったと思っていた。しかしその考えは甘かった。
今度は猛スピードで崖を登ってくる命知らずの困った奴ら。
一台ではなく十台以上で道を占領する。
危険極まりない暴走車。
これはまた厄介なことになりそうだ。
一番はこいつらに攻撃出来ないこと。
いくら一般人からかけ離れているとしても人間は人間。
言葉が通じるとは限らないが魔法も武器も使えない。
もちろん防具だって無効になる。
そうすると我々はただの重い格好をしたコスプレイヤー。
いわゆる変態だ。
「師匠。どうすれば…… 」
「怯むでない。奴等とて儂らを相手する程暇ではない」
一瞬で過ぎ去った。
我慢して耐えたのが功を奏す。
ロクな奴がいないが慣れてしまえば可愛いい者。ははは……
そんな風に舐めているとやはり引き返して来た困った奴ら。
「こら戻って来るでない! 」
爺の願い虚しく興味を示した車の集団。
いわゆる峠に集まると言うルーレット族。
またしても厄介な者に目をつけられた。
続く
⑤




