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拷問地獄 もう嫌だ!

将来別れる運命にあるかわいそうで親切なカップルを横目に倉庫に近づく。


「ほら気をつけて」


ここでは静かに。気付かれてはアモ―クスの命が危ない。


慎重に近づく。


海沿いに怪しげな倉庫が続いている。


このどれかにアモ―クスが監禁されていると見て間違いない。


手当たり次第探す時間的余裕はない。


ここは作戦を立てることにした。



作戦1 火事だと騒ぐ。


作戦2 出てきたところを不意打ち。


作戦3 逃走者を一気に捕まえる。



神の采配でアモ―クスを奪還?


だがこれは従者ウエスティンの作戦。


即死モードの彼に頼って果たして大丈夫なのか?



役割分担を決める。


まず誰が叫ぶかだ? この作戦では叫び手の演技力にかかっている。


「やはりここはお主が適任じゃ」


栄誉ある役にウエスティンが選ばれる。


「ちょっと待って。一番弱い彼に任せて大丈夫? 」


「平気じゃ。あくまで叫ぶだけ。不意打ちは我々の担当」


情けない作戦。


いくら人間には魔法も武器も通用しないからと言ってまさかの不意打ち?


それでも勇者? プライドが邪魔をする。


アモ―クス奪還作戦開始。



その頃倉庫では。


俺は耐えた。


朝までの拷問。それは辛く耐えがたいものだった。


嫌がる俺に無理矢理だからな。


思い出しただけでも寒気がする。いやこれも立派な思い出。


恥じる必要はない。そう自分に言い聞かせる。



昼飯を終え再度拷問の時間。


「ほら早くしな! 」


デザートのプリンを急いで口に入れ茶で流し込む。


お替りも許されず項垂れる。


なぜ俺がこんな目に? 理不尽だ。あまりに理不尽だ!


すべてを脱がされ恥ずかしい思いをさせられる。


これは耐えられない。男のプライドがズタズタに切り裂かれる。


気力が持たない。


「おーい! 」


どこからともなく声がする。


心に直接届く有難きお言葉。


間違いない! 師匠だ。助けに来てくれたんだ。


俺も拷問に耐えこの窮地を脱する。


今踏ん張らなければ。強い意思を持て俺!


うん。俺なら大丈夫! 勇気が湧いてきた。



「お昼も過ぎたし最後の仕上げに行きましょうかボク? 」


舐め切っている女。


パンチが飛んでくるのか。蹴りが入るのか。


だがそんなことはどうでも良い。


最後の力を振り絞って抵抗してやる。



「おーい! おーい! 」


さっきっから師匠が叫んでいる。


これは近い。どんどん迫っている。


助かった!


だがそんな希望を打ち砕くアイテムが。



女はムチを手にする。


これは反則だ。それにこの時間帯では許されない。


続けてロウソクを取り出す。


何かとっても嫌な予感がする。


俺はそんな趣味ないぞ。あっても言いはしないが……


「ごめん。縄跳びなかったからこれでいいでしょう? 」


暇つぶしに縄跳びをするつもりがその縄が無いと言うお粗末な女。


これが可愛くて綺麗でなかったらキレているところだ。


ムチで縄跳びなど出来るのか?


薄暗い倉庫に火が灯った。


ロウソクの明かりでゆらゆらする世界。


徐々にロウソクの灯が近づいてくる。


もう俺は彼女の言いなり。


昨日までの俺じゃない。



「ほら服を着せてあげる」


甲斐甲斐しく世話をする彼女にドキッとする。


ロウソクに縄でもっとドキッとする。


心臓に良くない。


後ろ手に縛られた縄が緩み始めた。


あと少し。あと少しで自由が手に入る。


これも日頃の善行があってだろう。師匠の世話も見えない苦行。



さっそく縄跳び開始。


どう言う流れでこうなったか覚えてないがこれはチャンスかもしれない。


必ず隙ができる。


そのわずかな隙を突いて俺は自由を取り戻すんだ。


いつまでも囚われの身だと思うなよ。


俺はそこらの男とは違うのだ。


一回、二回、三回…… 十回飛んで成功。


「やるじゃない。しょうがないな」


女は一枚服を脱ぐ。


うん? ううん? 


言葉がない。


「どうしたの興奮した? 」


「馬鹿な! 俺はそんな人間じゃない! 」


「どうする続ける? 」


「ちょっとタイム。疲れたから」


「しょうがないなあ」


「もう一人はどうした? さっきから姿が見えないが」


「ああ、あの人ね。今はいない。ボスを迎えに行ってるところ」


「ほうそれはラッキーだな」


「嫌らしい目で見て。男はみんな同じね」


「うるさい始めるぞ! 」


ムキになり彼女に良いように操られてしまう。


再び地獄の拷問タイム。



後手でバランスも悪い中連続して十回も飛ぶ。


一回二回…… 十回。


はあはあ

はあはあ


息を切らし何とか飛び切る。


「ハイハイ。ご苦労さま」


女は何のためらいもなく靴下を脱ぎ始める。


惜しい! じゃなかった……


これが可愛くて綺麗じゃなかったら耐えられない。


俺は昨日から耐え続けた。だから分かる。限界が近づいてると。


もう彼女の思い通りに動くペットになり果てた。


師匠。俺は俺はどうしたらいいんですか?


師匠! 師匠! お導きください!



願い虚しくおーいとしか聞こえない。


                 続く

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