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ルーレット占い

まだ汚れてはいるが監視役もいなくなったのでお掃除を終える。


儂を残し勝手に行ってしまった薄情者。待ってくれても罰は当たらない。


まったくなぜこの神である儂が人間のゲロ拭いなど。


そもそもウエスティンは従者。立場が逆ではないか。


まあ済んだこと。神がいつまでも根に持つのは情けない。


従者ウエスティンの為だと思って我慢する…… だがやっぱり納得いかない。


憂さ晴らしに散歩でもするか。



ブラシを放り出しぶらぶらする。


ちょっと歩くと釣り客が数人。夜釣りだろうか?


せっかくだから見ていこう。


「釣れますか? 」


「邪魔だどけ! 」


趣味の釣りを楽しんでるようだがなぜか機嫌が悪い。


どうやら一匹も釣れずに八つ当たり。大人げない奴じゃ。


タバコを咥えイラつく人相の悪い男。


もうちょっとからかってやるか。


「どうじゃ釣れてるかの? 」


「だからバケツ見ろや! いるか魚が? 」


「リリースしたとか? 」


「いや今日は一匹たりとも釣れちゃいない」


そうすると今日一日竿を垂らしていただけ。


何と残念。ご苦労なことだ。からかうのがかわいそうになってくる。


「リリース主義ではないと? 」


「こちとら晩飯がかかってるのよ。行ってくれるか? 」


この様子では魚にも相手されないのだろう。


もうちょっと遊びたかったがもう相手にされなくなった。



次の人。


「釣れてますか? 」


「いやあ大漁大漁。今日は運がいいね」


人によって場所によってこれだけ違うとは何とも不思議。


ただ腕の違いなのか?


戻って確認するのも悪くない。


「これがですね…… それからこの小さいのは…… 」


自慢したくて仕方ないらしい。聞いてやってもいいが儂はそこまで暇ではない。


このままだと一時間は語り続けるに違いない。そうなる前に退散するのがいい。


とりあえず置き土産を残すとしよう。


「それは素晴らしい。ではこれを回してみよ」


「おお面白そうだね。何? 何? 」


今日絶好調の彼。もしかするとルーレットも良い目が出るかもしれない。


では行って見よう。ルーレットスタート。


願い虚しくルーレットは例のごとく八に止った。


「どうですか? 」


「ハハハ…… 大漁モードですかね…… それでは頑張って」


ついつい調子に乗る者に罰を与えたくなってしまう。


まあ今回は即死モードと言っても釣りに関すること。危険はないじゃろう。


うん? あの背びれに影。まかさ…… まあいいか。後のことは知らん。



次は男女二人組。


「ちょっと爺さん。こっちに来ないでよ! 運が逃げちゃう」


「いや待て待て。神だぞ? 」


「だから来ないでって! 」


神を無視する愚か者め。神の怒りを知るがいい! お仕置き決定。


「どうじゃ釣れておるか? 」


二人組。男は社交的。女は何を嗅ぎ取ったのか嫌がっている。


まあ気のせいだろう。


「何よ爺さん。あっち行ってよ! 」


「済まんがこの辺に人を隠せるところを知らんか? 」


「はあ? あんた何言ってるのよ! 」


「じゃから人を…… 」


「あっちに行って! 倉庫があるから好きに見て回ればいいでしょう! 」


親切にも貴重な情報をくれた。これはお仕置き。いやお礼をせねば。


生憎このルーレットで運命を占ってやるぐらいしかできないが。


実に親切なカップル。



「それでこの辺で怪しい奴は? 」


「だからどう見てもあんたでしょう! 」


「儂は神じゃがな」


「そんな訳ないじゃない! 」


「神に神ではないとは? 何を言っておる? 」


「済みません。怪しい人ですよね。それでしたら昨日夜釣りした時に見ましたよ。


あの連中一体何してんのかってね」


「ちょっと昨日は仕事だったでしょう? 」


「だから漁だって仕事だろ? 」


「そっか…… 」


言い争いを始めるが男の方が言い包める。修羅場を迎えずに済みそうじゃ。


「よしお世話になった礼にこれを回してみよ」


カップルの未来を占う。


ルーレットは八で止る。


「これいいの? 」


「まあ…… まあ…… わ…… る…… 」


「やった! 」


二人の関係は冷え切るでしょう。


未来天気予報より。


最後のお礼とお詫びをし別れる。


宿へ戻る。



「もう爺さん! 早くしてよ。アモ―クスの一大事なんだから」


「ははは! 有力情報を得たぞ」


ウエスティンはもうすっかり良くなっていた。


アモ―クス失踪に続いてウエスティンまでとなれば誰が儂を敬ってくれる?


一人復活。一人特定。


港町までやって来た三人。


囚われのアモ―クスの居場所を特定。


「どうする二人とも? 」


「今すぐ急襲するしかないでしょう」


「いやもう少し待とう。暗くなるまでは奴らだって手出しできないはず」


「ダメ! いつやられるか分からない。ここは急ぐの! 」


随分勇敢になったサーマ姫。


「よし分かった。とにかく様子を見よう」


二人の意見の間を取る。



道具屋に行きありったけのアイテムを揃える。


続いて金物屋で武器になりそうなものを選ぶ。


最後に服屋に行って動きやすく壊れにくい物を買って終了。


不仲になったカップルを横目に倉庫に近づく。


                 続く

                 ⑤

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