番外編 甘党少女ラジオ。
この回は、本編とは関係ないので、飛ばしても大丈夫です。
「はいどうも。神代凪です」
「ゲストの影山、涼香です」
音声はちゃんと入ってるな。よし。
凪に指で丸を作り、OKとサインを送ると、頷きで返してくれる。
「それでは、早速ですが、今日のお品書き。キャラクター設定紹介と、初期草案の紹介。あとは今後についてですね」
「なる、ほど」
「そのまえに、一つ良いですか?」
「良い、ですよ」
「これ、私の負担、大きくないですか?」
「と、言います、と?」
「甘党少女何て呼ばれてるの、私だけですよ」
「確かに、そう、ですね」
「つまりこれ、私毎回やらなきゃいけないって事じゃないですか。引きこもりを収録スタジオまで呼びつけるって何か鬼畜です」
「でも、凪さん、結構、外、出てる。引きこもりの、定義に、合わない」
「うっ……作者さんの前作のメイドさんたちは本職二人いて、しかもコスプレでもOKで、甘党少女のコスプレって何ですか、もう一人増えたりしないのですか!」
まぁ、俺も監督しにここまで来るのめんどい。
「はぁ、まぁ良いです。さて、では。キャラ紹介ですね。今日は二人紹介。まずは主人公、荒谷諭さん。神薙という名前でネットに小説を投稿。初めての投稿作品である『我が家のメイド』でブックマーク数二千を記録、あとは、一日に獲得したポイント数で決まる日間ランキングでは、百位以内を記録したことがあります。性格は、まず口が悪い。執筆のために簡単に生活習慣を壊す。執筆をやめてからはわりと良好だったそうですけど」
「バイト先、では、面倒見が、良かった、です」
「へぇ」
「新人教育、率先して、やってました」
何も聞かずに勝手に進められてミスられると面倒だからな。
「それは、なんか想像つきます。ちなみに彼は、主人公らしくして欲しいなぁと思いながら書かれた人だそうです。主人公らしく悩みながら突き進めと。次は私、神代凪です。ヒロインです!」
「よっ、ヒロイン!」
「珍しくノリが良いですね。容姿端麗、スタイルも良い、成績優秀、家事万能……我ながら完璧ですね」
「引きこもり、不登校。結構な、オタク」
「オタクは弱点に入りますか!? 否定はしませんけど、ちなみにオタクに引きずり込んだのは諭さんの小説です。引きこもり時代の暇つぶしですね。見つけたのは」
「凪さん、って、見るからに、漫画は、ワ〇ビースとか、ド〇ゴンボールくらい、しか知らなくて、それ読んでるから、オタクです、とか言いそうな、見た目、じゃないですか。何なら、それも、知りません、なんてこと、ありそう」
「あ、あはは。結構あれなイメージだ。あはは。それは置いておいて、作者さんの代表作的ポジション、『クラスメイトなメイド』の、朝野陽菜さんが、理想を具現化したヒロインなら、私は、今傍にいて欲しいヒロインをイメージしたそうです」
「今傍にいて欲しい、ですか」
「はい」
あっ、放送事故。
お互い黙ってしまった。
初回だから、仕方ないか。
「あっ、初期草案の紹介、忘れてました」
「凪さん……」
「えっと、最初は私が、突然活動休止したアイドル。諭さんはそのファンだったそうで」
「へぇ」
「それで、諭さんプロデュースの元、動画配信サイト、とか言ってますけど、イメージしてるのは完全に、You 〇ubeですね。そこから新たに活動を開始するストーリだったそうです」
「それは、それで、おもしろ、そう」
「あははー。書くのが難しそう、が作者さんのコメントですね」
「それで、今後、は、どうなのです、か?」
「ぶっちゃけると、butは回避されました。残るは、トゥルーとグッドのみです。片方は、私抜きでストーリーが進行して残りの話を回収、完結。もう片方は、私と諭さんがイチャイチャしながら残りのストーリーを回収、完結です」
「バッドは生存してるのですね」
「そうですねぇ。もう書く事無いので言っちゃいますけど、助けなきゃ、という意思だけに流されて、けれど一回目ではできないのですけど、私の両親に後押しされて、周りに流されて、私のお腹に子どもを作って、私と諭さんの意志はどこにあるんだって話になります。それで、お互いの間に深い溝ができる。というのがバッドですね。中々鬱な展開なので、選ばれませんようにと祈ってたそうです」
「へ、へぇ。凪さん、よく押されましたね」
「私、わりとMなところもあって、最初の頃、諭さんに冷たく扱われても、わりと嬉しかったりしました」
「……今日は、おわり、ましょ」
「えっ?」
「これ以上。ヒロインの、イメージ、崩壊、避ける、べし」
「は、はぁ。お品書きは終わったので、あとはエンディングトークでしたけど。そうですね、終わりましょうか。ではでは。神代凪と」
「影山涼香でした」
「どうでも良いですけど、番外編の、本編に欠片も影響のないラジオ回とはいえ、メタ発言、内輪ネタ大過ぎって、どうなのですかね」
「凪さん、マイク、まだ、入って。ます」
「あっ」




