第三篇:勇者篇 第二章 誰が妻でしょう(1)
「くそっ。まさか本当の兄がこの世界にいるとは予想外でした」
レミーロは悪態をつきながら歩く。
「おい、なんでさっき殺らせてくれなかったんだよ」
バジルはイライラを隠さず近くの木を殴り倒す。
戦闘狂の彼にとって強者と戦うことこそがすべて、そんな彼は魔王という圧倒的強者に出会ったのだ。それが彼の本能を刺激しないわけがない。
一方、レミーロはというと彼も彼で苛立ちを隠せないでいた。
(まったく、勇者さえいればあの気持ち悪い種族を根絶やしにできると思っていたのに)
すると、レーミロはバジルのことを無視して考えに耽っていたので、バジルは肩をつかむ。
「おい」
「なんだ」
レミーロは煙たがるようにその手を払う。
「なぜあそこで一気に決めなかったのかって言ってんだよ」
レミーロはさらに表情をこわばらせながら悪態をはく。
「単純な計算もできないのか」
そういって「はぁ」とため息をつく。
「まぁいい、仕込みは出来てる」
「しこみだぁ?」
「あぁ」
バジルはそれが何のことかわからず訝しげにレミーロを見るが、そういう策略や謀略にまったく興味が
ない彼にとってあんまり興味がなかったので、気にしないことにした。
「さて、この後の展開が楽しみだ…」
森の中に不気味な笑い声が響いた。
(とりあえずスレべニア王国へいき、体勢を整える。そして、すべてが整った時この世は我々のみが支配することとなるのだ)
最後まで読んでいただけるだけで感謝です。
前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。




