表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/151

第三篇:勇者篇 第一章 再会(13)


「無事かの」


「あぁ」


 ルーシー視覚が戻ったようでこちらへと降りてきた。


「海斗様」


「お兄ちゃん」


 すると、サナと未久もこちらへとやってきた。


「二人とも大丈夫か」


「うん」


「はい」


 そう返事をする二人の体を見ても、目立った傷は見られない。

 とりあえず大丈夫そうか。


「お兄ちゃん…。その…」


 未久は何やら気まずそうな表情でこちらに身を寄せてくる。

 あぁ、そうか。


「こちらのウサギ耳の人がサナさんだ。それで、このちっちゃいのが魔王のルーシーだ」


 俺が説明すると、未久は意を決したようにまずサナの前に出る。そして…。


「ごめんなさい」


 そういってあたまを下げた。


「あの斬撃は私が放ったものなんです」


 すると、サナさんは少し驚いた表情をしたが直ぐに微笑みながら…。優しく抱き寄せた。


「いいんですよ。仕方がありません、あなたは騙されていたのですから何も誤ることはナニのですよ」


「それでも、ごめんなさい…」


 おそらく、この「ごめんなさい」は未久にとってサナさんだけに向けたものではないのだろう。

 事実、サナさんが抱擁を解くと未久の目は少し赤くなっていた。

 そして、今度はルーシーの方を向く。


「初めまして、滝沢未久です」


「ふむ。ルーシーじゃ」


「…」


「…」


 やはり、ずっと魔王という存在を敵対視してきたからかなんとも言えない雰囲気が二人を包む。

 だが、それを壊したのはみくだった。


「私は、あなたをずっと追ってきました。それでいきなりあなたは敵じゃないといわれて正直困惑してい

ます。けれど、お兄ちゃんが信じている人ならば私も同じように信じようと思います」


 そういって、右手を差し出す。


「分かっておる。いきなり我を信じよというのは酷という話じゃ」


 ルーシーはそういうと差し出された右手をとる。

 俺たちがその姿を見ていると、いきなり居るはずのない人の声が後ろからした。


「あのぉ、私どうすればいいですか」


 振り返ると、そこには先ほどの女魔法使いが立っていた。




最後まで読んでいただけるだけで感謝です。


前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ