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第三編 : 勇者編 第一章 再会 (9)


私はとんでもないことをしてしまった。

一人森の中を歩きながら、サナは一週間前の出来事を思い出していた。


あの後、海斗がおひま様抱っこで運んでくれたベッドで、海斗を感じながらもう一度眠ろうと思っていたのですが眠れません。

なんて言ったって、合法的にこの布団で寝ることができているのですから寝るほうがもったいないというもの。しかし、海斗をソファーで寝かしてしまうことには少し負い目を感じてしまう。


しばらくすると海斗が起きました。

どうしたのでしょうか。あ、飲み物を漁っていますね。でもそれは…。

海斗は部屋にあったよりにもよって強いお酒を水か何かと勘違いしたのか一気にたくさん飲んでしまいました。


そして、すぐにフラフラとし始めます。

私は急いで海斗の元へ向かい体を支えます。


「海斗、大丈夫?」


「うぅー」

どうやら意識はほとんどないようですね。

とりあえず、ベッドまで運び横にさせます。すると、あっという間に寝息を立て始めました。


「あぁ、なんて可愛いのでしょう。タベちゃいたいくらい…」


私は彼に寝顔を見ながらそんなことを口走っていました。


そこで、もう一人の私が提案します。既成事実を作って仕舞えばいいと…。


そこからの行動は早かった。罪悪感を抱きながら、海斗を独占したいという欲には抗えず、海斗の服を脱がしていきます。

鍛え上げられた身体、戦いで残った傷跡、そして、その…。り、立派な…。


すぐに布団をかけました。風邪をひかせるわけに話いきませんからね。

なんとか全ての服を脱がし終えた私は、海斗の隣へ意を決して体を潜り込ませようとします。


自身の服を脱ぐのを忘れてました。

とりあえず、恥ずかしいので海斗の顔まで布団をかけます。


脱ぎました。


今度こそ、私は海斗の隣へと潜り込みました。しかし、それ以上のことはやはりできませんでした。

ここで手を出して、海斗を私のものにすることは容易でしょう。彼は優しいですからね、私がヤッたと言っても「責任を取る」とかなんとか言って譲らないと思います。


ただ、それは、それだけはやってはいけない気がしたのです。

正直なことを言うと、ただ一線をこえる度胸がなかったと言うのもありますが。

そう言うわけで私はここ一週間海斗を避けてしまっています。冷静になってあの時のことを思い出すと、申し訳ない気持ちにさ訛れます。


「はぁ」


生えている薬草をむしり取りながら思わずため息が溢れます。

この薬草を取っているのも、大切な仕事である海斗との勉強から逃げるため。だけど、私自身気づいているのです。


このままではいけないと…。




――― 話そう、本当のことを。そして、しっかり謝ろう ―――




そう決心した次の瞬間、後ろで大きな爆発が起きた。




最後まで読んでいただけるだけで感謝です。


前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。

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