第三篇:勇者篇 第一章 再会(4)
「はい。先にお聞きしますが、彼女、メイドのサナとは恋仲なのですか」
「ブハッ」
いきなりのとんでもない質問に、思わずむせてしまう。
「な、何を言っているんですか」
「いえ、お二人は普段からとても仲がよろしいように見えます。それに、今の状況ですと逆に考えないほうが不自然化と」
そういわれ、改めて自分の状況を確認する。
(で、ですよねー)
「別に付き合ったりしているわけじゃないですよ。それに、俺みたいなのを好きになるやつなんていない
ですよ」
そういって苦笑いをこぼす。
「そうですか」
俺の言葉を聞いて、少し怪訝な表情をするがすぐに元に戻す。
「でもなんでそんなことを?」
「いえ、海斗様はご自分のことを「俺みたいな」とおっしゃいましたが、海斗様に好意をお持ちの方は多
いのですよ」
「そ、そうなんですか」
「本当はお気づきなのでしょうが、その中にはもちろんルーシー様もいらっしゃいます。私はルーシー様が幼いころからお仕えしてきました。今でこそあのように笑うようになりましたが、昔はほとんど一人でお過ごしになられてました。話すとしても、あのメイドの三人のみ。もちろん友達と呼べるようなかともいらっしゃいませんでした。私としては、そんなルーシー様の初めての恋を私は応援してあげたいのです」
「…」
俺は思わずそれを聞いて黙りこんでしまう。確かに、みんなからの好意は何となくだが感じていた。そして、今この話をしたということはそういうことなのだろう…。
「今すぐにとは言いません。しかし、考えておいてほしいのです、これからのことについて」
そこまで言って「以上です」と言い、俺が黙ったままでいると「失礼します」と言って部屋を出て行ってしまった。
俺は一息「はぁ」とため息をつくと、サナをお姫様抱っこしベッドに連れていく。しっかり風邪をひかないように布団をかけると、そっとそのままベッドに腰を掛けた。
サナの顔をみると、先ほどまで気持ちよさそうにしていたのだが、少し落ち込んでいるような顔に見えるのは気のせいだろうか。
慣れていないお姫様抱っこなんかで運んだからか前髪が乱れていたので少し整えようとするが、先ほどのことを思い出し手を止めた。
そして、ベランダの方に出ると、そこでしばらくの間、街の明かりに目を落としながらセバスさんに言われたことを考えるのだった。
最後まで読んでいただけるだけで感謝です。
前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。




