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第二章 王国編 エピローグ(4)


「これはこの国において重要な人物であることを証明するようなものだ。これがあればたとえ魔王の刻印が現れていても速やかに入国することが可能だ」


「なっ、そんな大事なものもらうわけにはいかない。それに、俺はそんな大層な人物じゃない」


 そういって受け取るのを拒むと、きょとんとした顔をするエリス。一方、アリスはこちらを睨んできた。


「何を言っておる、今やお主は私の許嫁。王となることを約束されたものであるのだぞ。そのような者が

それを持っていてもなにもおかしくはあるまい」


 どうやら結婚はまだしていないようだが、運命はもう帰られないようだ。だが、後ろで「せっかく記憶を消したというのに」「余計なことを」などというとんでもない発言が聞こえた気がしたが、勘違いだろう。


そう、きっと…。



「それなら、ありがたく受け取っておくよ」


 俺はなくさぬよう小さな子袋に入れ首から下げることにする。


「じゃあ、またくるよ」


「あぁ、できるだけ早く来てくれると嬉しく思うぞ」


「善処するよ」


 そう言って苦笑しながら、隣に立つアリスに顔を向ける。だが、まだ起こっているようでなかなかこちらを向いてくれない。


「アリスも元気でな」


 これ以上嫌われないためにも、仕方なくそれだけいっていこうと思ったのだが。


「その呼び方辞めてって言ったでしょ」


 さらに、彼女のご機嫌を斜めにしてしまった。


「わ、悪い。じゃ、じゃあとりあえずまたな」


 最後にもう一度エリスに顔を向け視線をかわすと、再び歩き出す。だが、二散歩進んだところで…。


「ウソ。これからはあんたも呼んでいいから」 


 アリスは「それだけっ」というと、顔を真っ赤にしながらそのまま走って城の中に入って行ってしまった。


「何なんだよ…」 


 俺がアリスのその謎の行動にため息を一つこぼすと、再び俺に集まる視線に気が付く。


「まったく、見境のない奴じゃのぅ」


「同感です」


「これは、面白いことになったな」


 三人が俺の方を見てそんなことを漏らしてきたが、俺には何のことか全くわからなかった。

 そして、エリスに見送られながら俺たちは国に帰るべく東に向かって歩き出したのだった。



                                    


                                   王国篇 FIN ~







最後まで読んでいただけるだけで感謝です。


前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。


閑話? もしくはそのまま次の話にうつります。

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