第二章 王国編 エピローグ(3)
更新が止まってしまい、申し訳ありませんでした。
そして、ルーシーに関しての話は第一篇として、王国篇は第二編という変単位に変えたいと思います。
その瞬間場の空気が凍り付いた。
俺は、疑問符を浮かべながらゆっくり顔を動かして振り返る。
「え、今、なんて…」
「だから、結婚式と言っておろう。お主が私に告白してきたのだ。いやはや、今まで私もこういう身分であるからな幾度か好意を告げられたことがあるが、お主に告げられた瞬間ビビッとくるものがあったな。これが恋というものなのだと初めて実感したぞ。とすると、海斗が私の初めてということになるな、ワハハ…」
そんな陽気なエリスとは対照的に、俺は一気に正気を失う。
(け、けっこん? けっこんって刑事ドラマとかで出てくるあれか、ってそれは血痕じゃねぇかぁー)
なんていう一人ノリ・ツッコミをしていると、ものすごい殺気が俺を覆いつくした。
「これはどういうことかの」
「旦那様ぁ、あぁ、だんなさまぁ~」
「おい、クソガキ、お姉ちゃんに手を出すなといったよなぁ」
地獄絵図とはまさにこのことかもしれないと、死地に立ちながらもそんなことを思っていた。
というか、アリス人前なのにそんな口調でいいのか…。
その後、俺は…。えっと何をしていたんだっけ? くっ、思い出そうとすると頭が…。
「ほれ、何しておる海斗よ。早く帰るぞ」
記憶は失ってしまっているが、俺は今城の門に向かって立ち尽くしていた。そして、前にはルーシーとスフィアがこちらを向いて待っている。
「あ、あぁ」
俺は慌てた様子で二人に追いつく。それを確認すると二人とも前に向き直り歩き出す。
そして、城門を出るところで後ろから声がかかる。
「海斗っ」
その声の主は、エリスであった。ハァハァと息を切らしながらこちらに駆け寄ってくる。どうやらアリスも一緒についてきていたようで息を整えていた。
「ど、どうした」
「どうしたではない。挨拶もなしに旅立つとは何事か、昨日ちゃんと声をかけてくれとあれほど言っただろう」
「わるい」
どうやら、記憶を失ったのは昨日から今までの間らしい。そして、チラッとルーシーとスフィアに目線をやると、舌打ちをしていたのでどうやら確信犯だったようだ。
「まぁいい。とりあえずこれは渡しておこうと思ってな」
そういうとメダルのようなものを取り出す。そのメダルをよく見てみると、この国の紋章が刻み込まれており、エリスの名前も彫られていた。
最後まで読んでいただけるだけで感謝です。
前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。




