第一章 動きだす世界(4)
窓からは夕焼けがさし、もうすぐ今日が終わるのだと教えてくれる。
すると、ドアのそばで待機していたセバスさんがルーシーに声をかける。
「魔王さま、そろそろ…」
「うむ」
そう一言だけ答え立ち上がりドアの方へ歩き出すルーシー。
俺も何事か分からずいたが、さっきいつもそばにいるように言われたために俺も立ち上がり後を追う。
廊下を抜けある一室の前にたどり着く。ここに来る間にも、すれ違う人みんながみんなルーシーに首を垂れるので、やっぱり魔王なんだなと思う。
「では、わたくしはここで」
すると、ここまで一緒に来ていたセバスさんが目の前にある扉を開けてからここで離れる。その時に、俺の顔を不安げにみてきたが俺はそれに気にすることもなくルーシーに続いて中に入る。
「「「お待ちしておりました」」」
するとそこには三人の侍女、もといメイドさんがいた。
「うむ」
部屋は仕切りが部屋の三分の二ぐらいのところに置いてあり、今は部屋に入ってすぐの三分の一ぐらいのところにいる。
三分の一といっても、隙間から見える奥の壁から推測するに三十メートルはありそうだ。横は十数メートルくらいの広いところだ。ただ、なぜか湿っぽい。
(なんでだろう)
すると、衝撃の行動をとり始めた。
「な、なにしてんだっ?」
俺は慌てて後ろを向く。それはなぜかというと、先ほど部屋にいたメイドさんたちがルーシーの服を脱がせ始めたのだ。
「なにって、入浴の準備に決まっておるじゃろう」
「にゅ、入浴か。じゃあ、俺はそとで待ってるから」
そういって外に出ようとドアに手をかけたところで、その手首を先ほどのメイドさんの一人につかまれる。
「へっ?」
「何しておるのじゃ。お主も一緒に入るのじゃぞ」
(えっ? 何言ってんのこの娘。一緒に入る…。はっ? てか、なんでメイドさんそんなニコニコ顔なの。ちょっと怖いんだけど)
「いや、やっぱり男女が一緒にお風呂に入るのはよくないというか何というか」
俺はテンパりながら言葉を紡ぐ。
「なんじゃ、そんなことか。お主は子供じゃのぉ。ワッハッハ。召喚獣に見られて気にするやつなどおら
ぬのじゃ」
そういって子ども扱いしてくるルーシー。
(いや、どう見てもお前のほうが子供やんって言いたくなる。言わないけど)
(てか、なんでメイドさんたちは何も言ってくれないんだよ)
「さぁ、主も早く脱がんか」
そういうとメイドたちに指示を出すルーシー。
片腕をいまだ掴まれている俺はもちろん逃げ出せるわけもなく、じりじりと近寄ってくる残り二人メイドさんたちに服を脱がされてしまうのだった。
「ぎやあぁぁぁぁーーーーーーーーーー」
最後まで読んでいただけるだけで感謝です。
前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。