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第二章 王国篇 (24)


『キャアーーーーーーーーーーーーーー』


誰かの悲鳴が響き渡った…。


「くっ…」


 右腕が炎に包まれる。どうやら、魔法が込められた矢が放たれていたようだ。

 激痛が走る。


「海斗っ」


 エリスに声をかけられ、彼女を確認する。青ざめた顔をしているが、どこにもケガなどは見られない。

 俺はそれを確認すると、強化魔法をかけてそのまま何も言わず矢の飛んできた方向へ跳躍した。

 そして、空中に身を投げ出したまま剣を抜き放ち魔力を籠める。


「ハッ」


 一閃。剣から放たれた魔力が逃げようとしていた犯人を直撃する。

 俺はそのまま犯人のいた場所に降り立つと、首根っこをつかみそのままバルコニーへと持っていき放り捨てる。

 先ほどの歓声とは反対に、何が起きたのか理解ができないといった様子で広場の人々はざわついていた。

 その様子を見て俺は大きく息を吸い込む。そして…右手を掲げながら言い放つ。


「今、王女様は何者かに命を狙われた。しかし、既に犯人は捕らえた。もう一度、王女様に祝福を」


 俺の声が届いてか、それともただ雰囲気を感じ取っただけかはわからないが、どこからともなく拍手が沸き起こ…。らなかった。なぜなら…。


「海斗、包帯が…」


 エリスにそう言われ掲げた右手に目をやると、手の甲を隠すように巻いてあった包帯は先ほどの攻撃で焼け落ちており、魔王の召喚獣の刻印が浮かび上がっていたのだった。


(しまった!)


 俺は慌てて右手を下ろし、手の甲を隠すように左手で右手を覆う。


 だが、もう遅かった。


 俺には見えたのだ、ザクロが相貌を崩すさまを…。





最後まで読んでいただけるだけで感謝です。


前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。

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