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第二章 王国編 (23) 演説


純白のドレスを身に纏ったエリスによって沈められた国民は緊張の面持ちでエリスへと集中する。




『今、この世界は戦乱の真っ只中にある。そして、この国はその戦乱で中心とも言うべき場所の近くにある。

それ故に、我々は昔より多大な犠牲を被ってきた。ここの土は痩せており農作物が育ちにくい、育ったとしても戦火により荒らされる。

魔獣も他の国よりも明らかに強く多い。

ここはそう言う場所だ…。

だが私は自信を持って口にすることができる。



――― 私はこの国が、民が大好きであると ―――



たとえ畑を荒らされようとも、再び耕しつづけるその姿勢を、圧倒的力を前にしてもいい国を守るため戦うその勇敢さを、見知らぬ誰かに手を差し伸べられるその優しい心を私はこの国の王女…。いえ、この国の王として誇りに思う。

そんな誇らしい民のために、私はこの戦いを終われせると誓おうではないか。

ここにスリビア・エリス・リフィーアの戴冠を宣言する』





『うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーー』


エリスが演説を締めくくった瞬間割れんばかりの歓声が広場を包んだ。

それにエリスが軽く手を振りながら答える。


(ふぅ、とりあえず何も起きないで終わってくれそうだな)


演説中、エリスが襲われないよう神経をとがらせていた俺は、無事終わりそうな戴冠式に胸をなでおろした…、その瞬間だった。


視界の端になにかがきらめいた。


俺は、それがなにかを確認する前に動いていた。


「エリスっ」


俺に気がつきこちらを向く。


その間にも、危機が近づく。


(間に合えっ)


「…」


瞬間、静寂が場を満たす。そして…。


『キャアーーーーーーーーーーーーーー』



誰かの悲鳴が響き渡った…。




最後まで読んでいただけるだけで感謝です。

前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。


そろそろ忙しさが厳しいので投稿がよりバラバラ、又はマチマチになるかもしれません。すみません。

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