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第二章 王国篇 (13)~ 初めての人間の国 ~


 翌朝、早速アリスにあって対策を練ろうと考えていたのだが、やはり俺たちが会うのはリスクが高いということで城の外で会うことになった。

 一国の御姫様がお城から出るほうがまずいのではないかと思ったが…。


『そんなの抜け出すから関係ないわよ』


 なんて言っていたが本当に大丈夫だろうか。

 そういうわけで、俺は今、城の外、城下町に足を運んでいる。


「しかし、栄えてるなぁ」


 サナさんとの勉強で、この国が魔王国と隣接しており戦いも頻発に起きていることを知っているので、みんなこの国から別の国へ移動しているものだと思っていたが、まるでその逆のようにも思えた。

 道の一本一本が広く、馬車などが通っても問題ないように作られている。その道の両脇には様々な店が軒を連ねており、どこの店も活気にあふれている。


 その店の中で興味を持ったところをのぞいてみては少しばかし買ってみた。主に食べ物を…。

 ちなみに、お金についてはエリスを助けたお礼ということでもあったお金を持ってきているので問題ない。


 しばらくして、俺はある一つの成果物店の前で立ち止まった。

 すると、すぐに横に人が並んできた。


「場所を移動します」


 外套をまとい、冒険者風の人はそういって歩き出す。

 俺はその人がアリスだと思ったのでそのままなにも話さずに後をついていった。

 しばらくあるくと、人気のない路地裏へと入っていく。


「お前、よくこんな場所なんか知ってるな」


 いつも城にいて、その外の事には疎いだろうと思っていた俺は今日初めて声をかける。

 すると、前を歩いていたアリスが足を止めた。その行動にいぶかしげに思っていると。




「無警戒すぎますよ」




 そんな言葉を聞き覚えのない声でかけられた。



「えっ…」



 俺がいきなりのことに戸惑っていると、その声の主がこちらを向きながらフードをとる。


「誰だ、お前…」


 フードをとりそのなかの正体を見た瞬間、俺は一気に警戒度を最大にする。

 俺がアリスだと思っていた人は、謎の黒髪ショートの女性だった。

 その女性は俺の反応を確認すると、「ふふ」と少し笑みをこぼすと正体を語り始めた。


「失礼しました。私はアリス様のそばづかいのミリアと申します。この度はアリス様のご命令により海斗

様とお会いするよう言いつかりました」


 そういいながら軽く頭を下げる彼女。


「そ、そうだったんですか」


 しかし、俺は先ほどの事からまだ警戒を解けずにいると。


「そんなに警戒しないでください、先ほどは海斗様を試しただけですので本当にもう隠していることはありませんよ」


「本当ですかね…」


「本当です」


「そうですか」


 そこまでいってようやく警戒を解く。


「フッ」


 その瞬間、俺の腹部へ拳が飛んできて…。


「なっ」


 直前で止まった。


「すみません、露骨に警戒を解いていたのでちょっといたずら心が出てしまいました」


 そういっていたずらな笑みを浮かべるミリア。


「さいですか…」


 そんなおちゃめな彼女のテンションに戸惑いつつ、再びどこかゆっくり話せる場所に向かうべく二人で

歩き出した。




最後まで読んでいただけるだけで感謝です。


前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。

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