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第二章 王国篇 (5)


 朝日が昇りしばらくしたころ、テントからエリが起きてきた。


「おはようございます」


「おはよう」


「昨夜はよく寝れたようで何よりです」


 そういいながら座っていた丸太から立ち上がると背中をそらして伸びをする。


「海斗は寝ていないのか」


「ん? まぁ」


「ならば私が見ておく、少しは休まんといろいろと問題であろう。なに、何かあったらこの焚火の木でた

たき起こしてやろう」


 そういって燃えてるほうの焚火の木の一本をもち、俺に突き出してくる。


「いや、せめて燃やす前のにしてくれ…」


「む、仕方がないの」


「じゃあ、お言葉に甘えて三十分くらい寝かせてもらうよ」


「もう少し寝てもよいのだぞ」


「これくらい寝れば十分だから」


 実際、大学生時代はバイトの掛け持ちや、課題、授業と多忙でほとんど寝れないことなんかたくさんあった。


「それじゃあ、しばらく頼みます」


 そうエリに言い残すとテントへと入った。

 その後、三十分くらいで自然と目が覚めたのでテントを出る。


「起きたか」


「あぁ」


 俺はあくびをしながら元の位置に座る。


「これ焼いてくれていたのか」


 焚火の周りには昨日俺が焼いたように肉が櫛に刺さって地面刺されていた。


「私も腹が減っていたからな」


「それでも助かるよ」


「ほれ、焼けたぞ」


 エリは二本櫛を抜き取ると一本渡してきたのでありがたく受け取る。

 俺が受け取ったのを確認すると、エリは勢いよく肉にかぶりついた。どうやらこの食べ方というか、肉が気に入ったようだ。

 肉を口に含みながら幸せそうに笑顔を浮かべる。


 こういうのを見ると、「食事はどこの世界でも人を幸せにできるんだな」なんて思ってしまう。


 少し、というか結構重たい朝ご飯をとり荷物をまとめると、エリの国に向かい出発することにした。

 出発する前にルーシーと連絡が取りたかったのだが、できそうにないのでエリに薪を拾いに行くと嘘をつきそこら辺にいた魔物にちょっかいを出して、襲ってきたところでちょっとアレして手紙を届けてもらうことにした。





最後まで読んでいただけるだけで感謝です。


前作「居候彼女は泥棒猫」もよろしくお願いします。

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