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プロローグ

   プロローグ


 今俺の目の前には明らかに小学生くらいの容姿で露出度の高い服を着た少女と、ひつじの服を着て鼻の下に髭をためた男がこちらを見下ろしていた。 


(どうなってんだ?)


 十九歳の俺、滝沢海斗は大学からの帰宅中、信号無視をしてきたトラックにひかれたと思って、気が付いた時にはここにいた。


「な、人族じゃと!」


「これは、どういうことでしょうか」


 俺がフリーズしていると、目の前の少女とひつじのような男が声を上げる。

 冷静になって、二人を観察すると普通の容姿でないことに気が付く。

 中学生くらいのような少女の頭からは黒色の角のようなものが、という角が二本生えており、背中の方にはぴょこぴょこと動くしっぽが見え、先端の方はトランプのクローバーの形をしている。

 時折見せる八重歯が妖艶さを醸しだし、幼さない容姿ながら顔はとても整っていてあと十年もたったら絶対に惚れてしまう気がする。


(言っておくがロリコンではない!)


 そんなことを考えたからか、少し気持ちが落ち着いてきたので声をあげてみる。


「すみません、ここはいったい」


「「しゃべった!」」


 すると、二人同時に目を見開いていた。

 なにこれ、ちょっとおもろい。


「あ、あのー。というかどちら様で?」


 俺がそう尋ねるとひつじの男が一歩前に出て


「こちらの御方はゾヴィーア大国魔王、ルーシー・ソフィリア様であらせられる」


「ふむ、我は魔王なのだ。存分に敬うがいいぞ」


 そういいながら両手を腰に当て、ない胸を張る魔王。


「はぁ」


 いまだ何が起きているのか理解できていない俺は何とも言えない声を漏らす。



 とまぁ、その後。ひつじのおじさん、セバスさんと呼べばいいらしいがその人の話によるとこうだ。

 俺は死ぬ直前に、ルーシーとやらがやっていた召喚獣の魔法によってここによばれたらしい。そんで、普通は魔物っていう動物の強い版の奴が出てくるらしいのだが、人が出てくるのはまずありえないらしい。




「とりあえず、何となくわかりました。俺は滝沢海斗って言います」


「ほう、海斗というのか」


「えっと、ルーシー?」


 そこまで言ったところでセバスさんが声を荒げる。


「不敬ですぞ!」


「よい、セバス」


 そういって、魔王のルーシーが近づいてくる。そして、座っている俺の顔にその幼い相貌が目の前に来

て。


「うむ、面白そうなやつじゃ。特別にルーシーと呼ばせてやろう」


「魔王様!」


「だまれ、我がいいといえばいいのじじゃ」


「しかし…」


 セバスさんはそこまで言い、一歩下がり後ろに控えた。


(うぅ、なんか気まずい。でも)


「あー、その。ルーシー、俺はなんで呼ばれたんだ?」


 おそらく、この話し方は失礼なんだろうけどよくわかんないし。まぁ、いいか。


「それはの、もちろん戦争のためじゃよ」


「戦争?」


「そうじゃ。今、我々魔族は人族との戦争の真っただ中なのじゃ。さらに、最近勇者が人間界に表れたらしくての」


 これはまた、ベタな流れだな。それに、まさか魔族側に着くとは…。


(あれ? てか、戦争のためって俺、戦わされるの? 無理無理無理。

 俺、只の一般人だし)

 そんな俺をよそに説明を続けるルーシー。


「とまぁ、主には戦場に出てもらうのじゃ」


「恐れながら魔王様。彼は人族。とても戦争で使えそうには見えませぬ。これなら下級魔獣のほうが未だ

ましです」


「うーむ」


 セバスさんの進言を聞き、腕を組みながら悩みだすルーシー。

 その時、部屋の扉が開けられ人が入ってくる。


「失礼します」


 入ってきたのは魔族の兵士のようで、背中からは翼が生えている。だがとても焦った様子でルーシーから離れたところで膝まずきとんでもないことを言い放つ。



――― ティグロフスキア国が侵攻してきました ―――




 私自身の二作目の作品となります。異世界ものは厳しい世界だと聞いていますが書きたかったので書き始めました。


こちらも一作目同様、読んでいただけるだけで感謝です。

 

本作もよろしくお願いします。 作品投稿はお昼十二時の投稿になります。

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