表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの頃の君を忘れない  作者: ハル
1/1

もう何年も恋をしていない。


僕、南颯太は高校3年生。もうすぐ高校生活最後の夏を迎える。それでも僕は恋をしない。高校生という1番青春を味わうことのできる時期をドブに捨てている。


僕には忘れられない人がいる。


幼なじみの佐藤陽菜乃だ。小さい頃からよく遊んでいた。天然でおっちょこちょいな陽菜乃は1人では何もできない。だから僕がずっと側にいた。


「颯太、一緒に遊ぼう!」

「うん!近くの公園に行こうよ!」

家の近くに塗装の剥がれかけた滑り台とブランコしかない小さな公園があった。住宅に囲まれているので夕方を過ぎても明かりに照らされる。僕たちはよくそこで遊んでいた。

僕らは遊具ではなくかけっこや隠れんぼをすることが多かった。今となればあんな小さな公園でそのような遊びをしてもすぐ捕まるから別の遊びの方が良かったのではと思うがそれもまた良い思い出だ。


お互いの家に行ってゲームをすることもあった。

「ずるい〜!こんなの勝てるわけないじゃん!」

昔からゲームが得意だった僕に当然陽菜乃が勝てるわけがない。よくすねていた。まぁそれも可愛らしかった。


陽菜乃がいた時の方が今よりよっぽど青春してた。あの頃はいつも明るく元気だった。しかし今では友達も少なく、明るいとは言えない。恋とはそこまで人を変えてしまうものなのだ。とても忘れることのできない初恋だった。


だが、陽菜乃は小学6年生のときにフランスに引っ越してしまった。そのとき僕はあまりの悲しさに涙を流すだけで声をかけてあげられなかった。今でも後悔している。


「颯太、また会おうね!元気でね!」

泣きながらも笑顔で別れを告げたあの時の陽菜乃は今でも鮮明に覚えている。


陽菜乃がいなくなってからは完全に恋とは無縁の生活を送ることになった。ずっと陽菜乃が忘れられない。故に新しい恋なんてできるはずもない。


僕はまた会えることを願っています。


あの頃の君が忘れられないから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ